短編、2
前回の話はここから、ご覧ください。見て見たところ、何の話をしているか分からないし、見ていて恥ずかしくなるものでした。
この話は小説1,小説2の続きでありまして、それを読むとよく理解できるかもしれませんが、恥ずかしいので、見ないで頂きたいというのが正直なところです。小説1は結構飽きっぽく、テキトーに書いたので、見るのは小説2からをお勧めします。
多分この地には5人の戦士が集められていることだろう。
僕はこの話をどこからか聞いたのさ。
誰かは良く分かっていないけれど、多分僕を含めて5人いるはずなんだ。
何故集められたかは知っている、倒せと言っているのさ。もう手に負えないとさ。
まぁ、手に負えないわけではないんだよ。彼の目論んでいることを確かめて、誰かが生贄になってもいいから、彼を少しでも砂にしておきたいんだよ。
彼も倒せないことを重々承知しているんじゃないかな。もっとあの時に対策を立てていればと悔やんでいた。彼は最初、その怪物の存在を不思議に思ったし、倒したくもないと思ったそうだ。確かに、能力、魔法みたいなものは相当危険なものであるんだけれど、性格とか、話を聞くたびに親近感がわくというか。まるで、友人みたいなそんな感じがするみたいなんだけどさ、やはりどこか怖くて、確かに、いい怪物である可能性もあるからね、その可能性とかはもう気にしてはいけないんだってさ。そうしないとどんどん犠牲者が増えてくだけなんだってさ。まぁ、人を殺す犯罪者は逮捕されるもんな、彼もきっと同じようなもんなんだろうな。僕たちは彼から見たら、自分の思想を押し付ける、嫌な奴なんだろうけど、
そうだな、僕は凄く気になっている。
1.蒼は、家の中で、手紙を読んでいた。
ありがたいことに、研究家の手紙にはその場所の住所が記されてあった。僕はそれから、手紙を送ることにしたんだ。彼の名前は静、彼は僕よりも年下だ。結構若いんじゃないか?しかし、非常に賢い少年のようだ。僕にきっといい助言をくれるに違いないよ。
“こんにちは、僕は結構前にここに訪れた、蒼と言います。
僕は先生に本を貰ったんです。貴方と同じように。先生が死んだ後に手紙が届いたんです。
この本が読めたら、そっちの地方に遊びに来たらいいとそう言ったんですよ。
僕は、貴方と話した時に話した言語は先生の翻訳していない本のお陰で学ぶ気持ちになったんですよ。ここは、貴方もご存じのように、先生最期の作、「蒼」の地となっているじゃないですか、だから、沢山観光客がやってきます。僕はとても先生に助けられたような気持でいます。
で、あの日、貴方と会ったあの日、僕は何といえばいいか、不思議な出来事を目にしたんですよ。これは不思議と言ったらいいか、恐怖と言ったらいいか、まだ分からないですが、僕が思う中では、悲劇の元凶ですか?そんな人が僕の前に現れたんです。
彼は「砂」にあった通り、砂になったわけではなかったんです。砂になったはいいけど、死んだわけでは無くて、再生が可能らしいんです。僕が思うにこの本を託された人間、もしくは手紙を渡した人間にその、元凶を倒させようとしているのかもしれないと最近思いました。僕と結構前に話した研究家が亡くなった後に僕に手紙をくれたんです。貴方が何かしら関係あるんじゃないかって、そう言ったんです。確かに君は先生と関わりがありましたよね。そして、本を持っていますね、もしかして、君は先生に選ばれた人間じゃないかって思いました。どうだろう、僕に少しでもいい、情報を提供してほしいと思うんだ。“
僕はそうとだけ書いて、送ったんだ。まぁ、彼とうまく話ができればいいそう思っていた。
