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BRM914博多600


スタート前〜ブリーフィング

連続ブルベ三週目、毎週200kmずつ距離が伸びて今週は600kmに出走と相成った。
コースプロフィールだけを見ると獲得標高はそれほど多くはないのだが、長崎はクソのような激坂が気軽に登場するので、きっとアップダウンが激しいコースなのだろう。

阿蘇を越えた後のギザギザっぷりがポイント

先週のBRM907でダウンヒル中にリアが少し滑るような感触があったので確認したところ流石に限界を迎えていたのでMAXXISのRe-Fuse 650x47に、ついでにディスクローターも巷でちょっとだけ噂のIIIPROに交換しておいた。

リアがつるつる

今回は普段のブルベより遅めの午前9時スタートであるため、博多までは片道概ね2時間と見積もっても6時過ぎに家を出れば良いため普段と変わらない睡眠時間が確保出来るのは個人的には有り難いし、電車輪行組としても参加しやすいらしい。

福岡ICの手前で故障車渋滞に巻き込まれた物の遅れは10分程度で済み、8時15分頃に事前に調べていた駐車場に到着。
ちょうど駐車場から出て行くランドヌールを見かけてお仲間だなーと思っていたら、駐車場内でも準備をしているランドヌールが居り今日も荷物凄いですねとか今日が初の600kmなんですよとか話をしつつ準備を終えスタート地点まで向かう。

スタート地点は既に多くのランドヌールで賑わっていた。
受付時にスタッフが初見の方だと過積載振りに反応されるのだが、久しぶりに初見の方々だったので大いに盛り上がっていたのだが、まさか初見の人にまでライトは確認するまでもないですねと言われるとは思わなかった。なお、確認自体はちゃんとしてもらった。
いつもの通り偽んてふさんを積んでいたのだが、みんなブリばかり積んでるから負けてられないですよね的な事も言われたので、ランドヌールはブリを積むというのは大分浸透しているらしい。

スタートしたのは33名だったそうな

ブリーフィングを終え、スタート開始まで待っている間にたまたま通りがかった散歩中の歩行者が大量の自転車と反射ベストを着た謎の集団に興味津々といった感じで話していたのだが、自分の自転車の前で立ち止まり鈴が付いてのは熊よけかなとかぬいぐるみ可愛いとか話しているのが聞こえてきて、鈴はともかく偽んてふさんの可愛さはどこでも通じるななどと思う。

一般人目線でも逸般人目線でも目立つらしい

スタート〜PC1

スタート直後の街中は(゚(エ)゚ )の人の後ろについたので必死こいて追いかけながら走り、信号待ちで追いつくので既にクソ暑いですねなどと気温に愚痴を言いながら走る。
街中は信号があるので時々追いつくのだが、そもそも巡航速度が違うのでじりじりと離されていき信号のタイミングでこちらだけ引っかかり、後続にも続々と追い抜かれていつも通りの一人旅となった頃合いで一発目の峠が現れる。
登り始めからなんか見覚えのある峠だなーと思っていたのだが、しばらく登っているうちに2年前のBRM1022嘉麻600で終盤に登った峠だった事に気付く。
当時は終盤で今回は序盤という違いはあれど、バイクの重量は恐らく5〜6kgは重いのだがタイムは五分半くらい早く登り切れたので、当時は余程へろへろだったのだろう。

前半の緩斜面を含むと3.7%になる数字のマジック
前半を除くとこれ

その後二本ほど峠を越えてみやこ町に辿り着いてからしばらく平坦基調となったのだが、暑さと強烈な向かい風とここまでの峠の影響で速度が全く上がらず、60km地点で貯金が15分ほどしかない上に45〜60km区間は既に借金をこさえているという序盤にこれほどタイムが稼げない事は未だかつて無かったであろう程であったためまだ1割ほどしか来ていないのにこの体たらくでは先行きが不安になってくる。

強烈な向かい風に辟易としつつ、灼熱の太陽にも焼かれげんなりしながらPC1に辿り着いた時点で6時間弱経過しており、PC1が91.4km地点という事を考えると概ね貯金はないに等しく、既にヘトヘトではあるがちゃんとした休憩をしよう物ならPC1を出た時点でプラスマイナスゼロどころか借金まで生じる可能性があったので納豆巻きを手早く胃袋に放り込んだ。

