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BRM831下関200


スタート前

当初の予報では近畿地方辺りに上陸してから東へ向かうと言われていた台風10号が、週明け頃に再確認するとなぜか九州に上陸するという予報に変わっており、更に週半ばには通過するだろうという見込みからどんどん予定が遅れて金曜日頃に山口県に最接近すると言い始めて開催を危ぶんだ物の、結果的に当日はスタート前までは雨が残る物の開催時間帯は晴れ予報だが台風の影響で強い北風が吹くという予報に落ち着いた。
いずれにせよ強風は間違い無いと思われたため、事前に主催がTwitter上で角島大橋の通行不可時に利用する迂回ルートのアナウンスを出してくれていた。

当日2時過ぎに予定より早めに目が覚めたが、その時点で天気予報と雨雲レーダーを確認したところ朝5時台のブリーフィング中くらいに雨雲が通過するものの、その後は回復していきそうな見込みであったため安心してだらだらと準備をして4時前に出発。
下関駅近郊までは高速道を使っても10〜15分程度早くなるか否か程度なので一般道を使って向かったのだが、小月バイパスの辺りから雨粒がフロントガラスを叩き始め、長府に入った頃には雨脚がかなり強まったため本当に大丈夫なのかと少し不安が過る。
道中のコンビニでコーヒーを買い下関駅前のコインパーキングに駐車して啜っている最中も短いスパンで降ったり止んだりを繰り返し、時々雨脚も強くなるのでギリギリまで待機していようかなと思いつつ、あまりギリギリになるのも好みではないので雨が上がったタイミングでのろのろと準備をして、スタート地点まで向かう。

前回はスタート地点に到着時はまだ主催も居なかったのだが、今回はコインパーキングでだらだらしてたおかげか既に参加者も数名居り、手早く受付を済ます。
装備の確認はする必要無いですよねとか主催に言われつつサラッと済ませたせいで、当初ブルベカードを受け取り忘れており下手をしたらブルベカード未所持DNSを決めるところであった。

受付完了後は主催や他の参加者と適当に歓談。
来期の下関開催の話を聞いたり、台風の影響なのかDNS連絡がそこそこあったが連絡無しでまだ10人以上来ていないという主催の愚痴を聞いたりしていたが、ブリーフィングを始めようとした頃に現れた参加者を除いてもDNS連絡をしてこない参加者は片手に余るくらいは居る様子だったのでなんだかなぁなどと思う。

雨が断続的に降っていたので偽んてふさんは鞄の中

スタート〜PhC1

スタート直後は小雨がパラつくものの想定していた様な強い風は吹いて居らず穏やかだったので、他の参加者との会話中に思ったより風が強くなくてよかったですねと言おうかと思いつつ言ってしまったら何かのフラグが立ってしまいそうなので口を噤む。
菊川に向かう緩い登り坂でいつも通り他の参加者に置かれていくのだが、それはそれとして個人的には心拍数が上がって出力も出せているのにそれほど辛さを感じなかったので調子は良さそうだなと思ったものの、Garminのパファーマンスコンディション表示は-2なのでそれほど良いわけでも無いと言われてしまった。

TT区間でBRM615より4分半早かったので調子は良いはず。

菊川を抜けてから美祢に至るまでの道もBRM615と全く同じルートで緩い登り基調なのだが、湯谷温泉の坂でここまで後ろについてきていた参加者に抜かれて完全に一人旅となるが、美祢市役所前のローソンで他の参加者が休憩しているのを見かけたので、ペースは遅いが淡々と走り続ける結果何度も他の参加者に何度も抜かれるいつも通りのパターンに入る。

美祢から北上する辺りでようやくBRM615のルートから分かれて秋吉台へ向かう。秋吉台と言っても通常の表側では無く、展望台側の脇のルートであり初見のルートだったので斜度が如何ほどのものか分からなかったのだがそれほどキツいわけでもなく、台風の影響で路面に葉っぱや枝が落ちているものの路面自体は荒れてもいなかったので普通のヒルクライムといった具合で淡々と登って行く。

