北海道猟友会 第61号 P29支部だより 令和の時代に命を獲るということ

私には胸があり股にぶら下がっているものはない。
私は2020年(令和2年)生まれ育った地域の北海道猟友会 岩見沢支部に入会し御指導いただき5年が経過した。
当時、はじめて猟友会の事務所へ出向き、自分のやりたい事を伝えた時は緊張した。

自分で鹿を獲って捌いて調理し好きなだけ食べたい。
他人に委ねず自分自身で最後まで動物と向き合い美味しく命を頂く事を大切にしたい。

動物が好きだからこそ自分の生まれ育った地域の状況を知りたい。同猟友会でも年間の捕獲頭数が抜き出ていた方にそう伝えた所「仕方ねえなぁ教えてやる」と受け入れて下さった。その方が今や私の猟銃・罠共に師匠である。男女分け隔てなく指導する背中をみて私自身も日々コツコツ経験を積んでいる。師匠の様な動きが出来る人でありたいと思うし頼られる人でいたい。そう思い今に至る。

何十年も猟師をしている方に猟師になったきっかけをインタビューした事がある。
・獲った獲物を美味しく仲間と食べる事。(わたしも同じだ)
・農家さんから、手塩にかけて育てた作物を動物達に食い荒らされいる。助けて欲しいと頼られた事(数年経過した今の自分だ)
・親戚の叔父さんや父が猟師という事(親戚に猟師はいなかった)

猟友会各会員の生活スタイルは様々であり、各地域によって捕獲対象の鳥獣に差はあれど、指定鳥獣駆除という活動を通じ現場での経験を積む事が出来る。何より地域を知る事になり今までの視点とは変わる。
私は猟友会に入って良かったと感じている。動物相手の事だから結果は全く同じではない。様々な意味で変動する。そこに気づく度に、次はどうすべきかと予想し実行。さらに変更し実行する。その連続だ。

仲間作り・若い世代とのコミュニケーションについて、
コロナ渦明け新年会・忘年会等の会合が再開している。若い世代がベテラン経験者の話しを聞きたいと思ってもらえる行動をしているのか。たかだか数年の中間経験者の私にも言える事だと思う。
背中を追ってもらえる活動を自分は出来ているのか。常に問いかけて行動していきたいと思う。

私個人では、近隣の猟友会 若手会員と70代会員がコミュニケーションの場を作る働きかけの他、子の小学校の担任より総合授業枠で動物達について小学生へ向けてお話しをして貰えないかと依頼がきており【動物と私たち キーワード循環】というテーマで小学生へ向けたお話し会を予定している。
授業でどんなイメージを持ってくれるのだろうか。
ただただ動物が可哀そう。なのか
仕方ないよね。なのか。
柔軟な発想・思考を持っている12歳。
これからの日本を担っていく若い世代。ゆっくり対話する時間を設けたいと考えている。

課題:鹿に関し、自家消費であっても食肉に適した解体ができているのか
理想:道内 各市町村毎に国産ジビエ認証施設の設置

持ち込みが面倒だと思わない距離に施設がある事が大事であり、その対価も然り。そのシステムを整えた結果、残渣を出来るだけ減らす事にもつながり、殺めている命を食肉へと循環させる事により精神的にも楽になる。

猟友会としての取り組みとし、食肉に適した解体ができる人材育成や施設運営も担い、国や・各市町村との連携により施設運営でプラス収支となった分を猟友会内の予算として加算し、ヒグマ捕獲費や人材育成・ヒグマ専門家との連携に回していくシステムが出来たなら理想的だ。と考えます。
風通し良く、きれいなお金が循環する仕組み・第三者の監査の目も大切。

自身の生まれ育った地域でありながら、こと農村地域となると農家さんとの関わりは少なく、入会当時は農家さんの知り合いも数人程度だった。
5年間、地道に見回り捕獲活動をしていると顔が知られ、害が出る度に罠をかけて欲しい・鹿を撃って欲しいとコンスタントに声がかかる様になった。
毎日コツコツ見回り、顔を知ってもらう事。その土地に住む方と話しをする事を、これからも大切にしていきたい。


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