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妊娠生活日記 2024年10月1日〜10月9日
10月1日(火)
母の執念、何かに取り憑かれたような頻度で産婦人科の埋まっている予約一覧を眺め、どこかに空きがでないか伺っていたらとうとう今日!今週の金曜日の午前中に空きが一枠出たあああ!速攻予約。子のためならいくらでもしつこくなれてしまう。状況によってはいきすぎないように気をつけなくちゃ。とはいえ、次の健診まで1ヶ月も待たなくて済んだので一気に気持ちが軽くなった。
最近朝起きるのが遅くて朝ごはんを食べなかったり遅くなったりしてしまう。カロリー摂取するためにも早めに起きなきゃと思うのだけれど、寝れるだけ寝ていたい。お昼はしっかり食べるために親子丼かカツ丼の2択をまくんに伝えると食べたかったカツ丼を選んでくれた。先にトマトと小松菜、舞茸、ハナビラタケの味噌汁を作ってから角上にとんかつを2枚買いに行った。美味しそうなブリの切り身を見つけたので余っている大根でブリ大根も作ろう。ついでに米5kgを買い、重い重いと言いながら帰宅。まくんの風邪が早くよくなるといいな。食欲もあるしあともう一息かな。
醤油、みりん、かつお粉と水で玉ねぎを煮てとんかつを2枚並べる。まくんは厚切りとんかつ希望だったのでフライパンがパンパンになる程の迫力だった。溶き卵を入れてちょっと煮て完成。とんかつの脂がぷりぷり、500円以下で完成するおいしすぎるカツ丼しあわへ〜〜〜!
まくんの背中側なら大丈夫かなと数日ぶりに抱きついた。
昼過ぎ5ヶ月ぶりに耳鼻科に行き久しぶりの鼻吸いをしてもらう。鼻吸い好き〜ちょっと痛かったけど好き〜。アレルギー性鼻炎かなということで妊娠中でも飲める内服薬と点鼻薬を処方してもらう。和菓子屋さんであん団子とみたらし団子を1本ずつ買い帰宅。
夜ごはん前に団子2本を食べてしまう。食欲がどんどん増している。作ったぶり大根がおいしすぎて白米をおかわりしてしまった。まくんに「さきちゃんはいつも自分が食べたいものが分かっててすごいね」と言われる。
10月2日(水)
ジップロックに入ったカフェラテの中を泳ぐメダカ。そのカフェラテを飲んだ後、妊娠中なのにとんでもないものを飲んでしまった!と慌てふためく夢を見た。
電車に座れず立っていた。揺れに耐えきれずうなだれているとお腹の中でポコポコ動く感覚。いこちゃんは揺れを楽しんでいるのか?母と同じく辛いのか?乗り換えた後は座れるからあともう少しの辛抱。
バイト中もポコポコいこちゃんの存在を内側から感じて(どうした?どうした?)とお腹を撫でたりタッチしたりする。よく動いていて元気だなあ。また活きのいい魚みたいな動きをしてるのかな。今日で18週になった。トツキトオカアプリの週数アドバイスを読むのが楽しみでならない。そろそろ抱き枕とか骨盤ベルトとか、そういうアイテムを用意しなくちゃな〜〜〜。
お風呂に入る前にエンジェルサウンズでいこちゃんの心音を探したら一昨日とは別の場所に移動していた。いこちゃん……絶対膀胱の真上にいる。少し前から膀胱の圧迫感が増した感じがしたんだよな。日記を書いていたら蹴り上げられるような衝撃を感じて驚いた。愛おしさと同時にさらに成長した後の胎動の激しさを想像してビクビクしている。だけど、ハッピーマタニティライフの真っ只中にいる今、愛おしさの方が爆発してしまっている。まだ産んでもいないのに第2子がほしいとさえ思うくらい。つわり期間の辛さのことなんてすっかり忘れた。忘れられるならまた体験しても問題ない。きっと。
10月3日(木)
朝9時、久しぶりに友達とオンライン雑談をする。“雑談しよう”から始まる場を何度も設けたことがあるが“雑談しよう”から始まる会話はなんだか不自然でちょっとおもろい。
10月4日(金)
3週間ぶりの妊婦健診。いつも流れているオルゴールのBGMと同時に聞こえてくる過呼吸を起こしそうな程の大人の泣き声。昨日お風呂に入りながら観た『コウノトリ』を思い出す。妊婦さんの泣き声は他人事とは思えなくて私も少し泣いてしまった。いこちゃんのポコポコした動きを感じながら呼ばれるのを待つ。いつもより待合室にいる人も多く、皆泣き声を聞きながら待っている。どの人も何食わぬ表情だけど心はバクバクしているんじゃないかと思う。
