海外観光客から見るエルサルバドル
画像は先日グループ校の教職員向けソーシャルワークで参加したウミガメ放流会の写真。
中米ではウミガメの卵を酒のつまみに食べる人がいたり、
野犬が多い為、食べられてしまったり、
販売目的で乱獲されてしまったりという問題がある。
エルサルバドルにはウミガメの保全を行うNGOがひとつあり、
今回参加したのはそのNGOが行う放流会。
座学が行われたのち、一人一匹子ガメが渡され、海に放す。
孵化した後、一部の子ガメをこういった環境教育のために待たせてしまうのはウミガメにとって諸々の影響が考えられる。(日中の放流のため暑さの影響、体力の消費など)
放流会という形の環境教育は人間のエゴのように思うけど、
環境教育がそもそも少ないこの国でそんな発言をするのは野暮なのかも…。
いろいろ思うことはあったけど、かわいすぎる子ウミガメを目の前にそんな考えが吹き飛んでしまった。
エゴかもしれない。エゴかもしれないけど、
この体験をした人、子供たちはこの日のことを忘れないと思う。
さて、前置きが長くなったが本題。
その放流会の前夜、中南米旅行中のポーランド人に出会った。
ヨーロッパからの旅行客にこの国で出会うのは初めてだった。
そもそも外国人観光客に出会う事が殆どない。
中米諸国を旅してきた彼の話は興味深かった。
他の中米と比べてもエルサルバドルの経済はまだ遅れを取っているようにみえるらしい。
滞在4日程にして貧富の差も他の国に比べて感じるらしい。
中でも印象的だったのは、
「この国の人たちの距離感はまるでヨーロッパだ」という言葉。
私は他の中米の国にはコスタリカにしか行った事がないので
短期間で中米を巡って感じる諸々の違いの話がおもしろかった。
(ただ、お互いスペイン語交じりの片言の英語だったので深い話はできていない)
エルサルバドルで、というと主語が大きいけど
少なくとも私の周りでは、第一印象からいわゆる「ラテンの人」という雰囲気を醸し出す人はあまりいないように思う。
遠慮がちで、個人主義な人が多い。
ただ、親しくなるととても温かみのある人が多い。
日本でのコミュニケーションは、相手の反応を見つつ距離を詰めるような感じだったが、こちらでは多少オーバーなくらい積極的に距離を詰めていった方が関係を築きやすいと感じる。(ここ一年の所感)
相手も外国人を前に、遠慮しているのかもしれない。
そう思うと数日この国に滞在して、他の国と人柄を比べると少し物足りなく感じるのかもしれない。
この違いがなぜかは分からないけど、国民性か、外国人に慣れていないのか…
*
ニカラグア、ホンジュラス、コスタリカ、グアテマラ…
同期隊員のSNSを見てると、中米近隣国は食べ物も街並みもよく似ている。
半年前にコスタリカを訪れた。
名称が異なっているが同じ食べ物であったり、
トルティージャの厚さが違ったり、
同じスペイン語でも単語や発音が違ったり、
2日半の弾丸旅行だったが、そんなささやかな違いが面白かった。
残念ながら現地の人とはあまり交流できなかったので
人の違いまでは分からなかったが。
次の最後の任国外旅行は南米に絞ってしまったが、現地の人との交流を主に中米の同期を訪ね巡る旅というのも面白かったかもしれない。
同じ期間に世界中の途上国に同期がおり、
各地の風土と文化を現地の人目線で知る機会があるということは、
海外協力隊の良さのひとつだなと、2年前は場所も知らなかった諸国が身近になった今思う。
中米を回った外国人観光客の彼の話を聞いて
私も外国人として周辺国に興味が湧いた。
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