ついに国会で「電柱検査」詐欺疑惑が問題化、野党側が自民・石橋氏に政務官辞任迫る
「岸田総理に迷惑をかけないためにも...」
SAKISIRU編集部
SAKISIRUが昨年4月にスクープした「電柱検査」詐欺疑惑が22日、ついに国会質問に発展した。電柱検査は、経産省が発注したと虚偽の触れ込みで「全国非破壊検査協会連合会」などと名乗る3団体が、全国各地の工事業者に権利金を要求しており、大手メディアでは初めて朝日新聞が今月4日に大々的に報じている。
朝日は4日の記事で同連合会の理事に亀井静香元金融相の名前が載っていたことを明らかにしたが、亀井氏は朝日の取材に対し理事就任の事実を否定している。亀井氏は国会議員を引退して久しい一方、現職議員と同連合会の「接点」では、SAKISIRUがこれまで数度報じているように、亀井氏とは別の同連合会の理事が、自民党の石橋林太郎衆院議員(国交政務官)の後援会顧問を務めていたことが判明している(報道後に離任)。
この日の衆院予算委で、立憲民主党の大西健介氏は「電柱検査」を語った3団体の暗躍を取り上げ、経産省側の見解をただした。齋藤経産相は「事案を引き起こしているとされる団体は日本探査協会、日本非破壊電柱検査協会、全国非破壊検査協会連合会と名乗る3団体と認識をしている。経済産業省はこれらの団体とは一切関わりがない」と答弁した。
さらに大西氏はSAKISIRUの記事を引き合いにしながら、石橋氏と後援会顧問の男性との関係を追及。これに石橋氏は「後援団体の元顧問をしていたことは事実」と認めた。
さらに大西氏が「顧問の男性は広島市内のエネルギー関連会社の元会長で県議であった石橋政務官のお父さん(編集部注・2019年に死去した元県議の石橋良三氏)の代からの支援者ということだから、政務官とも等しい間柄だ、と思うが、この後援会顧問から寄付をもらったことやパーティー金を買ってもらったことはあるか」と畳みかけた。
石橋氏は「父の代からその方とはお付き合いがあったことも事実であり、またその方が会社を経営をしていらして、会社の方でパーティー券に寄付を頂戴したこともある」と述べた一方、「今回のこの件に巻き込まれて、その方自身も困っているというお話があり、その結果を受けて、もし何かあったらいけないということもあり、パーティー券の代金、それから私の支部で頂戴をしていた寄付は全て返金をした」などと釈明した。
石橋氏の元顧問に対しては権利金を騙し取られたと訴える広島県内の管工事会社が、約3500万円の損害賠償を請求する訴訟を広島地裁に起こし、広島県警にも詐欺容疑で告訴して受理されている。大西氏はこれらの経緯にも触れた上で、「そういう人間が後援会の顧問だったということは、政務官として問題があるのではないか」「政務官、地元は広島で岸田派ですよね?岸田総理に迷惑をかけないためにも、自ら政務官を辞任してはどうか」と迫る場面もあった。石橋氏は「私としては何らやましい点はない」と述べ、職務にとどまる意向を示した。
一方、電柱検査を巡る詐欺騒動の報道を把握していた自民議員の1人は取材に対し、「とうとう野党に追及されてしまった」と懸念。元顧問を訴える管工事会社の関係者は「石橋氏が本当のことを話しているのか疑問だ。真実を話すべきだ」と憤慨していた。