アルミサッシの存在が許せないので格子の内窓を作った
あけましておめでとうございます。早です。
2021年ですって、すごいね。未来ですね。
今年1年は定期的にnote書いていきます。毎年言っていますが今年こそ本当に。インテリア関連で書きたいネタが20個くらいは溜まっているのでまずは週に1本くらい出していけたらと思います。更新が止まったら誰か怒ってください。
アルミサッシが許せない
歳を重ねるにつれて、こだわりがなくなっていくというか世界に期待しなくなってくるというか、今ここにあるものを受け入れていろいろなことが許せるようになってくるものだと思います。でも、2021年冬、31歳にもなって私にはどうしても許せないものがあります。しかも3つ。いやたぶんもっとあると思うんだけどとりあえず思いついた3つについて。
1つは、部屋を区切るために設置されたでかい引き戸。あれは開いた状態も閉じた状態もどちらも完成体ではなく、2WAYという名のもとの中途半端な存在で、開けていても閉じていてもなんだか落ち着かない。そして床を走るレールがなんともいえない存在感を主張するのも気に食わない。部屋を仕切るならガラス入りの格子戸か、床にレールがなくドアそのものに装飾性があるバーンドアにしてほしい。仕切るなら美しく仕切ってほしいのです。
2つめ。あらゆるものが充電式になった世の中ではただでさえ数が多い上に、なぜか巨大化してきている電源アダプター。それらをうまく収めきることができず、全部のプラグを使い切れない「間隔の狭い電源タップ」が許せない。どんなに穴が空いていたって効率よく使えなければ意味がない。コードがごちゃごちゃするのも穴が足りなくてしょうがなくタコ足にするのも嫌いだ。無駄があるのは美しくない。
3つめ。どんな窓辺も瞬時に「それなり」の生活感あふれる空間に仕立て上げてくれてしまう、アルミサッシ。私は窓がたくさんある部屋が好きだ。窓から差し込むあたたかな日差しは美しい。しかしそのすべてを冷たく包み込んでつまらなくするあのグレーの鈍く光る枠が憎い!!しかもどんなにダサくて嫌いでも日本の住宅には標準仕様のため、アルミサッシからは逃れられない。日本の窓辺、なぜそんなにアルミサッシなの。
去年も同じことつぶやいてた。どんだけ嫌いなんだ。
もちろん、それぞれ製造コストと性能とのバランスを考えた総合的なパフォーマンスで評価されて一定量流通しているということはわかっています。でも、そういう問題じゃないんですね。自分の空間の美学としてね、そこにあってはいけないんですよ。単なる自己満足ですよ。(だから2Wayドアのある家に住んでる人も塞がった電源タップもアルミサッシの窓も本人が満足しているならそれは全然否定しないよ、念のため)
で。
我が家も賃貸なので例に漏れず、ふつーーの、典型的な、アルミサッシの窓の部屋でした。
この部屋に引っ越して1年半。築年数はまあまあ経ってるもののセンスよくリノベされていて床は無垢材だしシンプルでオシャレ感のある部屋で、これ以上を求めるの贅沢なんだけど、唯一、部屋を眺めると必ず真ん中に飛び込んでくる窓が。この窓さえ、これさえアルミサッシでなければ……!とずーーっと思い続けてきたのです。
ですが、ついに。
2021年元旦、作りました!!
格子窓〜〜!!わーい素敵!!
昨年の11月ごろに突然作ろう!と思ってやり始めたものの、結局完成までに2ヶ月弱かかってしまいました。時間がかかった理由は無計画すぎて途中で材料が足りなくなり、買いに行くのがダルかったからです。
この状態のリビングに2ヶ月文句一つ言わない夫氏、えらすぎない?
格子の内窓作り方
アルミサッシが許せない族はどうやら私一人だけの稀有な存在ではなく日本にうじゃうじゃいるようで、内窓DIYのやり方はググったりnoteを検索したりするとたくさん解説記事や動画が出てきます。私はこのあたりを参考にしました。
みなさんちゃんと開閉できるようにしたり芸が細かい。私は部屋にもうひとつ掃き出し窓があったことと、サイドボードと観葉植物の存在により窓を開けに行く道のりが遠くてあんまり開けてなかったのもあって、はめ殺しのタイプにしてしまいました。なので工程としてはこれらの記事よりもっとシンプルです。
詳しい作り方は上記を読んでもらうとして、ざざっと私がやったことを紹介しておきます。
採寸
何はともあれまずは採寸です。作った窓をはめ込む枠のサイズをコンベンション(巻き尺)などで測ります。私は性格が雑なので誤差があってあとで苦しみました。
設計図
簡単にでも設計図を描いておくとカットするときなどに確認できて便利です。iPadの手書きノートアプリでちゃちゃっと描いています。まあこのときも本数を間違えてあとで材料が足りなくなることになるんだけどね……。
材料
設計図に従って材料の買い出しをします。ホームセンターが近くにあれば全部揃います。渋谷区在住だと方南町のあたりにある島忠ホームズの中野本店が一番近いのでそこに行きました。ハンズとかにもあるけど木材ちょっと高いです。
カットサービスもありましたが、行ったときはけっこう混んでて並んでたので使わずにそのまま長い棒を抱えてタクシーで帰りました。こういう時に運転免許持っていたら便利なのに……(ない)。