彼曰く、他の人に配っている場合もあるらしい。じゃあ、何人か、存在するのかもしれない、僕は全く、能力が無い、どうすればいいのか、普通に足手まといであると思う。どうすればいいのだろうか、これは他の人たちに任せるということは、自分だけ逃げるということは、僕には多分できないな、彼らが本気で戦おうとしている時に逃げ出してはいけないだろう。
2.一方、静は歩いていた。
僕自身、この謎は解明して、無くすべきだとそう思っているんだ。
あぁ、父さんは結構、幸せに過ごしていたが、やはり未練はタラタラだったさ。たまに深く考え込んでいる時は話しかけてはいけない、訳を聞いてはいけないそんな感じがとてもあったよ。僕はどうもできないだろうなと思ったよ。どうにか助けたいと思ったこともあったが、今考えてもどうにかできる問題でないと思うよ。本当、何を背負ってしまったんだか。
で、僕はさ、皆が言う先生とやらに、たまに会っていた。彼は森には近づかないけれど、彼は森以外にはいたからね、後に一回だけここを訪れることになるんだけどね、その時は最期って思っていたらしいからさ。あっさり死んだね。死にそうになるんだったら、ここに訪れなければよかったのにね。
僕は彼に何回か、父さんについて聞いたのさ。まぁ、それについてはなんとなく、察してはいたんだ。湖は危ない、そう直感で思うんだよ。ここの公園、僕が管理している公園では何かあるんだよ。そう、あるんだよ。
彼は、全て知っているみたいだったが、あまり教える気はないみたいだ。なんで教えてくれないのさとは思った。
だが、ある時に少し話してくれたんだよ。父さんの友人が元凶だってな。何しろその人物が人間でないらしいんだ。父さんは確かに事故死だったんだ。でも、そう、全然ありえない死に方だったからさ。何かあるんじゃないかと思っていたんだよな。
想像の範囲を出ないけどさ、父さんはこの元凶とやらに殺されたんじゃないかってそう思ったのさ。まぁ、別に恨んではいないのさ。どうも恨んだってしょうがないしさ。
父さんがここに移住するようになったのは父さんの友人がここで死んでしまって、悲しくならないようにって理由らしいし、僕もここで生かされているようなもんだし、自然の摂理を馬鹿にしちゃいけないというか、自然を舐めてはいけないというか、父さんの友人が人間じゃないのなら、自然に殺されたと言っても過言ではないんだよ。
もうどうしようもないんじゃないかと思ったりしている。でもさ、先生はさ、諦めてないみたいでさ、そんな感じをするんだよ、それとも最悪の未来が見えてる?とか何かなのかな。知らないけれど、先生の期待にもこたえてあげたいということがあるんだよね。
僕は森の外の喫茶店でコーヒーを飲んでいた。やはり、自動販売機とかで買うよりもこっちのほうが美味しいんだよな。勉強もしたくなる。隣に知らない人が座っていて、僕は管理人やっているからさ、詳しいんだよね。町の人は皆知り合いそんな感じ、で、見たことない人はすぐに分かる。だから、すぐに話しかけたくなる。
「君は何処から来たんだ?見たことが無い顔だ。」
「あぁ、そうかもしれないな、俺はここに用があってきただけなんだが。」
「こんなところに用なんて、あるんだな。やはりみんな先生の影響だったりする?」
「あぁ、先生、こいつのことか?俺はこいつに頼まれた、こいつが、本を渡してこういうんだ、湖の敵を倒せ、こう言うのさ。」
「へぇ、その話もっと聞きたい。」
「あぁ、俺は、ここから結構離れた離島から来たんだ。こいつは色々旅をしていた。
話によると強い人、見込みのある人を探しているらしい。俺は作業をしている時に話しかけられたのさ。「なぁ、世の中にいる人間じゃない人のことを信じるか?」だって言ったのさ。俺は信じなかったが、結構面白い賭けだと思って乗ってみたのさ。」