看護師さんに最近の様子を聞かれる。電車でしばらく立っていたり散歩をしたりすると吐き気や貧血のような立ち眩みが起こると話したところ、血液検査の結果貧血はないので起立性低血圧だと思うと教えてもらった。この先電車通勤の時間帯や乗り換えを工夫しなくちゃな。電車は妊婦であろうが譲ってもらえない前提で乗らないといつか倒れてしまいそう。
エコーに映っているいこちゃんはよく動いていて、とても元気だった。全体的に大きくなっていたし骨もしっかり見えた。顔も以前よりハッキリしていてかわいかった。勝手な予想だけど私に似ているような気がする。順調に育っているとのことで次の健診は3週間後になった。前回の精密検査で取った体組織は子宮頸がんの軽度異形成の一番低い値で引っかかっていた。半年後の産後に再検査をする予定。あまり気にしなくてよさそうだ。
帰る前にベッドのある部屋で骨盤を支えるとこちゃんベルトの試着をさせてもらった。恥骨の上〜足の付け根、お尻を覆うような位置に着けるので思っていたよりも動きずらくトイレに行くたびに取らないといけないのが大変そうだった。正直邪魔だな……と思ったけど骨盤のため後日買うことにする。
この部屋には2つのベッドがあるのだけれど、その一つはカーテンで隠されていた。試着しながら私と看護師さんが話している間、隣のベッドから鼻をすする音が聞こえてきた。そして私がその部屋から出ると泣き声になった。あの場にいたのは、待合室で聞いた泣き声の人かもしれない……。とこちゃんベルトのことを話す私の存在がその方に刺激を与えてしまったかもしれないと思うと居た堪れない気持ちになると同時にコウノトリで聞いた「現実が続いていく」というセリフを思い出した。それぞれの現実が続いている。私の現実はどう続いていくのだろう。
バイト終わり、手首の内側に落とし忘れた黒色の絵の具がべっとりとついている。ぱっと見タトゥーみたいでちょっと強くなった気分。
10月5日(土)
昨夜まくんと交わした早起きして部屋の掃除をする約束。床掃除、洗面台、お風呂場、トイレ。窓と網戸は後日。朝9時に開始したかったけど、夜中の1時前まで互いの衛生観念の違いをまくんと話していたので10時すぎに起きてしまった。私は洗面台とお風呂場の掃除、まくんは床掃除とトイレ掃除。手分けをしてきれいにしながら支度もする。何も食べずに気づけば12時になっていた。すべてが終わったらどっと疲れが出てフラフラしはじめた。やっぱり活動する前に朝ご飯を食べておけばよかった。早く寝て、早く起きればよかった。掃除をしていい気分のままでいたかったのに身体がついてこなくて、今日の天気に引っ張られるように私もどんよりしてきた。
すぐにエネルギーになるパスタをまくんと食べにいく。私がまくんに話しかけてもすぐに終わる会話。まくんから話を振られることはない。このまま永遠に私が黙っていればまくんは何も喋らずこのランチの時間を終えるのかと思うとだんだん腹が立ってきた。今日の夜は地域の花火大会もあるのに。それも楽しみにしているのは私だけな気がしてさらに腹が立ってきた。
帰りにドラッグストアに寄るときからまくんとは距離をおいて歩いた。帰宅後、回していた洗濯物を干してカフェに行く予定だったけど、「どうせ一緒にいても話すことないし、一人でカフェ行ってきていいよ」と言い私はNetflixで『告白』という映画を見始めた。まくんは「急にどうしたの」と言ったが、映画を見始めた私にそれ以上何も言わず書斎で仕事をはじめた。
「殺してやるー」と叫ぶセリフ。お腹の中のいこちゃんの耳をふさぐように手を添えながら観た。90分ほどの映画だったので観終わった後はソファーでふて寝。17時50分に身体を起こして18時からの花火大会をどうしようと考えていたらまくんに「そろそろ花火始まるけど見に行く?」と声をかけられたので無言でロンTを着て「行くか」と部屋を出た。
去年もマンションの共用廊下のふちに寄り添って見た花火。去年はあったかい飲み物を買っていたけど、今年は買わなかったなとか、どんな風に花火を見るとか話したかったのになとか思いながら2人並んだ。
人一人は入れないけど、絶妙に空いた距離。
雨も降っていて寒い。遠くのほうで霞んで見える花火。きれいなのにきれいと言葉に出せない空気。とにかく寒いし。お腹の中ではいこちゃんの動きも感じる。2人で見る花火は今年が最後かなと思うとこんな空気はやめて、話しかけてみようと思った。
「きれい」と言えた。まくんも去年はカフェラテを買っていたことを思い出していた。中高生が花火デートしてるのかなという話もしていて、それ去年も話してたよねと言った。寒いと言ったら背中をさすってくれてぎゅっとしてくれた。気づかれないように泣いた。イライラしていた自分がよく分からなくなってきたし、ようやくいつも通りの距離に戻ってうれしくてよく喋った。