ツメが甘いので、設計図に縦枠用の木材の本数を6本いるところなぜか4本と描いており、足りなくなったことにあとから気づきネットで追加で買いました。ネットだと家に届けてくれるしカットサービスもある程度無料でやってくれるし、送料はかかるけど楽ですね。
いつも使ってるのはここ。→オカモク 楽天市場店
道具
道具は日曜大工にポピュラーなこのあたりがあると便利です。マルチツールはヘッド取替でドライバー、ミニ丸のこ、ミニサンダーなどの複数の機能が使えて便利な文字通りマルチな道具。
ほしいほしいとTwitterでつぶやいていたらなんと友人が結婚祝いに送ってくれました。なんて実用的で素晴らしいプレゼントなんだろう。これでごりごりと2人の家を(主に私の好きなように)改造していくね。
道具って使っていくと結局専用のやつが欲しくなったりするものだし、複数の機能を一つにするためにどうしてもそれぞれの性能を削っていたりするので、手にする前はどうかなあ〜と思っていたのですが、想像以上にそれぞれの機能がちゃんと使いやすくてよかったです。しばらくはこれだけでよさそう。(でも次はトリマーほしいな)
今回は全部をダボ継ぎで作ったので、木ネジや釘は使いませんでした。手軽に組み立てるならそういった金物系を使ったほうが早いかもしれません。
手順
まずは使用する木材に長さを墨付けします。
そしてマルチツールの丸のこでガンガン切る。丸のこって使い方次第で危険なので使うのドキドキする道具なんですが、このマルチツールヘッドの丸のこはミニサイズで25mmくらいまでの厚さしか切れない代わりに、安全性に配慮した作りなのでさくさくといけました。
すぱっと爽快。早い。
次に、すべてダボ継ぎをするため、必要な箇所にダボ穴あけ用のドリルヘッドで穴をあけていきます。ダボ専用の道具だと深さも一定になるしまっすぐにあけやすいし切り口もキレイ。
そしてそれぞれのダボ穴にダボを差し込んで、ボンドで接着。穴がきつい場合は金づちでトントン叩いてしっかり押し込みます。ぴたっとハマると気持ちいい。
次に格子部分。格子のクロスするところは相欠き継ぎにします。厚さの半分くらいまで手ノコで切り込みをいれて、ノミでこんこんとすると、
柔らかい針葉樹のヒノキ材なのでぽろっと木片が外れます。切り口が荒かったり浅すぎる場合はノミやヤスリで削って調節。
そうしてできた2つの溝を
ぴたっっとはめると格子の出来上がり。ここも木工用ボンドで固定。
なくてもできるけど、固定するときにこういう90度のコーナークランプがあると歪まず楽に組み立てられます。
そうしてできた格子と枠を組み立てます。(ここもすべてダボ継ぎ)
そろそろ格子窓っぽくなってきました。
あとは白いペンキで塗装して乾かしたら
サイズをカットしたポリカ中空ボードをタッカーで裏からバチバチ留めます。ちなみにポリカ中空ボードはカッターで簡単に切れるのでサイズ調整も楽ちんです。
最後は、この窓を既存の窓枠にはめ込むだけ。
上下合わせて1cm弱くらいの隙間ができるようにサイズを計算しておいて、隙間テープを貼ってコンコンとはめ込みました。はめ殺しにすると元々ついていた手すりは不要になるので、外して保管しておきます。(賃貸でついているものを外すときは原状回復時には戻さないといけないから、ネジなどをなくさないように注意。)
ちゃんと測ったのでぴったりいくはずが、なぜか右サイドに謎の隙間が……。初心者DIYあるある。作った格子が歪んでいたのに加えて、あとで測ってみたら少し元の窓枠自体にも歪みがあったみたいです。家も完全な直角にはなっていなかったりするので、最終的には現場に合わせて調整するしかないようです。学びだ。今回はあんまり見た目には影響していないので、このままいっちゃいます。
じゃーん。最後に再び完成写真です。アルミサッシがうまいこと隠れて、サイドボードや植物と完全に調和した素敵な窓辺になりました。これこそが私の理想の窓!
欲を言うと上についているカーテンレールもどうにかしたいのですが。ネジでついているだけのようなのでこれも外しちゃおうかな……。
ポリカ中空ボードは縦にラインが入っている半透明な素材で、カーテンをしていなくても外から見えることがないのでもうここはこのままカーテンなしで行きたいと思います。窓が素敵ならカーテンいらず。家具をちまちま何かするより、内装に手を加えるとガラッとイメージが変わるんですね。
ちなみに、我が家の場合は大きめの窓が他にもあるためあまり効果が実感できませんでしたが、内窓は冷暖房効率アップも期待できるので、おしゃれと実用を兼ねる心強い存在です。
全国のアルミサッシが許せない族のみなさん、ぜひお試しください。
材料費は道具類を抜くと1万円ちょっとくらいでした。道具は最初にいろいろ揃えて2万円前後だったかと。いただいた工具をもし自分で買ってたらもう少しかかって全部で5万くらいかもしれません。
DIYは最初が大変ですが一度道具揃えてしまえばあとはどんどん作るだけなので、今後いろいろやってみたい人はぜひ道具を揃えてやってみましょう!!ハマりますよ〜。
ではでは!
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