「へぇ、人じゃない人ね、意味わからない表現だね。怪物とか言っちゃえばいいのにね。
「そうだな、意外と、こいつはその、人じゃない人に興味を持っているんじゃないかと思うがな。」
「へぇ、そうかぁ、確かに、そんな感じがする。先生はいつも彼を悪者呼ばわりしなかった。」
「あぁ、だから今回は、俺らがおとり役となるのさ、でお前もその本を持っているんだろ、おとり役に選ばれたみたいだな。」
「おとり役~!!へぇ、先生意外と嫌なやつなんだね。ははは、面白いけどさ。ねぇ、そこまで本気になるのって何故?もしかしてたんまり金とかもらえるやつ?どうなのさ。」
「どうだろうな、俺は頼まれたことを断れない奴なだけなんだ。まぁ、今の生活に退屈していたから、いいと思ってな。まぁ、もらえる可能性もあるがな。」
「そう、まぁ僕はお金に困ってないんだけどさ、これに選ばれた人がただ損をする構図なんじゃないかとか思ったりしてね。ただ死ぬだけとかね。生き残る確率とか提示してくれないと困らない?僕は困るんだけど、使えるのは格闘技ぐらいなんだけどさ。父さんがそういう系なんだ。そして、剣が使える。」
「あぁ。俺は、銃だ。一応使える。戦闘機にも乗れたりするがな、相手が人間じゃない人間だから、必要ないと思った。」
「あぁ。そういえば、僕結構前にこの本を持った青年に出会ったんだ。確か、先生に言われて来たとか言っていたから、彼が選ばれたもう一人かもしれないね。」
「そうかも、しれないな。」
「君は一人で戦ってみるのか?どうなのか?僕は少し待った方がいいのかもしれないと思っているけど。」
「俺は一人で戦うつもりだった、そんなに人を待って上手くいくと思うのか?」
「そうだね、確かに上手くいかない可能性も十分にある。そう、この森に来る時が勝負だということだね。」
「あぁ。いる人だけで早く倒した方がいいと思うんだ。」
「そうか。今日はありがとう。君はもっと重装備で来た方がいい。結構危ないと思うんだよ。」
「あぁ、助言ありがたい、是非そうしよう。」
二人は喫茶店を後にした。
僕が森に戻ると、激しい銃声が聞こえた、僕は誰かもう、始めているんじゃないかと、そして森を荒らされるのは何とも許しがたいものであったので、止めに行こうとした。
一人の女が銃を撃って練習をしていた。
「なぁ、ちょっと練習するのは止めて欲しいんだけど。止めてくれる?自然を荒らすのは、僕も父さんも望んでいないことなんだ、非常事態以外は。」
「あぁ、だが、分かるか。敵には銃を命中させることが全てなんだ。外したら、私が死ぬだけだ。私は自然をどうこうとか、敵じゃない味方がどうなんだとか、正直興味が無い、早く殺して帰るそれだけ、その戦いで、自然がどうせ荒れるんだろ。知らないよ。私は言われたままに銃を放ち殺すだけなんだ。」
「はぁ?あの申し訳ないんですけども、自然を荒らしたことに関して、僕の家でお話聞かせていただきたいです」
「あぁ、それに関しては問題ない、私はここで、何日か野宿するつもりなんだ。」
「母さんがそれか僕が、貴方のために料理を作るんで、是非僕の家にいらっしゃってください。」
で僕は彼女を説得して、家に向かう。
母さんは料理は駄目なんだけれど、とても優しいんだよ。
でも、時々母さんのことが良く分からなくなるよ。全然悲しんでいなかったし、本当、鬼のような性格しているのだろうか。
「あぁ、静、お帰り、この人は、旅人さんですね。ここは寒いですから、薄着しては駄目だし、そして野宿も駄目ですよ。野宿している間に死んでしまいますよ。」
「いや、そんなことはない、私は非常に高い訓練をしているんだ。そして私は何もしてもらわなくても、生還する。」