あったかい鍋を食べようかと思ったけどグラタンを食べたくなった。ドリアでもよかった。そうだ、サイゼリア。
花火終わりのサイゼリヤは中高生で溢れていた。ミラノ風ドリア、田舎風ミネストローネ、コーンピザ、辛味チキン。食べたかった味でおいしくておいしくて夢中で食べていたら「いまずっと無言だけど、さきちゃん大丈夫そう?」とまくんが聞いてきた。……おいしくて無言も気にならなかったことに気づいて「昼と夜とでなにが違ったんだろうね、お昼はごめんね」と言ってふたりで笑った。デザートにすこやかにんじんサラダとトリュフアイスを食べながら「ねえねえ、これ食べ終わったら本屋さん散歩しない?」と言ったら「おれも今まったく同じこと言おうとしてた」と言っていたので指輪をカチンと打ち付けて心はひとつの合図を交わした。
まくんがいなくなったなと思ったら育児書コーナーにいた。育児の本の新生児の生活リズムのページを見て「どうなってるの……?」と言うまくん。「“どう話しかければいいか分からない”めっちゃ分かる〜〜〜」と共感するまくん。状況を全部言葉にしてあげればいいんだよとおむつ替えのときの声掛けを具体的に伝えたりした。あまり喋らないまくんの代わりは私がいくらでもできる気がした。夜にはクリスマスジャズのBGMを流しながら日記が書けている。穏やかだ。今日もきっといい1日だった。
10月6日(日)
どうしたって10時に目覚めてしまう。10時に起きたからって、何も悪いことはしていないのに朝の時間を健やかに過ごせていない気がしてならない。だって本当は6時過ぎに起きていて、7時過ぎまでネットサーフィンをしてから二度寝をしてしまったのだから。起きて支度をして朝ごはん作って食べていれば今頃読書でもしていただろうに。
昨日も0時頃までまくんと話をしていた。だけど、昨日の話はとてもよい時間だった。保育園で働いていた頃フリー保育士だった私は急遽0歳児クラスのヘルプに向かい、1歳数ヶ月の子と関わっていた。フォトブックを取り出してきたので、色々な写真を見ながらその子に語りかける。すると、トンボの写真を指差しながら「あーあー」と何かを訴えてくるので「トンボが飛んでるね」「赤とんぼだね」と語りかけるが、その子は首を振りながら泣いてしまう。何でだろうと思っているうちに私は他の職員に呼ばれ食事の補助に入ることになった。しばらくして他職員にトンボの出来事を話すと「あ〜私がトンボの写真見ながら“とんぼのめがね”歌ってたからかも」と話してくれた。私もなるほどな……とんぼのめがねを歌って欲しかったのに一向に歌ってくれなくて怒って泣いていたのかと理解した。
日常の中でとんぼのくだりは些細な出来事に過ぎないけど、いこちゃんとどんな遊びをしたかとか、何をしたら喜んで、何をしたら嫌がっていたかとか互いに些細なことでも伝達し合うことで関わりが深まるし、困った時の関わりの幅も広がっていくと思うと話すと「それはいい話だね。いこちゃんが生まれたら俺も日記みたいな感じでいこちゃんとの時間を記録に残そうかな」と言っていた。いこちゃんのことを中心にまくんとの会話も増えそうで産後のたのしみが一つ増えた。
少し早めのお昼ご飯をまくんと協力して用意する。私が支度をしている間に白菜とはなびらたけの味噌汁作りとベビー小松菜を洗っておくのをお願いした。支度が終わり、私は豚とトマトのごま生姜焼きを作り、まくんは昨日から食べたかったベーコンエッグを作った。手が空けば調理道具を洗ったりしながら、あっという間にお昼の用意ができた。いこちゃんが産まれた後もこうやって協力しながら家のことができたらいいな。
バイト先から連絡があって、在宅の仕事が一旦ストップになった。産後もわずかながら収入があるかもしれないという希望は散った。気まぐれな発言に振り回されて死んだ目になる。
夕方から夜、気持ち悪くふらふら。気圧のせいか、調子悪い。
10月7日(月)
ゆっくりゆっくり目覚める。うっすら昨日から続いていている吐き気は少しばかり落ち着いてきたがお腹が変な感じ。夜ごはんに食べた鍋の鶏肉の火入れが弱かったのか……。