なだらかな部分を加味しても、全体的には穏やかなヒルクライム

フォトチェックの展望台に向かう分岐の辺りに牧場があったのだが、雨上がりということもあり恐らくは普段よりも強烈さを増しているような酸味を感じるような強烈な臭いが漂っており、ヒルクライム中に荒い呼吸で激臭を吸い込み続けるのは筆舌に尽くしがたい苦痛であり、あまりの辛さに目尻に涙が浮かぶ程だった。

激臭に耐え抜いて展望台に辿り着くと、曇天で絶景とまでは言えないもののそれでも秋吉台の雄大さは十分に伝わってくる光景だった。

この辺りで雨は止み、以後降られることはなかった

PhC1〜PC1

フォトチェックの展望台で写真撮影を終えてから下り始めると、次々と他の参加者が登ってくるのとすれ違う。
登りの途中で他の参加者が思ったより下ってこないのでみんな速いんだろうなぁなどと思っていたのだが、秋吉台の手前で休憩を挟む参加者が多く途中で追い抜いたことに気付かなかっただけだったらしい。

展望台から下りきって元来た道から分岐して北上するとまたしばらく登りになり、そこを越えると三隅まで長いダウンヒルでここまで登って来た分を一気に吐き出していく。
この辺りの道は長らく片側交互通行の工事をしているためあまり通らないのだが、舗装し直された路面にグルービングが施されているので今後もますます利用頻度は下がりそうである。

国道191号に出てしばらく進むと右手にあるPC1のローソンは山陰の店舗なのに残念ながらローソン・ポプラでは無いためポプ弁は無く、大きめの店内調理のおにぎりと普通のおにぎりを2つ買って早めのお昼ご飯としたのだが、完走後の今にして思えばもう少し食べておくべきだったような気はする。

PC1〜PhC2

三隅から長門市街地を抜けてフォトチェックの元乃隅稲荷のある油谷へ向かっていたのだが、長門市街地を抜けたあたりでサイコンがリアビューレーダーとの接続が切れましたとアラートを発したので停車して確認したところ、キャリアトップバッグに着けていたリアビューレーダーが無くなっていたため来た道を引き返す。
幸い100m程戻ったところで接続が回復し、道路上に落ちているところを発見したので回収出来たのだが、後続車に轢かれてバキバキになっていなかったのは不幸中の幸いと言える。
マウント方法を変更中で、応急処置で横向きに装着していたのが拙かったらしく重さに負けて半回転してロックが解除されてしまったであろうと推測されたので、より振動の少ないリアキャリアにマウントし直して再出発する。

元乃隅稲荷は急峻な地形に連なる朱い鳥居の絶景で有名な観光地であって、現在は元乃隅神社が正式名称だがそもそも正式には宗教法人で無く神社でも無いただの個人の所有物なのだがその辺りの事情は置いておいて、立地上どこから向かってもかなりの坂道を走る必要が有るのだが、南側からのアプローチは平均斜度は7%強だがキツい部分は10%を越えた斜度が続くパンチ力のある登りであり、本ブルベ最大の山場と言っても過言ではない。
この頃には天気が快晴となっており風もさほど感じられない強さであったため体感温度は急激に上昇しており、そんな最中に激坂ヒルクライムはかなり堪えるものだった。

ヒィコラ言いながら登っていると前方に押し歩きしている参加者が見えたのだが、斜度が緩くなった場所では再び乗車し、キツくなったらまた降りてを繰り返している姿を見ていると徐々に差が詰まっていく。
前の走者に追いつきそうなときは平坦や緩斜面であればツキイチや追い越しはしたくないので脚を緩めて間を空けるのだが、激坂ではそんなことも言ってられないので追い越したのだが、後ろから「すげぇ…」という呟きが聞こえてきて、そんなこと言われたらここでへばって脚付きしたり押し歩きも出来なくなるなぁと思いながら最後まで必死にペダルを踏み抜き、どうにかこうにか脚付き無しで登りきったのだった。

