【エッセイ】無気力
年に数回有るのだが。
全くの無気力に堕ちる日。
本日がそうであった。
そもそも私はどちらかと言うと多動というか、落ち着きがなく常に何かをしている。
無気力の厄介なところは、突然の現出だ。
金曜
は夜勤明けでテンションが高く、帰宅して妻を職場に送ってからペヤングの激辛カップ焼きそばをアテに飲酒。それほど辛くはなかった。
けっこう深く眠り夕方に起床して妻を迎えに行き、夕食後はちょっと執筆をして入浴後、マグロのレアステーキと豆腐をアテに飲酒しながらアマゾンプライムで「シン・仮面ライダー」を鑑賞。
あ、面白かったです。「シン~」のシリーズでは個人的に一番愉しめた。
映画のレヴューなんかを見ると「話がカオス過ぎてまったく理解できない」的な意見が多いようだけど、そもそも仮面ライダーってのはその「カオス」が魅力なのであって、徹底して荒唐無稽な空想妄想を貫き、根拠も考証もない屁理屈と虚構で組み上げられた世界である。
そういった人間の深奥にある混沌を愉しめないと、こういうファンタジーの魅力は理解できないのかもしれない。
あと、庵野作品あるあるではあるのだが、異様に豪華なキャスティング。数体登場するオーグ(改造人間)は、造形が複雑で誰が演じているのかよくわからない、逆に言うと誰が演じても外見上はそれほど変わらない(笑)という状況なのだが、ここに長澤まさみや本郷奏多をブチ混んでくるあたりのオタク気質が素晴らしすぎる。
土曜
は早朝に起床して妻を職場に送り、朝食を摂ったあと、ローストビーフを拵えて冷蔵庫で寝かせる。
昼前に妻を迎えに行き、昼食をしてちょっと執筆。数点、リサーチしたいことがあったので家電量販店やスーパーマーケットなどを周り、夕食後にしばらく妻子と過ごしてから清掃開始。23時すぎに入浴して、今朝のローストビーフと、マグロの刺身で飲酒しながら録画しておいたドラマ「最高の教師」第2話を鑑賞。
第1話で芦田愛菜の凄みを再認識し、なんだか他のキャストが凍りついているような緊張感を画面から感じていたのだが、この緊張感がそのまま第2話にも引き継がれていて、重くありながらも爽快、苦痛と開放の匙加減が絶妙で、次回以降も楽しみだという感想を持ち、深夜に就寝。
で、
今朝である。
無気力。
とりあえず朝、起きぬけに毎日しているストレッチまではこなしたのだが。
無気力。
それ以降からだを動かす気になれない。
とりあえず朝食に蕎麦を食べたものの、コーヒーを挽く気力がなく、断念して椅子に座り、PCを立ち上げるもそのままボーっと過ごし「だめだこりゃ」と、いかりや長介の名言を実際に口に出してから布団に入り、午後3時まで動かなかった。
午後3時から妻子と来週の買い出しにスーパーへ行ったが無気力。
動きたくないので車内で待つ。
エンジンを切れと書いてる看板は無視。
エコ?ガソリン代の高騰?無視。
エアコンつけっぱなしの車内で20分近くボーっと無気力。
帰宅して無気力。
夕飯の後、ヘロヘロになりながらコーヒーを挽き、淹れて若干の達成感は得たものの無気力は継続して現在に至る。
昨日までは自由闊達活力横溢の快調人間だったのが突然の無気力。
まぁそんなもんですよ、人間なんて。
特にオチはない。
無気力なんで。