朝ごはんに鍋の残りでおじやを作って食べ、ヨーグルトを食べ、ベッドに潜り込んだ。カーテン越しに見る晴天、私はベッドの中。天気のよい日に部屋でダラダラ過ごすのも贅沢でよい。のんびりしていると、自治体の保健センターから妊娠のその後を確認する電話がかかってきた。とても穏やかに返答し、過去の希死念慮やメンタルクリニックに通っていたことについても聞かれたが「いまは大丈夫、問題ない」と伝えた。ただその話題が出ると少しだけ胸がざわついた。それは伝えなかった。産後に保活と私自身の就職活動が被る時期が慌ただしくなるかもしれないことだけ伝えておいた。人が「大丈夫」と言う時は嘘かホントかは分からない。曖昧なところを泳いでたりもするもんだ。そのまま昼寝をして14時過ぎにようやく支度をはじめた。
今日は日記WS合同哲学対話の幹事お疲れさま会に参加する予定だったが、まくんの会社が企画したプレママパパ、新米ママパパ向けのアカチャンホンポツアーに私も参加させてもらえることになりそちらに参加することにした。
ベビーベッドいる?いらない?抱っこ紐やベビーカーはどのメーカーがオススメ?オムツやおしりふきはメーカーで違いはある?などなど、先輩ママパパからのリアルな意見を聞くことができてとても勉強になった。私は部外者だし、ひっそりと過ごしていたけど本当は元保育士として伝えたいことがいちいち湧いてきてウズウズしてしまったのはここだけの話。まくんの周りに子育てに積極的な先輩ママパパがたくさんいて本当にありがたい。なにより、こういう場を企画してくれる会社の存在がありがたい。
解散後アカチャンホンポでお目当ての抱き枕がちょうどセールで安くなっていたので購入し、100本のスプーンで夜ごはんを食べて帰宅。
子育ての不安よりも楽しみな気持ちの方が高まってきた。トライアンドエラーでたくさんのことを乗り越えていこちゃんのことを知りながら一緒に成長していくんだろうな。あんまり気負わず過ごしていけそうな気がしてきた。そして、まくんが困ったら私に頼ってほしい。私が困ったらまた別の誰かに頼りにいけばいいし、まくんと話し合えばいい。きっと助けてくれる人は自分が思ってるよりもたくさんいるんだと思う。
うっすら吐き気、うっすら軟便、ビオフェルミンを飲んで寝よう。
10月8日(火)
まくんの風邪症状が落ち着いてきたので久しぶりに寝起きにぎゅーっとする。お互いもう起きないといけない時間だけど眠気に負けて互いの寝息を聞きながらしばらく目をつむる。その時間は5分もないくらいなのだけれど、時間が止まったかのように長く長く感じるし、もっともっと続いたらいいのにと思う。
10月9日(水)
「あなたは言語化の世界で傷ついた人。言葉を必要とせず、受容の意思が強く女神のようにその場で見守っている人」バイト先に遊びに来たオーナーの知り合いのヒーラーさんからそう言われた。
私は声を枯らすことが多い。声が出なくなったときに言葉はさほど必要ないなと思うくらい喋らなくていい世界に心地よさを感じることも多々あるが、だいたいは喋りすぎてしまう。「言語化が苦手」とも言われたがそれは当たっている。喋りすぎるが何を言いたいのかはまとまってはいない。だけど色々感じてはいる。
喋りすぎることもあるが、思っていることをあえて言わずノンバーバルコミュニケーションで関わることは度々ある。アイコンタクトやどれくらいの距離感で側で見守るかなど。
言葉で伝える意思と何も言わない意思
ありのままを受け止めようとする意思が強いとのこと。
ヒーラーさんに言われたことを自分に当てはめようと思えば、おもしろいように当てはまるのでこうやって素直に受け止めたり、私はこうなんだって思い込むこともできる。逆に何を言ってるんだあのヒトはと思えばテレビで数分流れる今日の占いのように、その場は楽しんですぐに手放すこともできる。
あああ〜〜〜〜できれば言語化も上手い女神でいたかったなあ!!!私はただのおしゃべりくそ女神なんよ。あえて何も言わないことで面倒なことから身を守ったりもしてるし、他人のことは知ったこっちゃないとかなり強めに境界線引いたりもしているズルい女神なんよ。自分は自分、他人は他人。色んなことを感じとったとしても人のために生きることはとっても難しいのよ。まずは自分、自分を満たしたい女神なんよ。そして私がとんでもなく口うるさい女神だということをあのヒーラーさんは知らない。あとね、私があの場で見守りの姿勢でいる理由は純粋な見守りではなくて、ただただ深入りしたくないからなのよ。いろんなこと見えた気でいないでよね。
いんげんを見るたびに『夫の家庭を壊すまで』の松本まりかの演技を思い出す。大戸屋で注文するライスの量が小から普通に戻った。キンタロー。のオールナイトニッポンおもろ。佐久間さんのモノマネほんますき。