暑さにやられてるのか食欲もあまりない

PC1〜PhC1〜通過チェック1〜PC2

他の区間は結構空いてるのにこの区間は何故かポイントが詰まってるのでひとまとめで。

PC1を出た時点で貯金はあるうちに入らない程度なので、フォトチェックの赤松峠でへたしたら全て払い出してしまうのではないかという不安を抱きつつ、風は一向に収まらないが空がどんよりと曇ってきたおかげで暑さが和らぎ少しだけ走りやすくなってくれた。

フォトチェックの手前の立石峠は比較的易しめな峠であったためさほど時間を取られずに乗り越えられた上に、越えた先の赤松峠入り口までの15km程の区間が緩めの下り基調が続いたのでここで多少時間を稼ぐことが出来た。

手前も含めると6km程度の登りで15km下れるなら収支はプラス

赤松峠は通過チェックに指定されているしさぞかしパンチのある峠なのだろうと身構えていた物の、実際はゆるいとは言わぬまでも別に厳しい峠ではなかったため少し拍子抜け。
事前に何も調べていなかったので登坂中に観覧車を見かけて何かあるのかなと気になっていたのだが、サンリオのテーマパークであるハーモニーランドがこんなところにあったのだった。

斜度と距離だけ見ればエベレスティング向き、ただし道路状況は向いてない
冷静になれば標高132mの峠にさほどパンチは無かろうて

赤松峠を下ると別府湾沿いの平坦区間に出るのだが、大分市外を抜けるまでは比較的開けた区間なので信号峠もありあまりグロス速度は上がらない。
ただし、ここまでの区間ずっと苦しめられた向かい風からは解放されたのだが、赤松峠の辺りからポツリポツリと雨粒が落ちてきておりそろそろ降り出しそうだなと思っていたところ、大分市街地辺りでとんでもない土砂降りに降られて流石にこれは聞いてないと愚痴りながら、脇を通過する自動車の巻き上げや路面の水たまりに苦しめらつつ走り続けて通過チェックに着いた頃には小雨が降ったり止んだり程度になっていた。

おにぎり3つ補給。どう考えても足りてないのだが、何も考えていないから足りていないのである

通過チェック1からPC2までの区間は34kmと極めて短い区間であり、阿蘇に向けてジワジワと登りが始まる区間ではあるものの特筆するべきところもなく到着。
到着時点でクローズ目安と比較して1時間ほどの貯金だったので、ここから阿蘇越えをした上で天草-島原間のフェリー移動を考慮すると明らかに足りてない気がして、熊本から博多に戻るのは自走と新幹線のどちらが良いかなと考えつつ、自走の場合のルートや新幹線の場合の時刻や経路を調べる時間も惜しいので取りあえずは先を急ぐことにした。

持ち込み補給食をほぼ食べ尽くしたので追加

PC2〜通過チェック2

PC2を出てからは多少の下りも含む物の概ね40km以上登り続けて阿蘇を目指す。
キツい斜度は出てこないためひたすら淡々とペダルを回し続けていたのだが、途中ヘッドライトを着けて歩いている数名の集団を見かけて何事かと訝しんだのだが、向こうからすると夜中に自転車がひょっとすると自分以外にも遭遇していたとしたら続々と登ってくる様子を不思議に思っていたのかもしれないなぁと思う。

途中にある道の駅すごうにはローソンがあるのだが、ブリーフィング時にここの店長はかなりヤバいらしく、夜中に入店すると虫が入ってくるから開けるなと怒鳴られたとか、駐車場に止めて休憩していたら車の窓やボディを叩かれたとか散々な口コミが書かれているので寄らないようにした方が良いと注意喚起があった。
当然自分も寄るつもりは全く無かったのが、興味はあるので通り過ぎる際にぼんやりと眺めていると、明らかに他のランドヌールと思しき自転車が入り口脇に立てかけられていたため、あの注意喚起を聞いた上でも立ち寄る勇者が存在したのかという驚きと、実際に何か言われたりしたのか聞きたかったがそのためだけに出て来るのを待つ事も出来ないので心の中で敬礼して通り過ぎた。

景色が良ければ阿蘇の風景が見られるのかどうかも暗闇の中なので分からないが、遠方の空がピカピカ光っているのでどこかで雷が落ちてそうなので自分の居る場所ではなくて良かったなぁと思いながら走り続けることおおよそ3時間半ほどで今回の最高標高地点に到達。
ここまで雨が降っていても気にせずレインウェアを使っていなかったのだが、この先は長い長い下り坂という事もあって防寒目的でレインウェアを着るために停車したところ後続のランドヌールに追い抜かれたのだが恐らくは先ほどのローソンに寄っていた勇者なのだろう。

