甘酸っぱくてほろ苦い
みおいちさんの恋バナ企画に、参加させて頂いちゃいます。
実はこの記事は、私が今のアカウント『早記』の名前でnoteを書き始める以前に、
名前も何者かも分からない状態での別アカウントで、
誰にも見つからない場所で好きなこと書きたい、と、
独りよがりな文章を書いていた時の記事を推敲した物です。笑
でもこの思い出は、私にとって切なくて苦しくとも、大切な忘れられない思い出なので、
文章にしてまとめられて良かったなと思っています。
きっと人生のラストには、彼のことを思い出すんだろうなぁ。笑
長いですが…よろしければぜひ。
—————————》💘
なぜ、いちばん最初に彼に出会ってしまったんだろう。
もしあのまま、彼と歩む人生を選んでいたとしたら、
今頃私はどこにいて、なにを思っているのかな。
高校の同級生だった彼とは、卒業後に急接近して、あっという間に付き合うことになった。
私は彼のことを、寡黙でクールな人だと思っていて、
彼は私のことを、無愛想で怖い人だと思っていたから、
在学中はまともに話した記憶がなく、
覚えているエピソードといえば、卒業式。
出席番号が前後だった私達は隣の席で、
卒業や友達との別れを惜しんで泣くのではなく、
近くでふざけていたクラスメイトの様子を見て堪えきれず、卒業式の間じゅう、終始笑っていた。
話してみたくて、メールしました。
私の親友からメールアドレスを聞いたといって、彼からこんなメールが届いたのが、卒業してから1か月ほど経った頃。
マンガやドラマの世界と思っていた、甘酸っぱいまさに胸躍るような恋の始まりが、私にも訪れた。
桜木町の花火大会、
夜景の美しい湘南平、
宮ヶ瀬のクリスマスツリー、
都会で見る蛍の群れ、
湘南、鎌倉、134号線、
夜中のドライブデート、
手を繋いで歩くまでに3か月もかかった淡い恋。
おたくレベルの車好きも、
意外とお調子者な高い声も、
伸びると爆発してしまう、多くてクセのある髪も、
そして何より、私を安心させる彼の匂いも。
彼を作り上げているものすべて、本当に愛していた。
街中でふと香るのは気のせいのはずなのに、
近くにいるのかと、彼を探したりもした。
匂いは記憶を呼び起こす。
本当にキラキラとしていた私達の日々は、
6年が経とうとしていた5月のある日、
終わった。
これほどまでに愛し愛される人との出会いが、いちばん最初であったことは、
私にとって幸せであったけれども、
しかしその幸せを充分に感じるには早過ぎた。
まだ若い、そして夢への志も半ばであった私は、
外の世界を見てみたくなった。
いや、外の世界を見なくてはいけないのではないか、
この人に甘えていてはいけない、と、
そう思い込んで別れを告げたのだ。
その身勝手さが、どれほど彼を傷つけたのだろう。
この罪は時が経つにつれ重くなり、後悔の念という形で私にのしかかってきた。
別れて初めて、
どれほど彼の愛情が深かったのか気づく。
彼以外を知って初めて、
これほどまでに相性の良い相手に巡り合うことが、いかに奇跡的だったのか身に染みる。
なぜ、いちばん最初が彼だったのだろう。
なぜ、酸いも甘いも味わい尽くした後に、
彼と出会う順番にならなかったのだろう。
彼と過ごした日々は美化され、
新しい男を知るたびに、
手放した彼への想いは強くなっていった。
神様、
彼を傷つけた罪を、私はまだ償いきれないのでしょうか。
縁があるなら、また巡り合う。
別れの時、
自らの選択を正当化しようとした根拠のない運命論が、
私を縛りつづけた。
数年が経ち、
同級生だった彼の近況は、風に乗って私の耳にも届いた。
彼の幸せを聞き、これでもう、あの運命論は消滅したという悲しみと同時に、
私もそろそろ自由にならなくてはと。
青春の美しい思い出になんて出来ないと、過去にとらわれ続けていた、
私の独りよがりな罪と罰から、私を解放してあげよう。
どの思い出も あなたの愛と
いっしょだから だいじょうぶ
逝かせてあげなさい
DREAMS COME TRUE 『ねぇ』(2010年)
シンクロして心が解放される思いがした。
大丈夫。
さんざん削ったから、また磨かれる。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました😌
そしてみおいち様、素敵な機会をありがとうございました🙏💓