12%〜15%の区間が多いので平均より余程壁感がある

激坂を登り切ってからのダウンヒルは途中の分岐を見落として通過してしまい、サイコンのアラートで気付いて無駄に登り返す羽目になったものの、無事フォトチェックの元乃隅稲荷に到着。
先着していた他の参加者会話をしつつボトルに給水していると補充用のボトルの中身が尽きてしまったのだが、幸いこの先にある役場併設のYショップが営業しているはずだとブリーフィング時に聞いていたので、そこで補給出来るだろうとこの時点では特に気にすることはなかった。

絶景だけど別に御利益はないだろうなぁ

PhC2〜PhC3

元乃隅稲荷の激坂を越えるとその後はなだらかな登りになり、日差しの暑さとこの先のYショップで補給出来るという考えも相まってボトルのドリンクをがぶ飲みしていたのだが、登りを越えて辿り着いた集落内の役場併設のYショップにいざ入ろうとしたところ台風の影響で30,31日は休業しますとの張り紙が。
落胆しつつもこの先は下りだし自販機もあることは知っていたので特に問題は無く、強いて言うならアイスを食べてひと休みくらいしたかったのだが致し方なく坂を下る。
ついでに寄ろうかと思っていた半島の出口付近にあるパン屋も幟が出ていなかったので恐らく台風の影響でお休みだったのだろう。

国道191号に戻り一路角島を目指す。
国道191号は海岸線を通るため全線を通じて細かなアップダウンを繰り返すので地味に脚を削ってくるのだが、激坂を越えた直後だとさほど気にならなくなっているので不思議なものである。

定点撮影

角島大橋は懸念された風もそれほど強くは吹いておらず煽られるようなことは無く、絶景の中心地よく走り抜けることが出来た。
角島に入ってからはアップダウンばかりなのだが、もう終盤だしここを越えてゴールまではずっと追い風基調だし想定よりもかなり巻けているしで頑張る必要も無いのでだらだらと走る。
角島西岸部、風波のクロスロードを抜けてフォトチェックの角島灯台へ到着。観光客が多かったので手早く撮影だけしたのだが、ここまで夏感溢れる時期に角島方面へ来る事は今年はもう無いなと思うと少し寂しくなった。

登れるけれど登ったことは無い角島灯台

PhC3〜ゴール

角島大橋を再度渡って戻り、残りは国道191号をひたすら南下するだけで大きな峠は無いものの、相変わらず細かくアップダウンを繰り返す。
昼食らしい昼食を取っておらず、補給食もあまり積んでいなかったので既に無く、空腹感を覚えながら次のコンビニでおにぎりでも食べようと考えながら走っていたのだが、途中で飲用ボトルの水が尽き、停止して給水するのも面倒だしと掛水用のボトルをチビチビ飲んでいたのだがそれも尽き、しかしもう一丘越えたらコンビニがあるからそこまで耐えようなどと馬鹿な走り方をしていたらコンビニに辿り着いた頃にはへろへろになっていた。

疲れたときのsntf汁、今や貴重品になってしまった

おにぎりを食べ喉を潤したら大分元気になったので再び走り出し、追い風に乗ってゴールまでの道のりをひたすら南下。
元々が強い北風の予報だったので走破タイムは13時間くらいを想定していたのだが、結果的に11時間ほどで走り抜けることが出来た。
200kmで2100mほどと全体の1%より登っているコースプロフィールを考えると、むしろ普段より良いくらいなので序盤の雨は兎も角全体としてはかなりの好コンディションで走る事が出来たのでは無いかと思う。

ゴール受付のどうみても民家にしか見えない自転車店は相変わらず蚊が多いらしく、今回は蚊取り線香が焚かれていたから大丈夫かと油断していたがそれでも3ヶ所ほど噛まれていた。
受付時にスタッフの方に「200kmでもこんなに積むんですね。」と言われたので、「普段から積んでおかないといざというときに積んで走れないので。」と返答したら納得したようなされてないような微妙な反応をされてしまったのであった。

地元民はあまり感じ無いが、他所から来たら割と見どころの多いコースだったはず
気象データの風速の割に体感は穏やかだった

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