ピーク直下の下りはそれなりに斜度があり路面はびしょ濡れでグレーチング加工もされているという最悪の状態だったのでかなり強めにブレーキングをかけながら下ったのだが、仮にコンディションが良くてもこんな所を平均時速50km/h越えで下ったデータがStravaのランキングに載っているので正気を疑う。

このうねり具合でどうやったらそんなに飛ばせるのやら

阿蘇の市街地を抜けてしばらくドカンと下り、一瞬だけ勾配が緩む区間で眠気がやってきたところで歩道が広くなったので待避してその場で横になり目を瞑る。
ランドヌールが通り過ぎて行く気配がしたり、小雨がパラついてきたりしたがそんなことより体力の回復を優先させたかったので無視して、事前にかけておいた15分のタイマーが鳴るまではひたすら寝転がっていた。

タイマーが鳴って目を覚まして起きあがると、ちょうど脇をランドヌールが通り過ぎて行く。
その背中を追うようにして再スタートを切り、熊本市街地まで下っていたのだが、ちょうどこの辺りが熊本市街地からTSMCの工場に通勤する際に混雑するとか聞いた道なのかなと考えていた。

熊本市街地に入った辺りでおおよそ半分の300kmで経過時間は19時間半と貯金は30分しかなかったのだが、風向きが追い風基調なことと上天草に入るまでの50kmほどはド平坦であることを加味すればまだ望みは有るかも知れないと阿蘇を登り始める前に考えていた撤退案を振り切る。

徐々に夜が明けていく時間帯の田園や海岸を一心不乱に駆け抜け、上天草に入るまでの50kmは2時間半ほどで駆け抜けたため、この区間で50分ほど貯金を作ることに成功する。

天草五橋の絶景に感動しながらも堪能する暇はなくひたすら漕ぎ続けていたのだが、天草上島に入る頃には10時15分のフェリーにギリギリ間に合うのではないかと思える程に熊本以降の区間でタイムを稼げており、これは行けるかもしれないと希望を持ち始めたところで、その悪夢は訪れた。

名もなき登り坂の頂上付近で一気に駆け上がるためにペダルを踏み込んだ瞬間にガキィッという音が鳴り響きペダルが踏み込めなくなってしまった。
慌てて飛び降りて状況を確認したところ、空転させようとしても後輪が回転しない。
これはフリーハブが逝かれてしまったのかと困惑し、こんなところでリタイアするとなってどうやって離脱すれば良いのか、自転車保険のロードサービスで極力熊本方面まで運んで貰って、適当な駅から身一つで博多まで引き返し、後々自転車を回収するしかないのかなどとグルグル考えながら、積んでる物を軒並み外して車体を逆さまにして後輪を取り外そうとしていたところで、たまたま後ろから(゚(エ)゚ )の人たちがやってきた。
パンクですかと問われたので、後輪のハブが逝かれたみたいですと返答し、なんてこったと悲嘆する(゚(エ)゚ )の人を見送ってから後輪を取り外す。
取り外した後輪を、空転しないことは分かっていても諦めきれずに手持ちで空転させてみたところ、なんと普通に空転してくれるではないか。
後輪は大丈夫なら一体何が原因なんだと車体側を覗き込んでみたところ、ビー玉程度のサイズのティアドロップ状の金属の塊のような物がフェンダーの上に転がっているのを発見した。
つまるところこの塊を踏んだ際にタイヤにめり込んだのか巻き上げて、その際にフェンダーとの隙間で弾かれずに滑り込んだ上でめり込んでいた状態から押し出されてフェンダーとタイヤの隙間が埋められてしまったのだと考えられる。
ホッと胸をなで下ろし異物を放り投げてから写真を撮っておくべきだったと後悔するが改めて探す時間は惜しいので元の状態に戻そうとし、慌てていたためリアキャリアを共締めするのを忘れてパニアバッグをぶら下げようとしたらリアキャリアが宙ぶらりんになっているのに気付いて共締めしなおす余計な時間を消費した物の、全体としては20分未満のタイムロスだったらしい。

