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BRM222下関300山口ジュラシックパーク


エントリー

寒いのが苦手なので冬に夜間走行を含むブルベは走らない事にしていたのだが、今年は2〜5月にかけて毎月下関発着のブルベをAJ福岡が開催してくれると言うこともあり、地元で遠征しなくて済むならばと意を決して参加する事にした。

実のところ昨年のBRM914福岡600以降、とある問題が続いているD-309をずっとショップに預けていたため全く乗る事が出来て居らず、結局戻ってきたのが1月末だったので溜まっていた鬱憤を晴らすためにエントリーしたという理由もある。

スタート前

前日は7時半頃に就寝、3時過ぎに起床で睡眠時間は十分。
自宅周辺の外気温は−3度ほどと冷え込んでいたものの下関まで移動すると気温は3度を超えていて、多少風はあるものの凍えるほどの寒さでは無かったが念のためウルトラライドダウンを着込んでスタート地点まで向かう。

スタート地点に到着して早速車検を行って貰い、ブリーフィングが始まるまではスタート前の車体を撮影したり装備の確認をしたり他の参加者の方に日本一周してそうな装備ですねと言われたりしながら時間を潰す。

革サドルは横から見た時の凹み具合が大変乙である
埋もれる偽んてふさん

ブリーフィングでは試走時路面が怪しかった所の説明などがあったものの、勝手知ったる地元の道なので特に目新しい情報も無く、試走時はもっと寒かったし直前に雪が降っていた事を考えると今日の方が条件は良さそうだ的なフラグに聞こえる発言があったくらいだった。

ブリーフィング終了後、地元下関在住の知り合いが見送りに来てくれており、差し入れのホットのコーヒーと下関銘菓を貰いつつ、出走者の中に居た別の知り合いと少し会話をした後トイレを済ませていざ出発の時刻となった。

スタート〜PC1

スタート直後から新下関駅方面へ抜ける間は下関の街中やバイパスを抜けるため信号待ちや細かなアップダウンがあるためなかなかペースが上がらない。
信号待ちで以前別のブルベでもご一緒したランドヌーズの方から過積載さんですよねと声をかけられたのでそうですと返答したのだが、後になって思うと過積載をしている人ではあるが過積載は固有名詞では無いので過積載さんでは無かったような気もする。

新下関駅を通り過ぎ、菊川方面への道に入ってから信号も少なくなりしばらくは緩やかな登りが続くものの基本的には快走路となるため、ここから徐々にペースが上がり始める。
ほぼ最後尾でスタートしたこともあり、この辺りで恒例の一人旅と化していたので、気分的には時間帯が違うだけでいつも通りのライドと化していた。

緩やかな登りが終わった後は逆に緩やかな下りとなり、下りきった先の菊川を通り過ぎると美祢方面へはちょっとした峠を越えた後は再び緩めの登り基調となるためだらだらと登る。
このルートは普段逆向きに下関方面へ向かうときに使うことが多いのだが、どちら向きで走っても走りやすい。

美祢市街地を抜けて美東方面のPC1へ向かっているあたりからチラチラと雪が降り始めたのだが、予報では1時間ほど軽くちらつく程度だったのでこの時点ではあまり気にしておらず、淡々と進んでいるうちにPC1に到着した。

書きながら思いだしたがこのスイーツバーまだ食べて無い

PC1〜PC2

PC1を滞在時間にして2分あるかないか程度でさっさと後にして走り出したのだが、どうも雪の勢いが徐々に増してきておりかつ空模様を見てもとてもすぐに回復するようには見えなくなって来ておりかなり厭な予感がしていたのだが、二本木峠を越えて小郡に下れば少しはマシになるだろうと淡い期待を抱きながら峠を下ったのだが、当然天候は悪いまま雪の勢いは衰えないどころかますます強くなっていた。
拭っても拭ってもオーバーグラスに雪が張り付く状態で視界も悪くなるわ、車体や体に張り付く雪も薄らと凍り付いたまま剥がれなくなるわで、この辺りが自宅に近いこともありDNFしようかなと迷い始めたのだが、昼食は山口市内のかつやで食べる予定にしていたのでとりあえずそこまでは走り、昼食を終えてから考えることにした。

かつや到着時点では前面に雪が張り付く有様

かつやでは期間限定の黒味噌チキンカツ定食を豚汁を大サイズに変更して注文。
調理されているのを待っている間、Twitterで他の参加者のツイートを検索したり、外の様子を眺めて吹き荒れる雪の勢いを眺めているうちに気分はどんどん落ち込んでいく。
しかしながら温かい食事の効力とは凄い物で、冷え切った体がほぐれていくようで気力を回復してくれた。

かつやのチキンカツは実に美味い

天気予報を複数確認すると、この後お昼前には雪が上がると言う予報もあれば、夕方頃まで断続的に降り続けるという予報もあるためどれを信じるべきか悩ましいところだが、最短の予報でも山口市内を抜けるまでの区間で降り止むことは無さそうだったので諦めて店を出たのだが、そこに待ち受けていたのは氷漬けの愛車であった。

