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私が文章を書きはじめたのは、そういえばあのGのおかげだった
最近文章を書くのが本当に楽しいので、いろんな面白い文章を書く人のを片っ端から読んでみている。
何がどうなっていてこの文章は面白いのか?っていうのを解明したくてしょうがないのです。そしてできれば自分が読んでうっわめっちゃおもろ!っていうのを生み出したいわけです。
で、なんでそうなんかなーっていうのを考えてたら、思い出したことがあります。
なんかさ、面白い奴が正義!みたいな風潮、学生時代にありませんでした?会話しててぽっと気の利いたこと言って笑いを取れる奴、いたよね。
あれ、もんのすごく羨ましかったんですよね。そういう時に、パッと言葉が浮かぶ方じゃなかったし、何ならちょっと空気読めずにズレた発言しちゃって場の流れを止める人だったし、しかも自分がそうだってことも全然気づいてなくてどっちかというと空気読めると思ってましたよ最近まで。さすがにそろそろ気づきました。自分KY(そういえばこの言い方最近あんま聞かなくなったね)だって。
つまりは面白コンプレックス。ああ笑いが取りたい。面白いって言われたい。今も水野敬也の「ウケる技術」を熟読してポイントをノートに書き出すくらいには、ウケる奴になりたいです。
とにかく昔から、
「自分ってつまんないなー。。面白い事言える人っていいなー。。。」
ってちょっとだけ悩んでいたんですね。
そんなことを思っていた高校生のある日、我が家にゴキブリが出ました。
えっなんでここでゴキブリ出てくんの?
って思いましたよね。まあいいからとりあえずもうちょっと聞いてください。
そうゴキブリが出たんです、しかも家に一人でいる時に。
いつもなら「お母さんゴキブリ出たー!!ぎゃーー!!いやーー!!」って騒いで高いところに避難していれば、虫けら一匹なんてものともしない逞しい母が退治してくれるはずでした。
だけどその日は私一人。しかも家族は全員、泊まりの用事で帰ってこない。
このままこいつを見逃したら、私はいつ再び来襲するかわからない悪魔の怪獣ゴッキーが息を潜ませるこの部屋で、恐れおののきながら一晩過ごさなければならないわけで。
それは、悪夢だ。
意を決して、私は生まれて初めてたった一人で、この強敵に立ち向かう決心をしました。
そして死に物狂いの戦いの末、ヤツを仕留めた。ゴキジェットなるものが見つからなかったために、化学兵器に頼ることもできず、超原始的な武器・新聞という軽装で戦いを挑み、そして勝利したのだった。
ぎゃああああああいやああああくたばれぇええと散々騒ぎながらなんとかゴミ捨て場への埋葬まで完了してから、ふと我に帰って、この光景、自分一人の中に置いとくのはあまりにも滑稽だな、と思ったのです。
そう、たった一人でGを退治したこの武勇伝を、誰かに語りたくなったのであります。
そしてすぐさま当時大流行だったmixiの日記に、書きました。この私の渾身のストーリーを。
そしたらなんかね、すっごいウケたんだよね。コメント欄が友達からのウケるwwでぶわーって埋まってね。そんなこと初めてでしたよ。早ってこんな文章書けるんだね!ってそりゃ私もビックリだよ!
今まで、「面白い」っていう評価をもらったことはなかった。
気の利くことなんて、会話の中じゃ何一つ言えなかった。
だけど、文章なら、ゆっくり時間をかけて言葉を選んで、書き上げたものなら、私は「面白い奴」になれるんだと!!
この感動をわかっていただけます?えっわからない?このセカチュー並みの感動の嵐がわからない?!とにかく私には結構な衝撃的な出来事だったんですよ、ゴキブリを一人で退治したこと。じゃなくてそれを書いて面白いって言ってもらえたことがです。
ということで、この原体験があって、面白い文章書きたい!!欲につながっているんじゃないかということに最近また気づきました。
ありがとうゴキちゃん。
私に物書きの楽しさを伝えるために、身を犠牲にして我が家にやってきたあなたのこと、私は忘れない。
だけどもう二度と出てこないでください。
あのmixiの日記、どこ行ったかなー。アカウントわからなくなって見れなくなってしまったの、残念。
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![早[SAKI]](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/13256300/profile_38b09a3c49303381af3d68640c08d16e.png?width=600&crop=1:1,smart)