日誌 22「中学生なので清く正しくアイドルを幻視しよう」
・中学生です
・中学生なので、散歩が好きです。
万事なんでもうまくいかなかったりしてモヤモヤっとした時とか特に歩くか!と自室を蹴破って外に向かうこともしばしばです。
ノープランで歩き始めてから、モヤモヤの原因だったり新しく何作ろうかとかそういえば今期アニメがあーだこーだシャニマス次誰プロデュースしようかしらとかとかとか考えるわけですね。
歩くという行為に対して意味はなく、歩き始めてから思考が開ける瞬間を待っている感じですね。アイディアが〜って机の前で唸るのもいいんですけど、三日四日考えてたものが歩き始めたらなんか閃いたりすることもあります。
そういう意味で、散歩好きです。
しかし完全ノープラン散歩なので、イヤホンとスマホ、あと小銭と定期券だけ持って行くことが多いです。目的地は決めてない。というか、思考する方に重きを置いてるせいで
どこに行くのかわからない
果ては
ここがどこだかわからなくなります。
普通にわけわからん森の中とか周囲に該当がなかった時とか焦った。内臓に悪い体験だった。
でもこれもある種目的のあるタイプの迷子なんですよ。全く知らない街や、見たこともない施設。雰囲気だけは感じたことがある森や、見覚えのないのに落ち着く公園など、そういった知らない何かを求める本能が勝手に決めた方向に歩いていくことで出会う場所が存在していて、それを求めていたりもします。
だからノーバディノープランノータイム散歩が行われています。
でその果てに幻視したんです。
アイドルを
・実際に起きたこと
なんでもない日
特に思いつくことも無く、やらなくてはならないことはあれどアイディアが無いからどうしよっかと考えていて、そうだお昼ご飯を買いに行こうと思いコンビニに向かう。
サンドイッチとかにしようかなとか考えてるうちに、結構歩くことが楽しくなって来てしまう。
ちょっと調子づいてきて少し散歩することにシフトして歩みを進めていく。
歩みの中、回って来た思考で色々考える。
今の問題点、昔の後悔、これからの展望、
未来、手元に残ったもの、重ねていく不審、
悪意、希望、歴史、大人、子供、
無くなったもの、まだ手の中にあるもの
なんか宇宙猫みたいな顔になってきた…
やばい…良くないぞ
頭はフルスロットルであれやこれや考えてるのに、身体はただ歩みを繰り返すだけ。
はっきり見える景色も次第にぼやけたり異様にはっきり細かく見えたりをくりかえす。子供の声も、信号の音も、車のクラクションも流れる川の音も何もかもが薄く通っていく。適当にランダムに流した音楽をバックに、フラフラと目的もなく歩いていく。
そうしてたどり着いたのは見知らぬ公園。住宅が近い、小さい公園。滑り台とブランコと、よくわからない動物を模した遊具とベンチしかない、型式だけの子供の遊び場。
そこには誰もいない。たった1人、中学生。
そういや昼ごはんを買いに来たんだった。体感で1時間くらい経ったのだろうか。そういやここどこだ、そんな思考が薄く追加されていくけれど、
さしてそれは重要なカテゴリにはなかったため流れていく。
様々な思考が、思想が流れる脳内情報の一部になって脳の海に揺蕩う。ベンチに座って、脳の思考が加速していく様を客観的に感じていく。ぼやける視線で、ベンチのそばにあった動物を模した遊具を見てみる
なんも変哲もない、ただの…
ただの遊具だ。
何か惹かれるものを感じた気がしたが、何もなかった。幼いときなら楽しそうに遊べたものを、ただそこにあるものとしか扱えなくなってしまった。少し悲しくなって目を逸らして、また朦朧と回る思考を加速しよう、そう思った。
その時
「…っすね!」
…は?
えなに今の???????
加速した脳細胞が急に停止した。
電源を急に抜くような、急に暗転したかのような、唐突な停止。その原因の声を考えることで、ようやく止まった思考が動き出す。
イヤホンを外し、周りを見渡す。誰もいない。誰の声もない。風で吹かれるものの音しかない。
スマホを開き確認するが別にドラマCDも彼女の曲も流れてはいない。
つーか流れてたの「DeusPRO召す」じゃねーかなんでだ!なんでも劇的になっちまうだろうが!いいけどさ!!好きだよ!!
落ち着く。先程の声は気のせい。何もいない。
理解した。ゆっくり目を閉じる。なんだったんだ今の
いやこれは幻聴だ。きっとそう。
「…っすよ!」
「…やばい」
いや??
何?????
幻聴増えることある??????
いやーなんなのこれ。
幻聴増加傾向なんてあんの?
くるとこまで来たか…いやもうんなわけなかろうよ。なーもない。なーもないんですよ。そんなわけなかろうてよ。なかろうてでございますよ。
ホント、勘弁してほしい
そう思い、声がした方向に目を向ける
その時、確かに目に写った
動物を模した謎の遊具で心底楽しそうに遊ぶ中学生アイドルと
それをまじまじと見て微笑んでいる高校生アイドル
その2人の姿が、確かにこの目に映った。
・不健康合法トリップ
・まぁそんな事はないんですけどね。
・いや実際経験したんです。どっちだよ。でも確かにあった気がする幻聴と幻視。
・人間が極の極まで到達し、あと物理的に消耗、そして消耗を理解しない程度に思考を走らせている状態。そこまでくると、幻視にたどり着きました。
いや健康的じゃない。マジで。
きっと疲れた思い込みの果て。
今回のケースは健康的じゃないですが、逆説的健康的思考だったんですよ。
この幻視幻聴は一瞬でしたが、お陰で自分の置かれた状況(2時間近く経ってた。昼飯食ってない、喉からから、クタクタ。ここどこ?スマホの充電16%、日が暮れ始めている)がわかりましたからね。
うーん健康アラート。
ギリギリで発生するタイプの火事場スキルみたいだった。いやごめんだよそんなもの。
ある意味限界に近い時に発せられる良くできたアラートが完成しました。これが見えたら聞こえたらヤバイ。一線を越えたら見える存在たち。
今回のケースは限界過ぎましたが、そこからアイドル幻視に近い状況が日常に挟み込まれることが増えて来ました。
この瞬間にはあのアイドルならどうするだろうか、何を買うか、誰と会うか、何を見るか、何を思うか…
でもその日常の中にまろびでたアイドルの断片に触れる機会が生まれたことで、アイドルに対しての興味や、アイマスシリーズへのモチベ、加えて人生が少し歩みやすくなったりとアドバンテージしかなかったりします。
日常に侵食してくるアイドルたち。それは健康的ではないかもしれませんが、当の本人が幸せならそれでいいのかもしれません。
またいつか、公園で遊ぶアイドルたちに会えるかもしれません。
今度会ったときは、今際の際かもしれないけれど
あとこの時からカメラを持ち歩こうと固く誓った。幻視した景色を残した方が身のためなので。
今日も最後までない話たっぷり。