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妊娠生活日記 2025年1月9日〜1月16日

1月9日(木)
まくんの寝顔を眺めているといこちゃんの顔に何となく似ている気がしてきた。まくんの顔の横に寝ているいこちゃんのエコー動画を並べてじっくり見てみるとあんまり似てない気もしてきた。

とあるレシピを見て作った親子丼。明らかに醤油の量多いよな……と思いつつもレシピ通りに作ったら濃い味好きのまくんも「しょっぱい」と言うくらいしょっぱすぎて食べられない親子丼ができた。汁を流して水を加え、鍋でしばらく煮て食べてみたけどやっぱり染み込んだしょっぱさは消えなかった。ある程度食べてみたけど、食材のもったいなさよりも塩分の摂りすぎの方が気になるので残りは潔くサヨナラした。おやっ?と思うならレシピを疑えと自分に言い聞かせた。というか親子丼くらいレシピを見なくても作れるようになりたい。カリウムカリウムと思ってりんごをたくさん食べてお水をたっぷり飲んだ。

この前「はるか」という品種のりんごをスーパーで見つけた。小ぶりで滑らかなクリームイエローの皮がとっても美味しそうでしばらく眺めていたけど、4つも入っていたから買わずにスルーした。しばらくしてどうしても気になって「はるか」について調べたら蜜がたっぷりで甘く超希少品種とのこと。やっぱり食べてみたい!そう思ってスーパーに行くともう無かった。もう入荷しないのかな……とスーパーのりんごコーナーを眺めては落ち込みながら過ごした数日間。今日は「金星」という品種のりんごが入荷していた。「はるか」よりも大きくて黄色だけど、上の方は少し赤みもある。その場で「金星」について調べた。あ、これは絶対美味しい品種だ!と確信したので「はるか」のように逃すまいとすぐに購入した。「金星」は硬めの食感で甘みも香りも良くて美味しくて美味しくてゆっくり味わって食べたかったのに、しょっぱい親子丼の塩味を中和する存在になってしまった。無念。

大量の調味料と食材を無駄に使ってしまってムシャクシャしたので1時間半程マタニティエクササイズとヨガをした。笑顔でテンション高めに取り組んだ結果、ニーチェアで一休みしたらそのまま寝落ちして2時間経過。ほぐれた身体はバキバキになり、ヒエヒエになった。はあ……今日はなんか良くない日かもしれない。

以下、今日の笑顔になったこと

・まくんが見つけてくれた妊娠育児に関する無料セミナーの一つ「ベビーマッサージ」のオンライン講座を受講。(生後2ヶ月以降のベビーと一緒に参加するやつだった)予習も兼ねて互いにベビーマッサージをし合い、肩から腕にかけてのマッサージで私は一気にテンションが上がり、バイク川崎バイクのモノマネをしながら「レッツゴー!ブンブンッ!!!」とハイテンションで叫びながらまくんの肩から腕をマッサージしてふたりで爆笑した。全力でBKBポーズもした。結構俊敏に動けるんだぜ妊婦って。

・「金星りんご」をはじめて口にいれた瞬間に感じたおいしさでにっこりんご。

・塩分控えめを意識した夜ごはん。長谷川あかりさんのレシピの絹豆腐、塩、オリーブオイルのみで味付けされた「なめらか豆腐のシンプルそうめん」がめちゃくちゃおいしかった。レモン汁追加でさらに爽やかになった。長谷川あかりさんのレシピはアレンジの幅が広がるので好き。

・やっぱりBKBのモノマネしてる瞬間が最高に楽しくてしあわせだった。


1月10日(金)
電車、優先席でもマタニティマークはスルーされるんだから普通席なんてもっとスルーされるよな。見ず知らずの妊婦のことなんて知ったこっちゃないよな。この車両の全員に呪いをかけそうになったぜ。

バイト。教材準備をしながらスタッフと老後の話しをする。

帰りの電車、優先席で酒を飲むじいさんほんときつい。ただよう酒の匂いに耐えきれず隣の車両に避難した。

お家のドアを開けたら何かを煮込んでいるようなおいしい香りがただよってきて、いい1日がはじまった気がした。私の帰宅とぴったりに炊き上がったごはん。もう一つの鍋には長谷川あかりさんのレシピを見てまくんが作ってくれたスペアリブと丸ごとピーマンのトマトスープ。まくんが冷蔵庫にある食材を元にレシピを探してばっちり用意してくれていた。スープの味付けは塩のみ。本当に塩だけ?と思うくらいおいしくて一気に食べてしまった。互いに作ったレシピをLINEのノートに貼り付け合うことにしたので、またあれ食べたいなと思った時にすぐにリクエストできるし、自分で作ることもできる。いこちゃんが産まれてくるまでに時短レシピで料理することに慣れちゃうんじゃない?まくんは「作りたいレシピが見つかると、料理するのが楽しくなった」と言っていた。まくんが料理の楽しさに気づいていく姿に微笑ましくなった。私は疲れて帰ってきたときに廊下までおいしい匂いがぶわあっと広がってきて幸せで嬉しかったと伝えた。

