1VR民の2020年活動総括-その1-unityよわよわ勢から見た世界
はじめましての方ははじめまして。VRの民、さっきのななと申します。バーチャルキャストを中心にvrchatやNEOSVR, clusterなどに生息しつつ主にVRアイテムの作成などをしています。
2019年から本格的にVRで活動を始めたのですが、多少実績のようなものもついてきたので、来年に活かすために今年行ったことを振り返りしたいと思います。個人的な振り返りですが、VR界隈のこれからを考える一助になればと思い筆を執ります。
なお、いざ書き始めたらものすごく長くなってしまったので、いくつかに分割しようと思います。本来なら、こういうときは情報を絞って書くのでしょうけど、現在VRもバーチャルキャストも情報が不足していると考えていますので、あえて些細な内容もそのまま書き残します。
バーチャルプラネタリウム公開
2019年12月のふたご座流星群観望会イベントで使用したバーチャルプラネタリウムを2020年1月に公開しました。
vket4参加
初めてvketに出展してみました。vket4から導入されたデフォルトキューブでプラネタリウムの一部分だけを展示しました。一部分だけなのはvrchatではワールドを不正にコピーするのが割と簡単にできてしまうため、少々不信感を持っていたからです。ベッラ・パスタママ主催の「勝手にvket4」にも参加しました。この勝手にvket4はバーチャルキャストで開催されました。バーチャルキャストでは全幅の信用を寄せることができるため、そのまま展示しました。プラネタリウムは背景ではなくアイテムとして作ってあるので、会場と合わせることができました。
VCIランキング作成
バーチャルキャストではVCIという画期的なアイテムシステムがあります。このVCIの製作者毎の公開数ランキングを作りました。これを作った意図は、埋もれがちなVCI製作者の貢献度を可視化することと、製作者の士気高揚、そして自分の目標設定ー効果測定です。
一応、意図を説明すると、まず前提として、VRは圧倒的に物不足です。資材がない荒れ地に村はできません。残念ながら欲しいと思ったものがVR上にあるかというと殆どの場合ありません。この場合やりたいことがあってもすぐには試せません。そしてVRが普及するためには、VRでしかできない使いみちが必要です。残念ながらまだそのようなキラーコンテンツというか、決定的な使い方はまだ現れていないようです。こういうときの解決法は今まで幾度となく繰り返されてきました。どんなものでも黎明期には様々なアプローチが出ては消えていきます。多少荒削りでもそのコンテンツ全体を思いつく使い方でまず満たすのです。洗練されたものが出てくるのはそれからです。ですから、VRでの「足りない」を満たす”物”をまず充実させなければ新しい使い方は生まれてきません。いわばVRは守破離で言うところのまだ「守」の段階。まずは現実をある程度満足にコピーできなければなりません。そのためには物が足りない!
以上のような考えの下にちょっとだけ未来を考えてみると、VCI製作者が正当に評価されないと誰も作らなくなり、コンテンツとして死んでしまう。そうしたらバーチャルキャストの未来は暗いのでは?と思いました。そして当時、かなり貢献している用に見える製作者すらあまり顧みられていないように感じていました。そこで、VCI製作者全体の地位向上ってどうしたらいいの?と考えた結果が、貢献度を可視化して正当な評価をしてもらえるようにすることでした。そして、ランキングでわかりやすく客観的な指標を示すことで、いい意味で競い合い高め合う動機が生まれるのではないか。そして、unityが全然できない人でも高位に食い込むことが実際にできることを自分で示してしまえば初心者が始める一助にならないだろうか、と思いました。
上が最初の調査です。そして下が一ヶ月後。この結果はかなりの反響をいただけたようで、製作数もぐんと伸びています。
リプライたどっていただければそこに詳しく書かれていますが、自分が全体の1割、全体の上位2割で八割をカバーするように動くというのが一つの目安でした。結果として全体で4位、公式を抜くと3位まで行って、1割弱近くまで行くことはできました。一時的にはいけるものの、そのままでは続けるのは難しそうということがわかりました。
VRChatとも比較してみる
作ったスクレイパーを適当に改造すれば再利用できそうでしたので、VRChatとも比較してみました。VRChatはVRChatの世界(β)さんのデータから解析しました。ただ、さっきの調査とちょっと違うのが、VRChatにはアイテムは存在せず、ワールドという環境だけが存在していて、アイテムに見えるのはすべてワールドの一部です。なので今回はワールドで比較しました。
それで、結果なのですが、最初見てびっくりしました。バーチャルキャストでは一人あたり何十個も公開するのは珍しくない中、VRChatでは一人あたりの製作数が著しく少なく(1,2はザラ)その代わり製作者数が圧倒的に多いこと。
これは、比較してみると歴然です。
なんでこういう事になっているのかというと、おそらく、アイテムシステム(VCI)が効率よくユーザーの制作意欲を吸収できているのではないかなと考えています。VRChatを始めとした多くのVRSNSプラットフォームでは、共有するものを作ろうとするとワールドをほとんど作るしかありません。環境丸ごと作るのは技術的にも労力的にもハードルが非常に高く大変です。だからどうしても一人あたりの製作数は少なくなってしまうでしょう。そんな場合でも問題が小さいVCIならいくつも作れます。
何なら作ろうと思ったけど、今の自分のスキルではワールド作成はやらない・できないという人も出てくるでしょう。
最初の一歩を踏み出しにくい場合、学習・成長するのも大変です。(もしかしたらこれがバーチャルキャストからVRChatにユーザーが流れてしまう一因になっているかもしれませんが、、、)。
また、下図はアクティブ数から推定した全ユーザー数に対する製作者の割合ですが、此処にその結果が歴然と現れています。
バーチャルキャストざっくり見積もっても半分近くの人が何らかのアイテムを公開・共有していました。これは体感とも相違ありません。そこら辺で寝ている人がアイテムを公開していたり、適当に過ごしてるだけでも会う人会う人が何らかのコンテンツを提供しています。一方でVRChatは技術力が高い人が多くいるのは間違いないと思われますが、誰でもそうなれるわけでもないでしょう。結果として上位の一部の人達の成果(ワールド)が消費者に共有されているのでしょうか。もちろん皆さんアバターを工夫していらしているので、かなりunity力がついているものと想像されますが、結局アバターって自分しか使えないんですよね。。その点VCIはみんなで共有できるし、実際皆が他の人の作ったアイテムを使ったりしています。なので小さいVCIを逐一公開しつつ、他人の成果を元に協力し合いながら前に進んで行けるといいのかな、というのがバーチャルキャストの未来なのかな思います。そうすれば製作者は自分の表現制作に集中することができます。
とはいえ、結局はVRChatみたいな分布になるこれからは短期的には上位製作者にある程度集中支援が入るように、長期的には裾野を広げる方針で発展するのかな、と思います。
だいぶ長くなってしまったので、一旦此処で区切ろうと思います。
みなさん、良いお年を!そしてよいVRライフを!
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