「そう、じゃあ、私と対決をするしか、ないみたいですね。ここはトランプ勝負でもしますか、私が勝ったら、貴方は何も言わず、ここに泊まる。そして貴方が勝ったなら、貴方の好きにしていい。」
「母さん!」
「私に任せてください。」
僕は結局料理をすることにになった。結構、長く続いているようだった。ただのババ抜きだったけどさ、接戦だったんだ。彼女は能力は高いのか分からないけれど、母さんと互角だった。
母さんも勝てない戦いを引き受けるのもどうかしていると思うけど、今回は頑張ってもらわないと困るんだよね。僕、料理3人分以上作っているし、僕が2日ぐらい食べ続けないといけなくなるんだよ。
まぁ、結果は母さんが勝って、泊まるしかなくなった。僕の家は一応、宿みたいなものを兼ね備えているんだよ。だから、僕も母さんも慣れているんだよね。
やはり管理人として、公園を荒らす人と、死にそうになっている人をどうにかするしかないみたいなんだよね。
「私は、ここの国の、雪が降っている、積もっているなどの環境下、人が住めないような地域で修行しているんだ。だから、こんなまだ寒くない地域など、余裕なのに、私は戦いで負けてしまった、屈辱だ。」
「はいはい、負けたので、何も言わず、食べてください、シチューです。」
「あぁ。暖かいな。」
「そうです。静の料理はとっても美味しいんです。プロフェッショナルです。」
「まぁ、そういってもいいかもしれない。」
「なぜこういう時だけ褒めるんですか、恥ずかしい。」
僕は彼女も選ばれた人だと知った。どれだけの人が選ばれているんだ。そして、どれだけの能力を保持している人がいるんだ。
手紙が来たと母さんが言っていたので、貰った。
そこには結構前に来た彼からの手紙だった。
皆思っていることは同じだなと思った。しかし、今来たところで間に合うのだろうか?
送っても彼に参加してもらうことは難しいに等しいが。
「静!静のお客さん来ましたよ。」
「えっ?」
「夜遅くに、ごめん。また来ちゃった。」
「今手紙見たばっかなのに、、、蒼、、、君は返事も待たずに来たのか?」
「そうなんだ。決戦は早いかもと思ってね。僕は正直何もできないんだ。何も持っていないからね。」
「ではなんで選ばれたと思う?僕は先生が選んだ人は何らかの意味があると思うんだよ。」
「そうだね、僕が選ばれた理由は、、、」
「へぇ。それは確かにそうかもしれない。君はもう、彼と対峙して帰ってきたのか?強かった?」
「あぁ。とても太刀打ちできない。僕一人ではきついだろう。貴方は誰か、他の仲間を見つけたりしたかい?」
「あぁ、2人見つけた。一人はここにいる彼女だ。銃を撃っていて練習をしているところを止めたんだ。彼女はとても強いみたいだ。」
「そうか、もう一人は。」
「彼も銃が扱えて、戦闘機の操縦もできるらしい。しかし、必要ないと言ってたね。」
「そうか、僕が思うに彼は2日後には来る。そうして、どう戦うのか、もしくは説得するのか、考えたいと思うよ。明日、そう、明日に会議をしよう。
「で、怪物には何が使えるのさ、もう、すぐに撃ち殺しても、反逆されたら、攻撃も意味ないんじゃないかな。」
「そうなんだ。ただ撃ちっぱなしってのは良くないんだ。体力戦とかだったら、確実に開ける。僕たち全員揃えてもだ。もうそれは諦めた方がいい。そして、彼は話の方が通じるんだと思うんだ。誰かがダメージを微妙に食らわす。動揺するその時に、話を聞いてもらえばいいんじゃないかと思うね。」
「じゃあ、私みたいのはどうすればいいんだ。私はどちらかというと撃つことしかできないんだ。」
「別にいい、少しだけ蓮を止めて置くという役も大事だから。」