いこちゃんが喉にまで差し迫ってるんじゃないかってくらい息苦しい。空気をたくさん吸いたいのに吸えない。これが妊娠後期の辛さなのかあああ。「いこちゃんかわいいこちゃんかわいいこちゃんかわいい」これは気を紛らわす呪文。


1月11日(土)
5時過ぎに起き、そのまま寝付けず6時30分のアラームが鳴る。今日は早い出勤の日なので身体を起こして支度をする。支度の合間にゆで卵、ヨーグルト、おにぎりを食べてしばらくするとクラッと血の気が引いてきた。ああ、今くるか……脳貧血。調べてみると食後に脳貧血は起こりやすいみたい。どうにか支度だけ済ませたけど、この状態で電車に乗るのは危ないのでバイト先に連絡を入れて横になることにした。しばらくして回復したので出発。乗り込んだ電車はまあまあ混んでいる電車で絶望。優先席以外でも当たり前に見て見ぬふりをされるマタニティマーク。妊娠中の電車移動は世間の冷たさを目の当たりにするので本当に精神衛生上よくない。今日も嫌な日だと思っていたらおじいさんが気づいて席を譲ってくれた。おじいさん……おじいさあああん!泣きたくなるくらい嬉しかった。

バイト、乗り切った。


1月12日(日)
昨日は本当にダメダメな1日だった。バイト中は頭痛に襲われ、夜は尋常じゃないくらいの眠気で21時過ぎには就寝。7時頃までたっぷり眠った。夢には何度も家族が出てきて相変わらずめんどくさかったし、同居していたまくんがこき使われていて私はずっと怒っていた。夢でも疲れた。

癒やしを求めて金星りんごをトースターで焼いてみた。甘みもぐんっと増してとろける食感になり自然と笑顔になる。チーズを乗せて食べ、昨晩の残りの唐揚げとかまぼこも食べた。バイトに向かう前、やっぱり今日も脳貧血気味。朝早い時間の出勤は色々厳しそう。

妊娠に伴う身体の不調は時期によってどんどん変化していく。この脳貧血も大きくなったお腹があらゆる臓器を圧迫しているからか?いこちゃんがどんどん成長しているからこその不調。身体は辛いけど、心は嬉しい。胎動の力強さもどんどん増してきていて痛い。ここ最近は便秘もひどい。それだけ体内のスペースが狭まっているのだ。予定日まであと52日。残り1ヶ月ちょっとでもっともっと大きくなるのか。嬉しい。

バイト先を利用している先輩ママたちが出産の話をしてくれた。予定日の1ヶ月前に何の前触れもなく妊娠高血圧症候群になってそのまま出産したとか、予定日の1週間前に産まれたとか。ひいえええ!「いこちゃん3月までお腹の中にいるんだよ〜」そうやって何度も話かけた。家族みんな3月生まれになる奇跡が楽しみで仕方がないのだ(いこちゃんの予定は私とまくんの誕生日に挟まれていて、3人とも同じ週に誕生日になる可能性あり。ちなみに私とまくんのお母さんは同じ誕生日)。3月生まれは色々不利だと言われているけど、保育園で関わってきた1歳児クラスの3月生まれの子の中には誰よりもお喋りが上手だったり、衣服をひとりで着脱できたりといわゆる“遅れている”と感じることが少なかった。年長になればクルクルと逆上がりを何回転もする3月生まれの子もいるし、大人になれば同じ学年の誰よりも若くいられる。私は3月生まれが好きだ。同じ学年の早く産まれた子たちが外の世界で暮らしてる中、まだお腹の中で体の機能を作りながら成長しているいこちゃん。みんなみんなそれぞれのペースで生きていて最高じゃないか。産まれた後もそれぞれのペースで生きていくのだ。

昨日、近所のスーパーのとある店員さんが私が妊婦だと気付いて買い物カゴをレジまで運んでくれた。今日もスーパーに行くとその店員さんが私に気付いてくれてレジを開放してくれた。そして、お会計を済ませたカゴを袋詰めの場所まで運んでくれたのだ。私にもいこちゃんにも優しくてとてもあったかい気持ちになった。「ありがとうございます」以外の会話は特にしていないけど、いつかいこちゃんのお顔を見せてあげられる日が来ると思うと楽しみだな。スーパーの店員さん側も毎日来るお客さんの日々の変化に気付くと仕事がより楽しくなりそう。


