我が自慢のメルカリで買ったブツ(航空以外編)
メルカリで変なものを探すのが好きだ。具体的にいうと古い記念品やノベルティなどである。
「航空機」よりは「飛行機」、あるいは具体的な名前よりそれを表すキーワードの羅列といった、「その品物に疎い人が出品するときに使いそうな」漠然としたキーワードで検索しては玉石混交のなかを彷徨うのは、感覚としてはビーチコーミングに近い。
自分が欲しいものでなくても、目に留まったTLの誰かが気に入りそうなやつは時々SNSにリンクを放流したり(そしてしばらく経って売れていると「お好きな人に着弾したな」とにっこりする)、ピンポイントに「これは◯◯さん絶対見逃せないでしょ」みたいなのは直接耳打ちしたりする。
自分もこれまで色々と変なものを買ったので、いくつか紹介してみたい。
四式陶製手榴弾
この丸いものは、第二次世界大戦末期に作られた手榴弾……のガワのところだ。釉薬のかかっているところはつるつるして触り心地が良く、結構ずっしり重い。火薬は入っていないので安全。来歴はよくわからないが、多分中身を詰められる前に放棄されたもののひとつだろう。
当時は金属をはじめとした資源不足が深刻化し、いろんなものが代用品で作られたころだが、この手榴弾もそのひとつだ。火薬の爆発の圧力が十分高まる前に割れてしまうので金属製よりも威力はしょっぱく、沖縄戦では自決用に用いられたものの死にきれず苦しんだり、不発も多かったという。瀬戸・有田・信楽・波佐見等、複数の焼き物産地で生産されたが、特に多孔質の産地のものは火薬が湿気やすかったんじゃないかなと思う。
花器にしようと思って買った。検索してみるとこれを花器にしてる人は他にも結構いる。長い月日が経って「これが花器であることができる」というのは、幸いなことではないかなと思う。
星野器物 モダンライフ ティーポット
ルックスが最高&衛生的で買った廃盤品の総ステンレスティーポット。溶接跡が滑らかで茶こしも総ステンレスで、容量も結構たっぷりあってめちゃくちゃ気に入っている。
ただしこいつには欠点があって
割れも錆びもしないが、湯を注ぐと総金属製だけあって全体がアツアツになり、特に蓋のツマミは触れないくらい熱くなる。ティーポットとして致命的じゃないかと思うがそんなところもかわいい♥
2~30年前の品物らしい。「星野器物 モダンライフ」で調べると、いくつかシリーズ品があったのがわかる。メーカーさんは一応廃業はしてはいないのだが、もうこのシリーズは作っていないようだ。
能登原子力センター ノベルティ湯呑み
石川県の能登原子力センターの古いノベルティ湯呑み。ちゃんとした九谷焼の窯元製。先日これが手元に届いてうれしくて呟いたらバズった。
蓋付きの全体が沸騰水型原子炉の圧力容器のかたちをしており、描かれている図案の沸騰水型原子炉の特徴(1988年着工の志賀原発1号機のタイプ)、郵便番号が5桁である(1998年の7桁化以前)ことから、たぶん1988年~1998年頃のもの。90年代くらいまでは電力会社に限らずこういう地元工芸品の記念品は結構作られていたようだ。
茶が沸きそうとかこれで白湯飲みたいとか言っておいて、もったいなさすぎて眺めるばかりで使えていない。
原子力船むつ プロジェクト完了記念タイピン
以前の記事で散々語り散らした推しの古い記念品です。
裏面には「原子力船『むつ』 プロジェクト完了記念」と書いてあるのですが、まあ「完了」とは名ばかり、長期化しすぎたプロジェクトの打ち切りだったというのは話したとおり。
これ以前に別所で落札した、同プロジェクトの始まりの記念品である原子力船開発事業団のタイピンは銀製だったので
対して、いかにもロジウムメッキでぴかぴかで、カットガラス(のようなもの)がついている完了記念タイピンは安っぽいなあ、ノベルティまでやっつけだったのかなあ……と思っていたのだけど、しばらく経ってこの青い石でガラスをひっかくと傷がつけられることに気がついた。これ、カットガラスじゃない! モース硬度5以上ある!
となると、色からしてこの石はおそらく放射線照射処理をしたトパーズだろう(透明なトパーズは放射線照射処理をすると青くなる)。なかなか面白い記念品を作ってもらったじゃん……。
そして、むつプロジェクトの始まりと終わり、みらいを並べたのがこちら
とても満足しています。
航空関連のブツも多いのでそっちは後日別記事で上げたい。
【航空編上げました】