僕は、話を終えて、寝床に入って、こう考えた、僕の前に滅多に姿を現さない怪物?僕は、長い間、彼のことを存在しない、フェアリーテールの世界だと思っていたのさ。
父さんは、何も話してくれなかった。
僕に一人で倒せというのかい、父さん、そして、父さんの知り合いさん。
一人でないことは十分に分かっているが、僕にはこの人たちで彼に太刀打ちできるとは思わない。そして、父さんが話したくならないほどの怪物とは何なんだ。
僕は起き上がって、本を漁ってみた。
これは父さんにとっての思い出の品。父さんは、帰ってきたときは骨だったんだ。死因は何か聞かされていなくてね。誰も何も言わなかったんだ。悲しみも無く、苦しみも無く、みんな薄情だと思った。
蓮、彼とは、何年前からの知り合いだったらしい。そして、父さんの先輩だった。彼が、父さんの友人を殺してしまったらしい。父さんの友人は、怖い人だったみたいだったけれど、そこまでではなかったんだ、寧ろ、いい人で、、、しかし、本当にいい人かどうかは分からなかったんだ。父さんは病んで病院にいたから、最期は会えなかったと言っていた。しかし、最近は、精神世界で会話ができるようになったんだってさ。嘘だと思うけれど。
僕は父さんがまた病んじゃったかもしれないと思って、心配してしまったよ。
で、蓮は、先生と一度会ったことがあったんだってさ。凄い気に入られていたみたいなんだって、だから、許してもらえて、蓮と会う機会も最近は、ほぼなくなったんだってさ。
まぁ、今のところ倒す悪みたいな理由は見つからない。でも、人を砂にしてしまうのはとても問題であると思う。環境にはいいかもしれないけどね。文明を重視しているとしたなら放っては置けないし、殺人事件とか言われて、僕や母さんが逮捕されても困るし、心霊スポット化されても困る。まぁ、しかし、僕と顔を合わせてくれるのだろうか。
次の日、誰かが公園内で、倒れていた。生きているかも怪しいのではないか、僕はそう思った。まず、助けることが先だったので、家に連れて帰った。
彼は、どちらかというと、身体の怪我ではなく、精神的な怪我というのが正しいだろう。心の闇を全て受け取ったような症状が出ていた。
僕は、ここで、戦いとは、戦闘のようなものではなく、精神的な戦いなのであろうということが分かった。この倒れていた、彼のことは知らなかったが、彼も、選ばれた人間だったのかもしれない。
確かに、人が精神的に活動できなくなれば、恨みとかは無いし、そして、攻撃も容易にできなくなる。なるほど、凄い賢いなと思った。
まぁ、しかし、これは、皆を近づかせてはいけないと思った。
しかし、皆の姿は見当たらない、もう、先に行動を仕掛けていたら大変だ。
「静、大変!みんなが倒れているの!みんなどこも悪いところは無さそうなんだけれど、意気消沈して、何も話さないの。」
うわっ!と思った。みんなというのは、どれくらいの人のことを指すか分からないが、ほぼ皆なんだろう。
僕は、急いで、湖に向かった。蒼以外がそこにいた。
彼らは、苦しそうで、闇を見ているようになった。彼らはもう戦えそうにないだろう。
喫茶店であった人も倒れていた。湖にうつ伏せに浮いていた。口も聞けそうになくて、どうしようも無かった。
僕は、困った。彼らは怪我をしていないことが、少しばかり安心できる要素はあるが、僕と蒼と二人で、何とかしようとしても、何とかできる問題ではないだろうと思った
僕たちは戦うことを決意した。僕たちはどうにもこうにも、精神的に心の闇を体験せざるを得なくなってしまったらしい。
僕達が湖の前まで来た時に、人が立っていた。僕は人の来る時を待っていたのだなと思った。
僕は「蓮さん!」と声をかけた。
声をかけたくは無かったが、もう、そうするしかなかった。
