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はじめての本ができるまで① 〜「片づけ祭り」をした先で出会った、海外インテリアの世界〜
初の著書ができました
8/8(月)に、人生初の自分で書いた本が発売しました。
『カラフル&モダンボップ 海外みたいにセンスのある部屋のつくり方』
海外のお部屋のように、カラフルで雑多で、本当に自分の好きなもので埋め尽くされたおしゃれな部屋を、日本の住宅で実現するにはどうしたらいいのか? をひたすら考えて、現時点での私の手法をすべて言語化した本です。
よくあるインテリア雰囲気イメージ本ではなく、最初から順番に実践していってもらえば、どんな部屋を目指してどういう順番でモノを揃えていけばいいかがわかる、という実用的な指南本を目指して書きました。
ここ数年流行のミニマリズム・断捨離の方向性とは違い、どちらかというと断捨離の「その先」で、モノを上手に増やしていくにはどうすればいいのか? という内容です。
正直、どんな反応があるのか予想がつかなくて発売後もずっとそわそわしています……。
でも、私自身が世の中にある既存のインテリア本に満足ができなかったので、同じように既存のものが物足りないと感じている方に手に取っていただけるんじゃないかなと思っています。
今回は、発売を記念して(?)出版までのエピソードや執筆中に考えていたこと、そして今考えていることを何回かに分けて書き残しておきたいと思います。
「海外のようなインテリア」に目覚めたきっかけは、一度全てを捨てたこと
私は2022年現在、IT企業で働く会社員(現在は出産のため産休中)、33歳既婚女性です。昨年2021年に都内のマンションを夫婦で購入し、リノベーションして住んでいます。
現在の家が7回目の引っ越しで、社会人になってからこれまでの10年間で諸事情あっていろんな家を移り住んできました。
今回、本に書くことになった「海外のようなインテリア」に目覚めたのは、そんな移動生活の入り口となった、今から8年ほど前、20代半ばの頃です。
当時の私は、大学時代にのめり込んだ競技ダンスを続けることを優先して就職をせず、在学中に趣味で始めた衣装制作で独立し、フリーのデザイナーとしてオーダーメイドのダンスドレスを作る仕事を始めていました。(過去の仕事から現在までの経緯はこちらの自己紹介記事に詳しく書いているので興味のある方はそちらをどうぞ。)
さらに、どういうわけか同時期に勢いで(1回目の)結婚までしてしまい、社会人経験もお金もまったくないまま、いきなり「自営業」と「家庭」を同時にやることになっていました。
でも、アルバイトもろくに続かなくてまともに働いたこともなく、実家から出てまだ間もない、無知で幼すぎる若者だった私に、そんな難易度の高いことがいきなりできるはずもなく……。
幸い、口コミやインターネット経由で仕事自体はそこそこもらえていたものの、お金の管理がきちんとできず、売上が上がると気が緩んで無計画にモノを買ってしまい収支はたびたび赤字に。一人で仕事をしているのでつい家でダラダラしたり、友人からの突然の遊びの誘いに乗ってしまったりして制作が捗らず、納期の直前に徹夜を繰り返してなんとか帳尻を合わせる……というような、破綻した生活を送っていました。
そんな毎日なので、部屋はいつも散らかってぐちゃぐちゃ。それなのに思いつきで買い物をするので、集まったモノはなんだかすべてがちぐはぐ。おしゃれな部屋にしたい気持ちだけはあるのに、金銭的にも精神的にも余裕がないことを言い訳にして、見て見ぬフリを続けていました。
そうこうするうち、当時のパートナーとの関係はどんどん険悪になって、おまけに肝心のダンスも行き詰まっていきます。
これではいけない、と頭では思いながらも、抜け出せない毎日に悶々としている時に出会ったのが、今や世界中で大ヒットしたかの有名な片付け本『人生がときめく片づけの魔法』(近藤麻理恵著)でした。
ときめくものだけ残して、まずは捨てることを完璧に終わらせる、というのがこの本の中心となる教えです。人生と生活が停滞していた私は、とりあえず素直にそのとおり実践してみることにしました。
持ち物を見直してみてまず驚いたのが、手元にあるのはなんとなく妥協で揃えたモノだらけで、残したいモノがあまりにも少なかったこと。
すべての片付けが終わる頃には、その時住んでいた家も、結婚生活のために買った家具も、それどころか当時の「結婚」という関係性そのものも、そしてダンサーとして生きる道への未練も、私にとってはすでにときめかない不要なものかもしれない、と気づいてしまいました。
そうして、仕事道具以外のほとんどのモノを捨て、一度は家族になった人と別れ、かつて夢中になった目標も手放して、空っぽになって自分ひとりの部屋を得たことが、私の部屋作りの第一歩でした。
「この場所に、自分にとって最高の部屋を作ろう」
何もない部屋を眺めながらそう心に決めた理由は、もしかするとままならない現実から逃避するためだったのかもしれません。それでも、本当になりたい自分をもう一度ゼロから再構築するために、私だけの理想の城を作ることが必要だったのです。
日本の普通の賃貸では、理想の暮らしを実現できない?