泡洗車と見紛う程の張り付きっぷり
完全に雪で埋もれた偽んてふさん

凍り付いた雪は車体に衝撃を与えると塊となってボロボロと落ちるため、何度か持ち上げては地面の叩きつけるようにして振動を与えて雪を払ってから再スタート。
走行中も雪は容赦なく降り続け、体にや車体に張り付いては固まってこびり付くので信号待ちの度に全身を叩きながら先へと進む。
あまりにも雪が弱まらないので、これで防府まで抜けてもこの天候だったら引き返してDNFしようと決意した。

小鯖を通り過ぎ佐波山トンネルを抜けて防府に入ると、それまでとはうって変わって晴れ間が見えており、路面は湿っている物の雪が積もっていたり凍結しているような様子も無く穏やかだったため、山口市内とは全く別の様相を呈しており、PC2に到着する頃には車体や体にこびり付いた雪も完全に消失していた。

写真で見ても既に地面が乾き始めている程である

PC2〜PC3

PC3までは距離が短くほぼ佐波川沿いの信号の無い快走路を徳地に向けて北上するだけなので特に書くこともないのだが、若干向かい風を感じる事と、徳地方面が少しどんよりとした空をしており近づくにつれて再びちらちらと雪が舞い始めていたことが気になっていた。
とは言えちらつく程度の雪が強まることも無く、向かい風も次第に横風から若干の追い風へと変化してくれたおかげで特筆することも無くPC3に到着した。

今回は地元で勝手が分かりすぎているのでPCでの買い物が少なめ

PC3〜PhC1

PC3からはR376経由でR489を通り周南市方面へ南下する。
PC2から延々と緩やかに登り基調が続いており、最後に軽いヒルクライムをこなすルートではあるが、全般的に緩いので登り自体よりもその後の下りの路面状況が気になって仕方なかった。

エベレスティングに良さそうなプロフィールだが、補給ポイントが無い

幸い周南方面は天気が良かったのか路面が濡れていることもなく快適なダウンヒルだった。
新南陽〜徳山と市街地を抜けて下松に入る。
下松に入ってからはPhC1から引き返してきたランドヌールとちらほらすれ違うので、半分と少し経過したところで時間にして1時間以上は先行されているのでゴール時には彼らには2時間くらい離されているのだろう。

笠戸島は先日下見をしていた事も有ってかそれほど苦しく感じる事も無く走ることが出来たのだが、下見をせずに臨んでいたらかなり苦しんでいただろうと思える程度に斜度がきつめのアップダウンがあるので普段のライドでは足が向かないだろうと思う。

PhC1に到着して、ブリーフィング時に面白い写真を期待してます的な事を主催が言っていた事を思い出したので、フロントバッグの中に潜んでいた絶叫するビーバー(マーモット)を取り出して適当な構図で撮影した。

ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ッ゛ー゛

PhC1〜PC4

この区間は概ね市街地走行となるためあまり楽しい部分は無く、椿峠を抜けて日が落ちた頃からは気温がどんどん下がっていくため暖かい物が食べたいなぁと思っていたのだが、対向車線側にばかり飲食店があるので横断するのも面倒でそのままだらだらと走り続けてしまった。
PC4でも何故か暖かい物を食べるでも無く、サンドウィッチを食べただけで済ませてしまったのは多分寒さと地元過ぎる道でテンションが下がりきっていたせいなんじゃないかと思う。

ファミマはブルベでもなければ避けがち

PC4〜PhC2

普段走っている道を普段走らない時間帯にサイコンの気温が氷点下を指す寒さの中走るというテンションがこれ以上落ちようが無い状況であったため、心を無にしてひた走る。
無にしすぎていたせいでラーメンが食べたいとずっと思っていたはずなのに、道路沿いにあるラーメン屋に何度も寄れる機会が有りながらも全部スルーしてしまった。

2時間ほど心を無にして走り続けてPhC2の宇部空港に到着したのだが、ちょうどJALとANA両方の最終便が到着して人が降りてくる頃合いだったせいか、宇部空港にしてはそこそこの賑わいを見せていた。

吊そうかと思ったけれど、重すぎて持ち上げるのがしんどいので止めておいた

PhC2〜ゴール

気温はどんどん冷え込みサイコン表示で−3度を突破したため、本当にそんなに寒いのかという疑念と実際に寒いなと思う気持ちの鬩ぎ合いの最中、ひたすら温かい食べ物を求めてひた走る。
ラーメンが食べたいという気持ちはありつつ都合の良いラーメン屋は既に開いて無さそうだったので、最終的にはルート沿いの松屋に駆け込みアツアツのシュクメルリセットで体を暖めることに。代償として口の中がデロデロに爛れてしまった物の、体は十分に温まり残りの距離を走り切るだけの元気が沸々と湧いて来た。

ぐつぐつ煮立ったすくめうい

山陽小野田からゴールのカモンワーフまでのルートは日中は交通量が多いのだが、流石に日付が変わる頃合いにはさほど交通量も無く気温以外は快適に走る事が出来た。
時折ただ何かしらのゴミが待っているだけなのだろうが、それを見て雪がちらついているような錯覚に襲われながらひたすら漕ぎ続けゴールのサイクルピット240に辿り着いたのは午前1時前の事だった。

ゴール受付を済ませ軽く会話を交わしつつ、早く暑い湯船に浸かりたい気分だったので次はBRM315下関400に参加する約束をして帰路についたのだった。

走行ログ

珍しく距離がほぼ300kmぴったり。
一番厳しいコンディションが自宅近辺だったのが最大の難所だった

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