1月13日(月)
朝、たっぷり寝て10時過ぎにゆっくりゆっくり焼きリンゴと昨日の残りの生姜シチューを食べた。脳貧血は起きなかったし、便秘もかなり解消された。ここ数日は外食を控えて時短自炊に取り組んできた。着々と増える私とまくんの共有レシピ。物価高騰、果物野菜高すぎ、自炊もそれなりにいいお値段になってしまうけど、外食続きよりかはまだましかな。今週働いたら無職になるんだ。節約レシピまではいかなくても、好きなものを好きなだけ食べまくる生活は少し見直してもいいかもしれない。腹八分目の心地よさも分かってきたことだし。

そんなことを思いつつも週5でやさしい味の自炊料理を食べた反動でピザが食べたくなった。ピザ屋さんに行き、マルゲリータとクワトロフォルマッジを注文。クワトロフォルマッジは妊娠してから一度も食べていなかったのでかなり久しぶり。ゴルゴンゾーラの癖のある香りとスパイシーさ、ガツンとした塩味とハチミツの甘み……うんまあ。自炊のやさしい味付けもいいけど時々パンチが必要だよね。

帰ってきてから2時間半の昼寝、食べて寝ていこちゃんの成長を促す日々。

夕方まくんとお出かけをしてセールで半額になっていたダウンコートを購入。何にも気にせずお金を使いまくっていた独身時代に比べてかなり物欲をセーブしている。もう一度いまの気持ちを持ったまま大学4年生からやり直したい。この10年の過ごし方が相当変わりそう。でもその結果、まくんといこちゃんに出会えない未来がやってくるならこのままがいいな。

やりたいこと、挑戦してみたいこと、それなりにあるな。だけど優先順位の1番と2番の差がとんでもなく広いのだ。1番はやっぱりいこちゃんとまくんと安心した生活リズムの中で過ごすこと。そこを乱してまでやりたいことを優先する気にはなれない。今は。


1月14日(火)
昨夜、私の仕事のことについてまくんと話をした。そしたらまくんが「さきちゃんが働きたい保育園が都内にしかないなら、来年度都内に引っ越すのもいいんじゃない?」と提案してくれた。身軽に動けるために賃貸暮らしをしているのだからと。最初はいま住んでいるエリアを離れる気にはなれなかったけど、東京都の子育て支援はどんどん良くなっているし、なにより本当に働きたい保育園について調べている時の自分が無性にワクワクしていることに気づいてしまった。正直、いま暮らしているエリアで働きたい保育園はない。というのも私自身がレッジョ・エミリア・アプローチを取り入れている保育園にかなり関心があって、私自身ももっともっと学んで探求できる場所を求めているからだ。そんな思いを抱えながら働きたくない園にお金のためだけに就職したとしたら、また一昨年のように体調をガクンと崩してしまうような気がしてならない。とはいえ、週5の不規則なシフトで通勤に1時間以上かけることも避けたい。平日の睡眠時間2〜5時間の日々だった一昨年、そりゃ自律神経も乱れて毎日めまいと吐き気に襲われますわ。精神やられてなんでもないのに涙も出てきますわ。

仕事も子育ても暮らしもすべて充実させるためには、やっぱり都内に引っ越しの未来……あるかもしれない。そう思い始めると、あ〜この街での暮らし楽しかったな〜という気持ちになってきた。(もう引っ越しする気満々)この街に来てあと数ヶ月で1年が経つ。週末婚の時期も入れたら2年かな。この街に来たことに理由をつけるとするなら、とことん休むためだったのかな。働くことから逃げるようにこのエリアに来て、休める環境で体と心を整え、子も授かり、これからはゆったりと子育てをしながらまた環境を変えて自分の探求したいことを仕事にしていく。お金も稼いでいく。この日記を書きながらどうしたってニヤニヤが抑えられない私がいる。やっぱり欲しいものは全部全部手に入れたいのだ。いこちゃん、母はとてもわがままだ。きっと産まれた後すぐに暮らしの環境を変えるかもしれない。けど、絶対楽しませるからついてきてほしい。

何より、いつも支えてくれて私の考えや思いを肯定して後押ししてくれるまくんにもありがとうの気持ちでいっぱいだ。この家族での暮らしが本当に楽しみでしかたがない。広い海を上下左右に動くようにとっても身軽にどこへでも行けそうな気がしてきた。あ〜このタイミングで占いに行ってみたいな。

もっともっと私にはできることがたくさんあるんだ。私、これからもっともっと幸せになっちゃうんじゃないかな。また新しく何かを手にするために役目を終えた物や場所は手放すぞ。私は次に行きたいんだ〜〜〜!