「君は、あぁ、懐かしい、友に似ているね。君のお父さんは多分、元気だよ。」
「何故?分かるんですか?あの世で元気でやっていることが。」
「
あの世じゃないよ。この世だよ。王は生きているだろうね。」
「えっ、生きていたんですか。父さんは。本当なんですか?良かった。嬉しい。ありがとうございます。教えてくれて。一生の幸福です。」
「あぁ、君は王にそっくりだ。僕は彼に謝らなくてはいけないんだ。君は、王の代わりにこの、気持ちを伝えてくれるかい。僕は、多分、一生彼に合わせる顔なんてないだろうから。」
「蓮さん!」
僕はそう呼んだ。
-僕は何故、この戦士に選ばれたのか、僕は良く知っている、僕は先生の一番弟子だから。蓮さんは僕の先生をえらい気に入っているらしい、そして、いつかは倒されたいと思っているらしい。僕なら、先生の代わりになれるかもしれないと選ばれたんだ。
「あぁ、君は、彼の弟子かい。僕はまだ倒されるわけにはいかないんだ。分かるかい。僕を殺すのは君たちには無理だよ。分かるね。僕は、正直、ここで、倒れたくはないんだ。君たちが代わりに倒れるしかなさそうだ。
僕が眠るときは彼が僕を打ち負かしたときだよ。」
「じゃあ、先生は、まだ、生きているんですか?」
「そうだよ、生きているよ。だから、君たちに殺されたくはないんだよ。
ねぇ、君たちは、どんな夢を持っているんだい、僕に少しばかり、分けてほしい。そして、僕の闇も、少しばかり、受け取ってほしい。」
僕たちは、彼と握手するほか選択肢は無かった。彼の負の力が僕を侵食していく。
僕たちはボロボロになった。精神に。この心の闇がこんなに辛いものだと知らなかったんだ。死に近いこの感覚はなんだろう。彼の痛み、悲しみ、これが、彼の心なのか、彼は苦しんだ、皆もまた苦しんだ。僕もまた苦しむのであろう。彼は僕を少しばかり、許してくれたのか、僕は声が聞けないくらいの、苦しみはまだ味わっていない。蒼は倒れた。僕はまだ、倒れていないけども、もう限界だ。
、、、、、、蓮さん、僕は貴方の心が少しばかり分かった気がします。何故、そんなにも悲しいのです?苦しいのです?僕は、貴方の心を分かってしまって、苦しいですよ。蓮さん。
僕を許してください。父さんを許してください。そして、父さんの友人を許してください。僕は、貴方を永遠に信じます。貴方の苦しみは僕の苦しみでもあります。
僕は貴方を、許します。
そして、僕をそろそろ、眠りにつかせてください。貴方は、もう自由だ、、、、、、、、、
「ここまで、よく頑張ってくれたね。本当にありがとう。僕はここまでずっと蓮さんに勝つため、いや、勝つというよりも、貴方をまた何十年も眠らせるためにさ、ずっと考えてきたんだけど、今回は王さんに手伝ってもらって、そういう装置を作ったんだよ。あぁ、死んだとか、凄いデタラメを流してごめんね。蓮さん、また逢えて嬉しいよ。貴方と話したいとずっと思っていた。貴方はもう、こうやって悪いことをするのを止めて、素直になったら、どうなんだ。僕は、貴方の行いによってはこの装置を使うかもしれないし、使わないかもしれない。貴方が今ここにいる理由と、そして、何故、柊を殺したのか?そう、全て言えばいいんだ。」
「言ったって、上手くいかないよ。僕はどうも何もかも話す気にはなれない、ねぇ、話したくないんだよ。あぁ、大体君は分かっているんじゃないか?僕は君に似ているし、そして君の考えは僕の考えと似ている。」
「分かるけどさぁ、それが合っているとは限らないんじゃないか?僕と蓮さんが必ずしもすべて一致する訳ではないし、そして、蓮さんの気持ちをすべて分かるわけではないんだよ。僕は蓮さんを信じたいけれど、蓮さんは信じようとしないじゃないか?