と、そんなこんなで自分の本当に好きな空間を作ろう! と意気込んだわけですが、一つ問題がありました。
その当時の収入でやっと借りることができた部屋は、お世辞にもおしゃれとは言いがたい、築35年の25㎡の1DK。3点ユニットバス、ボロいキッチン、元は和室であっただろう部屋をフローリングに張り替えた、どことなく中途半端な洋室。
インターネットで目にして目標と決めた、私が好きなおしゃれな部屋とは、部屋そのもののベースからして何もかもが違っているように感じました。
どうしたらその違いを埋められるのか。
あちこち情報を探してみたけれど、世はミニマリズム全盛期。
モノを減らす方法は溢れていても、部屋のベースをどう整えて、どういう方向性のモノを揃えたら理想の海外みたいな部屋を作れるのかについては、これだ! という情報はあまり見つかりませんでした。
もちろん、お金をかけて輸入住宅を建てて海外の家具を揃える、といった手段であれば、当時から有益な情報もあったとは思います。
でも、その時の私にはそんな高級なものには手が出るはずがありません。
お金がなくて、一人暮らしで、家を買う余裕なんてとてもないような人は、不本意な暮らしでも我慢しなければいけないのでしょうか。
自分の好きな暮らしを楽しむ自由が欲しい、というのは身の程に合わないわがままなのか……。
実際、そうなのかもしれません。
暮らしを楽しむのはあくまで余裕がある人だけができる贅沢品で、ただ生きていくためにはボロくてダサくても家があるだけで十分、という考え方もあるとは思います。
だけど、本当にそうなの?
何かやり方があるんじゃないの?
今はお金はないし、狭くてボロい賃貸にしか住めないけど、それでもいますぐできる方法で少しでも理想の生活に近づけたい!
若くて貪欲で、とにかく時間とエネルギーはあり余っていた当時の私は、どうしても諦めきれなかったので、「お金で解決できないなら創意工夫で乗り切ろう」と考えました。
そうして、自分でDIYで内装をいじったり、インテリアグッズを手作りしたり、中古家具屋に入り浸って掘り出し物を探したり、なんとか今できることの中で海外みたいなセンスのある部屋がつくれないかという試行錯誤がはじまりました。
(②につづく)
今はこのnoteが活動の中心になったため更新を止めていますが、当時書いていたブログに、その頃の試行錯誤の様子が残っています。
何年も前の文章で今読むと拙くて恥ずかしいですが……。その当時の情熱を感じられる記録なので、載せてみます。(本の中で書いたこともこの当時から言っていたりします)
書籍発売中
カラフルで好きなものにあふれた、海外のようなセンスあるお部屋をつくるには? 10年で7回引っ越し、独学で試行錯誤を続けてみつけた部屋づくりのノウハウをまとめた著書が発売中。
『カラフル&モダンポップ 海外みたいにセンスのある部屋のつくり方』(大和出版)
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