それにしても休みきるって本当に大事だな。みんな、休みきるってほんとうに大事だそ。


1月15日(水)
小学生中学年の子に「失恋ってなに?」と聞かれた。

「えっと……うん〜……失恋っていうのは、好きな人と同じ気持ちじゃなかったってこと……かな」

「そっか、じゃあ私、失恋したのかな」

「……そうなんだね。だから今日のレッスンあんまり気分乗らないんだね」

「うん、そんな感じ」

「そっかあ」

“失恋”という言葉の意味を聞いてくるその子は“失恋”という言葉が先行している状況の中で、いまの自分の気持ちが何なのかを知ろうとしていたのかもしれない。もう少し「好き」という気持ちに焦点を当てて答えたり、質問してみたらよかったのかもと後になって思う。だって、きっと、失恋って物凄く辛いものだから。とても軽く答えてしまったような気がした。

私の初恋と初失恋は幼稚園の頃だった。当時好きだった子は茶色の髪の毛で色素薄めのイケメン。特に仲良しというわけでもなく、ただ眺めている程度だったけど、バレンタインの日にはその子に渡すためのチョコを用意していた。だけど、バレンタイン当日かわいい女の子達がその子に群がってチョコを渡している光景を見て怖気づいてしまった。無理。私がその子にチョコをあげるなんて恥ずかしいことだと思って動けずにいた。そんな時にたまたま近くにいたぽっちゃりした男の子に「これ、あげる」と用意したチョコを渡した。その子はとっても嬉しそうにチョコをもらってくれた。そして卒園式の頃にその子からもらったクマのクッキー缶がとても可愛くて「さきちゃん、〇〇君のこと好き」と母さんに話しながらその子と手を繋いで歩いていた。ぽっちゃりした子に抱く思いは温かくて安心感があってのびのびした気持ちだったけど、イケメンへ抱く思いは苦しくて切なくて怖くてとにかくどこかへ逃げ出したくなるような辛さがあったような気がする。こどもの心でも色んなことを感じてるんだよな。ただ、ぽっちゃりした男の子への「好き」って気持ちは完全にクッキー缶の可愛さへのトキメキと混同してしまってるのが幼さの極みだな。

成長してからも、すぐに誰かを好きになっては時間の経過と共に「あれ、私、この人のどこが好きなんだっけ?なんで一緒にいるんだろ。別れたい」となるばかりで自分の気持ちをしっかり理解できないまま恋愛をしていた気がする。その頃のことを思い返すと今は随分自分の気持ちが分かるようになってきたような気がする。恋愛以外でもぐわあああっと湧き上がる一時的な感情に自分自身が振り回される事も多々あるけど、それが故の後悔は少なくなってきたし、むしろそのおかげで体験できることが広がって楽しめているのでとてもよい。


1月16日(木)
朝起きて小一時間くらい経った頃、お布団カバーを洗濯しようと思ってぐしゃぐしゃになったお布団を持ち上げた。そこにはまだ私の体温がわずかに残っていてあったかくてもう一度潜り込みそうになった。やっぱり人の体温って一番あったかいよなあ。

部屋が寒ければスクワット!すぐに暖房を付けずにスクワット!暖房付けても冷えるのだから内側から温めるためにスクワット!しばらくスクワットをして体は温まったけれど、すぐに冷えていく。もっと温めるためにカレーを食べに行き、チャイを飲む。目と鼻の下に薄っすら汗、体の内側から温まったような気がしたけどやっぱりすぐに冷える。3人の子を出産した友達に「とにかく体を温めとけ!」と言われたので、カイロや腹巻き、レッグウォーマーを買いに出かけた。ついでに会陰マッサージに役立つと言われている「シンクロフィット(体につける生理用品)」も購入。出産時に会陰が裂けるのはなんとか防ぎたい……。

お風呂上がりに以前購入しておいたカレンデュラオイルをシンクロフィットに馴染ませて会陰パックをしてみたら息苦しさなのか動悸なのか、なんだか調子がおかしくなった。カレンデュラオイルについて調べてみると、キク科のアレルギーがある人は注意が必要とのこと……待てよ、私、ブタクサのアレルギーあったよな。やっちまったよ。カレンデュラオイルアウトやんけ。どうか会陰が荒れませんように……と今更ながら腕の内側でパッチテストをする。皮膚には異常はないけど、なんだこの息苦しさは。

カレンデュラオイル封印。いこちゃんには私のアレルギー体質が遺伝しませんようにと願うばかり。

明日から3連勤、それが終わればバイトを辞めて一旦働くということから離れる。産休も育休もない、無職だ。無職だああああああ!専業主婦って言った方がいいのかな。専業主婦だあああ!最近出産が楽しみになってきた。私はどんなお産をするのかな。念の為遺書とか書いておいた方がいいのかな。とりあえずまくんに手紙を書いておこうかな。

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