オトナ帝国をバカにしていたら世の中がリアルオトナ帝国になっていたという話(前)

オトナ帝国とは何かというと、クレヨンしんちゃん映画9作目、嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲に登場する架空都市…厳密には違うのだけれど、今回は便宜上として2001年の時代に昭和のものを登場させ、それが良いという懐古主義に対する一連の行動についての名称としてオトナ帝国とする。

当時大凡しんちゃん位の年代だった私はケンとチャコは悪いやつだなぁ、と思っていたし正直そこまで感動した思い出はなかった。
今のようにネットを用いてクレヨンしんちゃん全映画を視聴等出来なかったので、昔は同じ映画を何回も繰り返して見ていたものである。
多分気に入っていたシーンはバスのシーンだったり、ケンの車に立ちションするシーンだったと思う。
それ以降も何度かこの映画は見る機会があったけれど、正直いうほど感動はしなかった。それは子供だったからかもしれない。
が、今の私、2X歳の私からするとこの映画を見て正当な評価を下すことはできなくなっている。

子供が見ても大人が見ても、どちらが見ても面白いのがこのオトナ帝国。それでは、もし当時の子供が大人になったら?それはこの映画作成の時点ではヒロシやみさえの視点で見てもらえるように作ったはず、だった。
だが現実は全く違っていた。

どの物語、どの事情にも必ず不変のルールは存在している。例えばクレヨンしんちゃんなら必ず主人公はしんちゃんで時代背景は大凡平成、幾らしんちゃんが大人びていてもネットの嫌がらせ等はしない。まぁクレドラはスマホが出てきたりジャイアンがヘルメットを被っていたりと変わってきている部分はあるけどそれでも、基本のルールは変わっていないから今でも続いている。
それを少しだけ拡大して、当時のアニメや時代背景に合わせてみよう。当時のアニメ…まぁ平たく言えば昭和という時代は今以上に不変のルールが多かった…のかもしれない。(申し訳ないですが私は昭和は知りませんので自分なりに調べた昭和の考えを用いて記事を作成しております)例えばアニメは子供のうちに卒業するものだし良くも悪くも女性は女性のルールが今以上に押し付けられた時代。2001年というのは過渡期でいい意味でも悪い意味でも変革化してきていた。バブルが崩壊して(悪い意味で)今までに縛られない行き方をする人は増えていたし、当時の人たちですらまさかここまで経済が上向かないとは思っていなかっただろう。

そう、世の中は悪い意味で変わった。最近のニュースではほぼ毎週のように高齢化問題を取り扱うし、それと同じくらいに子供の数が減っているというニュースも取り扱っている。
2010年はまだ良くなるかもしれない、という未来はあったけれど2030年は間違いなく今より悪化している、これが現代の考え方である。
2040年問題なんてのはニュースで散々取り上げられているし、今は老人ですら働かされている時代全ては少子化のせいなのかもしれない。


…という、政治批判をしたいのがこの記事ではなくて、この記事が書きたいことはもっとシンプルで、どいつもこいつも懐古主義に走ってるよねって事が書きたかったのである。
世の中右を見ても左を見ても10周年だ20周年だでいつまでも過去のキャラを擦り続ける。最近だとまどマギが10周年で新作映画を作っているというのも見た。子供向けアニメは更に酷くて最早子供がいないから作られない、いつまでも過去キャラのグッズを作り続ける(アイカツプリティー)という地獄のような光景が起きている。
アイカツは最後の方が本当に酷くて、アニメが終わった後に初代のグッズを販売したり(既に使えないカードをセットで販売していたのもあった)、プリティーはアニメが打ち切られて今頼みの綱はアドパラ(既に一年ぐらい延期)という、子供向けアニメなのに大人がターゲットという意味不明な状況に陥っている。
この余波を受けたのが多分ポケモンだと思う。というか歴史があるポケモンですらサトシが打ち切られたんだからそこらの女児向けアニメが打ち切られるのも当然である。ポケモンの方はというと子供向けにするか懐古に舵を切るかをBWから延々と繰り返していたと思う。結果的にポケモンは懐古主義に媚びて(まあ常に炎上していた気はするが)アニメを終わらせたのだが。

