見出し画像

沖縄のあまり知られてない伝統競技

沖縄角力大会の中継をYouTubeでやってみないか?
という、提案が2年前、コロナ禍にあり
よく意味がわからないまま何名かの青年会の方々から
話を聞かせてもらいました。

※沖縄角力について知りたい方はこちらから↓

もちろん、島に角力があることは知っていたし、久米島は角力が盛んだと言うことも知っていました。

そして、久米島の選手のほとんどが知り合いであり、同級生や先輩、後輩だったりとどこかで繋がりがある方々ばかり。

だから、完璧じゃなくても、「やってみる」っていう感覚でいいのかな、と思った。私はいつもあまりよく考えず(笑)自分がやりたいと思ったらやってみる。

やっていく中で試行錯誤する工程がとても好きらしい。角力を中継することで、何かが始まる気がした。

角力大会の運営は字の青年会と角力協会で行われる

これは、感覚ではなくきちんと理由があった。
1つ目は、「字」というコミュニティが角力大会を競技として、また祭事として運営している。角力に関係ない人も、青年会として角力の運営に携わっている。もちろん、地域の活動なので仕事ではない。労力と時間が取られることである。それでも、そこに時間を割いている若い方々がいるということはとても魅力的だった。

2つ目は「久米島にしかない人材育成の形」がある。角力を通して「島の誰かに憧れる」、角力を通して「島の誰かを応援する」関係性が生まれる。自分もそういう選手になりたいという気持ちから、日々少しでも自分の理想に近づけるよう、努力する。

学校や仕事ではない場所で、自分で考えて練習するというのは、並大抵の自己管理ではできない。それを角力協会できちんとお互いを補い、サポートしながらきちんと続けている。

角力を通して、学校や仕事ではない場所で、関係性を作り、自分の理想に近づけるようになる組織や関係性の形ができているのは、日本中を探してもしかも、学生を交えて残っているのは数%じゃないかと思う。


最後になるが、最も私が魅力に感じるのは大会の空気だった。蒸し暑い、夏の夜、老若男女が場所に集まり真剣に応援し、歓喜し落胆する。

大人が感情むき出しで、会場の一部になる。その姿を見て、子どもたちも一緒になって応援し、喜び、興奮する。毎年、この日を待っているオジーやオバーがいる。

この日のために練習し、努力してきた選手がいる。怪我をしないか、試合が無事に終わるのかを心配する家族がいる。

酒や友人と共に角力を観戦するいつかの選手がいる。若い選手が緊張しながら、不安と怖さを持って試合に出る。島の人の様々な感情や想いが夏の夜、会場に集中する。このエネルギーは計り知れない可能性が含まれている。

そんな場所は、いったい日本にどのくらいあるのだろう


興味がある方、沖縄が好きな方、格闘技が好きな方に
ぜひ見ていただきたいです。



いいなと思ったら応援しよう!