対応中に失ったと思った時間よりは大分少なかったものの、ロスはロスなので間に合うかと思っていた10時15分のフェリーは間に合いそうも無くなってしまったが、11時のフェリーに乗ればまだギリギリ完走の望みは繋げるかもしれないので先へと進む。
10時15分のフェリーに乗れば残り200kmブルベ1本分を14時間15分で走れば良いので通常のブルベより制限時間が緩めな計算になり、11時のフェリーだと13時間30分なのでピッタリ通常のブルベの制限時間という計算になる。
島原に渡ってからは厳密には200kmを切っているのだが、いずれにせよ400kmを走ってきて消耗している状態で、通常のブルベより45分余裕があるのか同程度なのかはかなりの差が有ると見込んでいたので、乗れるかもしれないと希望を抱き始めていたことも相まってこの反動は精神的には結構大きな物だった。
結局フェリー乗り場に到着したのは10時30分よりは前だったので、トラブルがなければ間に合っていた計算になるのでこれで最終的にゴールに間に合わずDNFになってしまったらと考えながら、ボーッとしてても仕方ないし待機所で眠りこけてフェリーを逃すわけにも行かないので着替えたり機器の充電をしたりボトルの補充をしたり時間を潰していると続々とランドヌールがやってきて、結局自分を含めて5人のランドヌールが11時の便で島原へと渡るのだった。

通過チェック2〜PhC2

混雑もあり予定時刻より少し遅れて島原に到着したため、島原到着後下船と同時にそのまま走り始める。
島原半島はどちら向きでも走った事があるのだが、距離は短いがパンチのある坂が頻発するため過積載にはかなり厳しい事を承知していたので、暑さも相まってかなり困難な道程になるだろうと予想していたのだが、予想を遥かに超える暑さに最初からクライマックス状態となってしまった。
それでも貴重な平坦区間で時間を稼ぎ、激坂で稼いだ時間を消費し、ボトルの水が尽きたら木陰で給水を行い、コンビニが現れたら氷を買い込み、細かく休憩は挟みながらも最低限で済ませるようにして、最後の愛野展望所に至る激坂は路肩は狭いわ交通量多いわ長崎という土地柄もあって自転車への配慮は微塵も感じられないわでこんなところ自転車で通るべきじゃねぇと愚痴りながらなんとか乗り越えて島原半島を抜けた辺りで残り距離は160kmで時間は11時間弱と、目標ペースはギリギリ維持出来ているような状態だった。

諫早市を抜けて大村湾沿いに佐世保を目指して北上している最中は向かい風のようなそうでもないような微妙な風向きでペースは上がらないが、ちらほらと他のランドヌールも見かけるので特に問題は無いだろうと思っていた。
しかし、大村市を抜けて東彼杵町に入った辺りで明らかに力が出なくなってきたような体調の変化を感じたため、ここまでの暑さのせいで熱中症気味なのかと疑い、佐世保市に入る前にはヒルクライムが連続するためその前のコンビニで経口補水液を購入して飲みながら休憩を挟んだ。
経口補水液を飲むのは初めてだったが、美味しいと感じたので恐らくは熱中症気味で正解だろうと見込んで走り始めたところ、先ほどまでよりはしっかり踏めるようになっていた。

踏めるようになっていたとは言え、疲労感もあり万全ではないのでゆっくりじっくり連続する坂を越え、最後のチェックポイントであるフォトチェック2のハウステンボスへ到着したのだが、この時点で残り時間は7時間弱とまだまだ決して油断は出来ない状態であり、実際それどころではなかったのだった。

20年以上前に一度だけ中に入ったが、あの頃はもう潰れるだろうと思っていたなぁ

PhC2〜ゴール

この先はGarmin曰くヒルクライムは1本だけでそんなに長くもないよとのことだったが、2年前のBRM1022嘉麻600で通った際にはそれなりに長い峠がGarminが伝えてくる場所以外に存在した記憶があるので、ここまでの道中もなんでGarminはこれをヒルクライムと認識してないんだよと愚痴っていたのだがそれだろうと怪しんでいたが、その通りだった。

長崎県佐世保市から佐賀県有田町へ抜けるヒルクライム中に、再び力が入らず踏めなくなる感覚に襲われ、握力も失われている事に気付いたため暑さにやられてろくに食事を摂っていない事もありこれはハンガーノックだとようやく思い至る。
ここまで食事の話に触れていないことからも分かるとおり、道中PCやPC外のコンビニで軽く摘まんではいるし、走行中に補給食は口にしているのだが、食事と呼べるような事はほぼしていなかったのだ。
ハンガーノックに気付いた直後のコンビニに立ち寄り、シュークリームをレッドブルで流し込み、ステムポーチの掛水用のボトルをバックポケットに追いやって代わりにコカ・コーラをねじ込み走りながら飲み続けるというその場凌ぎをしたおかげでジワジワと力が入るようになり、有田町と伊万里市を抜けてドライブイン鳥の坂を越えた頃には一応回復している様だった。

ドライブイン鳥の坂を越えた先のコンビニで他のランドヌールの集団を見かけたので、自分もコーラとinゼリーなどを補給する。
このときにハンガーノックに襲われたけどなんとか回復したと話そうかなと思ったのだが、そういう事は厭なフラグを立てる結果に繋がりそうなので特に語らないでおく。