今の時代子供がいなさすぎて、子供向けにしたものは確実に続かない。唯一例外はアンパンマンだと思う。アレは特殊な例だし、サザチビクレドラも今回は例外。まあドラえもんは近々打ち切られるんじゃないかとは思っている。
クレドラは下手したら子供より大人で見ている人のほうが多いんじゃないかとは思う。クレヨンしんちゃんは遂に公式が昔のユーザーに頼り始めてYOUTUBEで配信をし始めたしドラえもんよりは続くものの近々終わりは見えてきているとは感じている。
ドラえもんは懐古に舵を切ろうにも声優一新して大山ドラを黒歴史のように扱っている現状、昔のユーザーに頼ることが出来ずにどん詰まりを起こしているように感じる。まぁドラえもんも後数年したら水田わさびの方が長くなるのでそしたら大山ドラも配信されて、懐古に走ると思う。
この二代アニメですら打ち切りが見えてきている(時間帯変更視聴率低下)現状、他の子供向けアニメが厳しいのは仕方がないのである。
プリキュアも遂に大人もターゲットに舵を切るらしい。まぁ当然といった感じである。

ここまでを見ていただければ、どれだけこの世界がヤバいかが伝わるはずだ。2000年代にサトシ打ち切り、プリキュア大人向けなんて書いても信じられないのである。ただ信じられないことが起きているのが現代であり、最早アニメは子供が見るものという認識ではない。造り手もそれを理解していて子供向けにアニメを作っていない。無いわけではないけど大抵はコロコロ系列のホビーアニメである。それすら数は激減している。
これはアニメに限らずゲームもそうで、昔はゲームは子供がやるもの…特にポケモン何かは顕著で自分が小学高学年の時にポケモンやっている人はまだいたかなぁ…殆どいなかった記憶がある。ポケモンは卒業するものとして作られていたし、自分が高学年に流行っていたのはPSPのモンハンとかだった気がする。
が、今を見てみるとどうだろう。最早ポケモンは子供より大人の方がやっている人が多い…かどうかは分からないものの、SVの最高売上は子供だけではないのは確実に言うことができる。
この2010年代に何かが変わったのは間違いない、はっきり有り体に言えば金を持っている30歳超え+少子化のせいなのだが。
ただそれだけでは不透明な部分もあり、人類総オタク化が進んだのかもしれない。
私にははっきりと分からないがここ10年近くでアニメ・ゲーム趣味の人は増えた気がする。それが良いか悪いかは置いておいて、それ+30歳上少子化のコンボで懐古主義は異様に増えたのは事実だ。
おそらくだがポケモンは既に子供をターゲットから切り捨てている。単純な話で子供をターゲットにしてもコスパタイパが悪い(子供をターゲットにしても金払いは別によくない。子供の頃を考えてみると分かると思うがゲームを買って欲しいとお願いしたり一々頼まないといけないからだ。それにお小遣いもたかが知れてるわけだし)から、直接大人をターゲットにした(例えばナンジャモのグッズ何かは子供→親のコンボを狙うより直接30歳以上を狙ったほうが早い)方がいい、何ならナンジャモのグッズを全部買ってくれるかもしれないし、こっちのほうがコスパもタイパも良いのである。
となると子供向けにアニメも同じで、直接大人にカードを売りつけたほうが早い訳で、世の中子供向けにアニメは減った。

ここまでをまとめると嘗ては子供がアニメを見たりゲームをやったりするから子供をターゲットにせざるをえなかったのかもしれない。後は当時の大人向けは深夜アニメ系エロゲー系で普通の大人はアニメにハマらないから既にターゲットから外れていた、という推測。

この子供→大人のコンボは妖怪ウォッチが最後かもしれない。思えば妖怪ウォッチ以降に流行ったキッズコンテンツは無いのかもしれない。次に流行ったキッズコンテンツ?は鬼滅だった気がする。

話が脱線したのでここで一旦区切るとして、ただ…ここまで懐古主義が流行っているのはこれだけではないかもしれない。もう一つとして長く愛されるコンテンツは今の時代間違いなく減っている。上で人類総オタク化が進んだと書いたが、そういうわけでもないと私は思っている。
その方向からも突き詰めていけば、現代に生じる違和感の正体がつかめるかもしれない。


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