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デコレーションケーキを考える

サントアンで毎月発行している広報誌「THE LETTER」
私が書くコラムをnoteにもアーカイブ


2023年3月号

 おかげさまでサントアンは35周年を迎えました。1月下旬には5日間の周年祭を開催し、お客様も取引先さんもスタッフも一緒に楽しく過ごしました。たくさんのお客様にいつも支えていただき本当にありがとうございます。
 節目のよい機会でしたので、より良い素材で、より美味しく、より満足いただけるように定番のデコレーションケーキをリニューアルしました。好きなフルーツが乗っていないな。大好きだったケーキがなくなってしまって寂しい。など心配のお声をいただいたので、どうぞ心配なさらずに、パンフレットに載っていないケーキもできる限り作りますので遠慮せずに相談してくださいね。とお伝えしたくてサントアンレターに書かせてもらいました。

 サントアンは「より良いお菓子で人と文化を育む」を目指して日々お菓子作りを行っています。ほんまもんの美味しさを伝えるべく、7年前に原材料の国産化と化学合成添加物の不使用を志し、コツコツと続けています。

 2021年、私たちが考える「より良いお菓子」とは何かをスタッフ全員で今一度話し合い「旬を感じる手作りのもの」と定めました。
 
 旬を感じることができる商品か。自分たちの手で作った信頼できる商品か。とひとつひとつ確かめながら、できるだけ副材料から自社で手作りし、使用するフルーツはできるだけ旬のもので季節を感じるお菓子作りを進めてきました。

 無理をして通年販売せず、旬の一番美味しい時期が過ぎたら売り切れにしよう。品切れがあってもよい、なぜなら原材料は自然の産物で有限だから。季節がめぐるように、お菓子もめぐらせよう。ささやかながら自然や文化を取り戻す取り組みをこの2年間続けていました。
 
 私たちなりのより良いお菓子づくりを続けてみると、思いを商品にうまく表現しきれていないギャップが見つかりました。私たちの取り組みが商品から感じ取りづらいことに気づき、この取り組みを表現したケーキに変えようと、この度のリニューアルに踏み切りました。

 16種類あった定番デコレーションケーキは、アイテムの入れ替えやブラッシュアップを行い12種類に絞りました。少なくなったその分、月替わりの商品を3〜5種類用意いたしました。その季節にしか食べられないケーキ、移ろいを感じながら次を楽しみに待ちわびるラインナップを目指しました。お客様からリクエストを多くいただいたケーキや、地味だけど伝統的でしみじみ美味しいケーキ(地味うまと呼んでいます)も反映しています。季節ごとに移り変わる商品を通して、食べる人と作る人の掛け合いが生まれることを願っています。


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