恋する少年は、王様も未来の人も虜にするものを生み出した
むかーし昔(2000年ほど前)、
あるところに(フランスのある村に)、
とある羊飼いの少年(もしかしたら青年)が住んでいました。
ある時、お仕事の途中ランチタイムに、
涼しい洞窟の中でパンとチーズを食べていると…
洞窟の前を、それはそれは美しい少女が通り過ぎていきました。
少年(青年?)は思わず、食べていたパンとチーズをその場に置いて、少女の後を追いかけていきました。
数ヶ月後…
…残念ながら私には、羊飼いの少年(青年かも)と美しい少女の恋の行方はわからず。
ただ、パンとチーズのその後はわかっています。…
少年は再び、例の洞窟に入ると、
数ヶ月前に食べかけのまま放置したパンとチーズがありました。(えええーっ⁈)
パンとチーズには、キレイに青カビが生えていました。(だよね)
少年は思わずそのカビの生えたチーズを口にすると…(なぜ⁈なぜ食べる⁈)
びっくりするほど美味しかったそうです。(よく食べたな…)
まぁ、逸話です。
どこまで本当かわかりませんが、
Roquefortの誕生は、今でも熟成させてる洞窟に、偶然置き忘れたパンとチーズに生えた青カビから造られるようになったそうです。
あの時美人ちゃんが洞窟の前を通らなかったら、
羊飼いくんが草食くんだったら、
パンとチーズを食べ終わってしまっていたら、
もしかしたら、
Roquefortはこの世に存在していなかったかもしれない。
あぁ、神さまありがとう。
偶然って、なんてステキ。
時はくだって8世紀、シャルルマーニュが西に東に遠征を繰り返していた頃。
遠征中にたまたまこのアヴァロン県付近に立ち寄った際、この珍しい青カビの生えたチーズを賞味したところ、虜になってしまったみたい。
「めっちゃ気に入った!
定期的にお取り寄せするからー!」
その量が半端なくて、地元の農民は大変だったらしい、と言う逸話も残っています。
さらに時はくだって21世紀。
ここにもやはり、その上品な美味しさに魅了された人たちがたくさんいます。
恋ってステキねー❤️
何事も、黙って見ているだけじゃなくて、
ガツガツ追いかけないとね。
ときには、命をかけた(お腹壊すかもしれない)チャレンジもしてみないとね。
そんな行動力がたまたま、ヨーロッパほぼ全域を支配した王様から遠い未来の庶民にまで愛されるチーズを生み出しちゃうなんて。
そして現在も、
伝統の味を食べてもらいたい!と言う思いから、敢えて手造りにこだわるメーカーや、ライ麦パンを焼くところから造るメーカーもあります。
(※昔、ライ麦パンに生えた青カビをチーズに接種したので、今でもライ麦パンでカビを培養してたりするんです)
一方、多くの人に自慢のチーズを食べて欲しい!との思いから、効率化できるところは機械化によって効率化し、世界に輸出しているメーカーもあります。
どちらにしても、Roquefortへの熱き思いでこのチーズを造ってくれる人がいるから、今私たちはその味を味わえてるわけです。
今日も感謝して、いただきます^ ^