いつも疑っている。僕も蓮さんと戦いたいわけではないけれど、蓮さんが悪いことがあるのなら、戦わなくてはならないんだよ。ねぇ、どうか、蓮さん。蓮さんが何もかも話してくれれば、十分なのに。みんな上手くいくのに。」
「あぁ、本当に、悪いね、僕はどうしてもどうやっても何も話したくなくてね。あぁ、僕を強く殴ってほしい、僕をもう眠りの世界に閉じ込めてほしい、何も話したくない。
何も話したくないよ。自分が何を思っていたかを思い出すのも嫌だし、そのまま、何もかも忘れているままで死んじゃえばいいし、もう、何もかも、無くしちゃっても誰も気にしないよ。ははは、本当に何もないんだよ。
僕は前から出来損ないでね、ここの世界に落とされたんだ、昔は何も思い出せなかったけどね、王と出会ったぐらいから、徐々に思い出してね、ほら、見てくれよ、僕は翼があって、空も飛んでいられるのさ。人間とは違うだろ。前から、知っているだろうけどさ。僕は人間ではなかったけどさ、人間のように感情に動かされる生物だったんだよ、僕の世界はそう、洗練されていて、やはり人間と違うみたいだね。みんな心が無くて、でも。僕はそう、感情的だったから、ここに来たんだろうね。そう、人間らしくて苦労したんだ。あぁ、何故こんなに醜くなってしまうんだろうね。僕ももっと何も考えず、生きたかったよ。放っておいてくれよ。鬱陶しいんだ。君は執着しすぎだと思うんだよ。そして僕も人に執着しすぎた。あぁ、情けないね。そして、無になりたい。」
「蓮さん、そうです。人間は醜いんですよ。でも、それでもいいと思える時が来ると思いませんか?僕は貴方の辛さはすべて分かるわけではないと思います。貴方は人間ではないですから。
もっと気軽に生きてみてはどうですか?僕はそうだな、貴方を一生眠らせる装置を作ったわけではないんですよ。貴方が一から、幸せにやり直せるための記憶無くし装置、それが正しいのかな、そう、貴方は気負いすぎだ。あぁ、貴方が何十年か前にくれた、青い皿を使わせていただきましたよ。あれ本当に凄いですよね。僕は感動しましたよ。それにこんな効能があるなんて、こんな、神秘に満ち溢れているなんて、、、。
貴方がそうずっと同じ肉体を保ち続ける、何十年も何百年も生き続ける、貴方はまた何十年も何百年も、覚えていない生活をしてもらいますよ。今のあなたが人を殺すふりをして人を怯えさせたり、たまに人を殺したり、そうやって、過ごすよりも、きっと楽しいはずですよ。結構経った後、僕は死んでいますが、僕のことを思い出したら、遊びに来てくださいよ、待っていますから、あの世で。」
「あぁ、僕を一思いにやってくれよ。そう、君に殺されるなら、本望だよ。」
「殺しはしませんよ。少し眠ってもらって、貴方は起きたら、知らない所です。貴方は僕の隣に立ってください、僕の銃の先を蓮さんが当たりたい場所に持っていってください。」
蓮は額を銃の先に当てた。
僕は銃を撃った。彼はだらっと倒れた。彼は何処か遠い所で、また眼を覚ますだろう。僕は彼を何処へ送り届けるだろうか、蒼、君のいる町はとても、暖かくて過ごしやすいんじゃないかな。僕は、そこまで、責任をもって届けるよ。蓮さん。
僕は蓮さんの新たな人生の成功を願って、一日、一日を歩むんだろうなと思う。
まぁ、話したくないと言いながら、少しは話してくれた。
王さんの奥さんは、みんなの様子を見にやってきて、蓮さんの所にやってきて、蓮さんの翼をやさしく触っては辛そうにした。気持ちが少なからず分かるのだろうか。どうなのだろうか。
王さんはまだ実験室にいるが、蓮さんを送り届けるくらいは付いてきてくれるだろう。
彼らも相当な活躍だったと思う、でも、まぁ、上手くいってよかった。
僕はそう、上手くいかなくて、一緒に地獄ということも考えていたんだが、その最悪の事態を避けることができてよかった。
僕は戦ってくれた彼らに、食事でもおごって少々会話をしようと思った。
そしたら、許されることもあるかなということも考えていた。
そうだな、僕の言葉を鵜呑みにして、戦いに全員来るのもどうかしているし、僕が、ここまで蓮さんを気にしているのもどうかしていると思った。
そして僕の本の研究をしている人に頼み込んで、色々な人に語って回るということをしてもらって本当に良かった。彼は死んでいることにしていたが、彼もまた生きている。
彼らに、非常に良い賞や、昇給、賃金をあげたいものだが、そうやって簡単に階級を上げるのはよくない。自力で頑張ってもらいたい。
で、蓮さんを送り届けるために、僕はまた、この森を後にしたのさ。
「
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