先に到着していたランドヌールの集団が出発するのとほぼ同時にこちらも出発したが、当然ついていけるわけも無くそのつもりもないのでみるみる遠ざかっていくのだが、長い下り基調が続くので焦ることも無く消耗しないように気をつけてのんびりと進んでいたのだが、残り時間は4時間で60kmと貯金は全く無い状態なので落ち着いている場合では無いので登り返しで頑張ってみたりしたところ、力を入れすぎるとすぐにまたハンガーノック気味になる感覚があるのでどうやら淡々と進むしかないらしい。

唐津市に入る辺りで分岐を見落としてGarminに怒られるなどしつつ、虹ノ松原を抜けて糸島市へ向かう海岸線の道に入る前にコンビニに寄ってまたまたinゼリーとコーラを買う。
即効性のあるエネルギーなので摂取すればその分回復するのだが、消費も激しいので常に摂取し続けなければ止まってしまう。
糸島の海岸線はアップダウンはあまりなく、逆に言うと脚を止める場面も無いため常に消耗しては回復しての文字通り自転車操業であった。

なんとか糸島市街地に入った辺りで残り2時間で25km程度と、大分ゴールが見えてきたもののこの先は市街地を抜けて更には博多の繁華街まで通るルートなので信号峠の険しさが全く分からないため油断は出来ない状況は続き、これが最後の補給とコンビニで最後のinゼリーを購入した。

残り10kmを切り、時間は日付が変わる直前23時55分頃、Di2のバッテリーが尽きて変速しなくなってしまったので、流石に最低限の充電しても間に合うだろうと見込んで停車して充電しながらボトルの水を補給する。
このタイミングがスタート以来初めてゴールに間に合いそうだという心のゆとりが生まれた瞬間だった気がするので、ここまで39時間ずっと間に合わないのではないかと不安を抱えながら走っていたのだと思うと実に厳しい戦いだったのだなぁなどと振り返りつつ、10分弱でDi2のバッテリーは20%まで回復したのでゴールに向けて走り出す。

博多の繁華街は想定通りというか想定以上というか、とにかく信号峠のせいで進まないのだが、流石に最早心のゆとりがあるのでのんびりと進む。
inゼリーとコーラと水分の過剰摂取でトイレに行きたくなっていたので、ゴールのコンビニで買い物してレシート貰う前に余裕かましてトイレに行くかなぁなどと考えながら走っていたのだが、分岐が分かり難いのでGarminの地図を拡大表示したところルート表示が消えてしまったので分岐が分からなくなり、キューシートの交差点名と距離を確認しながら分岐を曲がる必要性も生じるなど最後まで順調には進まなかったのだが、なんとか制限時間まで20分弱を残してゴールのコンビニに辿り着いた。

ゴール後

ゴールのコンビニでは予定通りトイレに行こうとしたところ先客がいたので待っていたのだが出て来る気配が無く、仕方なく先に買い物を済ませてもまだ出てこず、仕方ないのでいったん外に出て荷物を整理していたらようやく出てきたのでトイレを済ませてゴール受付へ向かう。

間に合えば良かろうなのだ


受付場所の通称ぶるべ不動産で自転車を止める場所が見当たらず、中から賑やかな声が聞こえてくるなぁと思いながらうろうろしていると、ゴールまで様子をうかがいに来ようとしていたらしいスタッフの方が出てきて駐輪場所を指示して貰った。
ついでに気になっていたのか自転車の重さを持ち上げて確認されていたのだが、重すぎて驚かれていたのがとても印象的だった。

ゴール受付の二階へ上がると、先にゴールしたりDNFして賑やかしにきたりな方だがに迎えられて祝福を受けつつ、ゴール受付を済ませて無事メダルを購入し、受付完了後は過積載について少し話をして解散。
(゚(エ)゚ )の人はこの後例の如く出社RTAをするとか言っていたので流石だなぁと感心しつつ、駐車場の場所が分からず彷徨ったり、駐車場について後片付けや積み込みを完了してさぁ帰ろうと思ったタイミングで開けるときに使ったはずの鍵を見失って10分ほど探す羽目になったりと相変わらず順調さを欠いていたが、道中のSAで仮眠を取りつつ五時頃に帰宅してBRM914博多600は無事幕を下ろしたのであった。

走行ログ

経過時間がオーバーしてるのはゴール受付までタイマーストップしてないから
長崎は自転車で走る土地じゃない

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