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「この国は、すべてが自由」。タイ駐在員だった私がそのままバンコクに移住した理由【バンコク移住者塩谷隼平さんインタビュー】

 こんにちは。海外不動産投資家の宮脇さきと申します。

 私はお茶の水女子大学在学中に仮想通貨を購入し、仮想通貨の運用益で分散投資の一つとして不動産投資をスタートしました。

 21歳で国内投資物件を所有し、本格的に不動産投資の道に進みました。

 国内不動産は合計で3棟18室保有、シェアハウスで利回り30%超えの物件を運営し、その後いくつかの物件を売却し2000万円以上の売却益を出し22歳で世界へと視点を変え、現在はドバイ移住し、個人投資家として資産運用しながら投資家へのアドバイザー活動をしております。

 そのほか海外移住を検討している方へのコンサルティング事業も行っています。 

 今回は「海外移住、実際どうなの?」ということで、日本からバンコクに移住された塩谷隼平さんにインタビューしました。

 塩谷さんは不動産会社GA technologies(以下、GAテクノロジーズ)に就職し、2022年にタイ駐在となります。駐在という期限付きのタイ生活でしたが、塩谷さんは移住を決意します。

 塩谷さんはタイと日本の架け橋になりたいという思いから日系企業のタイ進出をサポートをする会社を設立。代表取締役として第一線で多くの企業のタイでの事業展開を支援しています。

 タイには縁もゆかりもなかったという塩谷さんが、タイでの移住・起業に至る経緯、そしてどのような人がタイでの移住や仕事に向いているのかをお話頂きました。


きっかけは上司の一言

 「タイには一度も行ったことはなく、縁もゆかりもありませんでした」

 塩谷さんはまさか自分がタイに移住することになるとは思ってもいませんでした。

 塩谷さんは5歳からはじめたサッカーで中京大中京高校にスポーツ推薦として入学。大学でもサッカーを続け、体育会のサッカー部で活動をします。

高校時代の塩谷さん

 卒業後に就職したのがGAテクノロジーズです。入社後は主に不動産投資のWEBマーケティングの業務に従事します。そして約2年半が経ったころに転機が訪れます。

「当時マーケティングの役員の方と仲良くしていて週に2回ほど飲みに行っていました。その役員の方が『タイに行ってみないか』と聞いてきたんですよ

 GAテクノロジーズとしてはそれまではタイでのビジネスを展開しておらず、初の試みとなります。その上司の方は『大きなチャンスがある』と塩谷さんにタイ行きを打診します。

 突然の話に驚いた塩谷さんでしたが、約2カ月悩んだ結果タイでの駐在を決意します。そして、まさに塩谷さんにとってはこのタイ行きが人生を変える大きなチャンスとなったのです。

タイでの駐在の日々

 塩谷さんのタイでの生活を語る上で絶対に欠かせない人物がいます。それが令和の虎でおなじみの安藤功一郎さんです。安藤さんは「タイで一番有名な日本人」とも言われる人物でタイで多くの事業を成功させてきました。

 そして、実は塩谷さんが当時勤めていたGAテクノロジーズと安藤さんがタイで手がけた賃貸事業が経営統合したことが、塩谷さんがタイ駐在となるきっかけでした。

 「僕のタイでの仕事は安藤さんのやりたいことを形にすることでした」

 駐在時代、塩谷さんの1日は安藤さんの社長室に出社することからはじまります。そして塩谷さんは自他ともに認める安藤社長の右腕になっていきます。また、プライベートでも連絡を取り合うなど公私ともに信頼関係を築きます。

右から令和の虎で活躍する桑田龍征社長、塩谷さんの恩師である安藤功一郎社長、塩谷さん、林尚弘社長

 独立の意思を伝えた後も、その挑戦を後押ししてくれて今でも良好な関係が続いています。塩谷さんは安藤社長と共同でタイビジネスツアーなどの企画をするなど社長同士としての付き合いへと発展しました。

 ちなみに海外で働く際に気になることのひとつとして言語があります。この点、塩谷さんは駐在した直後は全くタイ語を理解していませんでした。

「僕の場合は、タイに住んでいる日本人、日本にいるタイにいく日本人がターゲットの仕事だったのでタイ語を話せなくても何とかなりました。もちろん勉強もしましたが、半年住んだころから現地の言葉を少しは話せるようになりました」

タイで感じた自由、そして日本について

 塩谷さんはタイの魅力は「フリーダムであること」と話します。そして、このフリーダム、自由が塩谷さんが現地での独立を選択する大きな原動力となっています。

「日本では全員が同じ考えを持っていないといけないという空気を感じていました。その共通の正解から外れてしまうことがなかなかできません。日本ではずっと人に見られているような感覚がありました」

 タイでは18の性別があると言われるほどに多様性がある国です。そしてタイの多様性は性別だけでなくあらゆる価値観や評価に根付いていると塩谷さんは感じています。塩谷さんはタイには日本のような空気や感覚が全くなく、その点に強く惹かれているそうです。

 そしてもう一点、塩谷さんの中で大きかったのがタイ人の日本に対する評価です。

「『お金を持っているのは中国人、ハンサムなのは韓国人、日本人は中途半端』と友人のタイ人から冗談で言われて衝撃を受けました。そして、こういった日本の印象を少なくないタイ人が持っているようです」

 10年以上前であれば日本人はお金を持っているというイメージがありましたが、今では中国の方がその印象が強くなっています。あえて挙げるとしたら、車のTOYOTAやHONDA。日本といってもパッと思い浮かぶイメージがないというタイの方は多いようです。

 しかし、こういった現地での日本の評価が塩谷さんの心に火をつけることになりました。

日本の良さをタイの人にもっと知ってもらいたい、広めたいというのが独立を決意した最大の理由です。そしてタイを知らない日本の人にもタイの魅力を知ってもらいたいです」

気になる現地での生活・賃金面は?

 もちろん塩谷さんがタイへの移住を決めた要因として現地の住みやすさもあります。

「駐在時代は日本円換算で家賃11万円の物件に住んでいました。タイの物件はプール・ジムがついているのが当たり前で時間を有効に使うことができます。また日本の物件よりも広いので伸び伸び暮らせます

駐在員時代に住んでいた物件

 なお駐在時代の給与は約44万円でした。塩谷さんは駐在第一号ということでタイでの社内制度が整っておらず家賃も給与の中から支払うという形となっていました。しかし、家賃を給与から支払った上でも駐在時代に多くの貯金を塩谷さんは作ることができました。お金が貯められた要因のひとつに食費があります。

 「タイ料理であれば1日の食費で1000円もかかりません。ローカルの料理に慣れることができれば食費もほとんどかからないのです」


バンコクで大人気の焼肉屋「おにくとごはん。」

 独立をして塩谷さんは新たな住居に移りました。現在住んでいる物件は駐在時代よりも家賃を抑えた8万円の物件ですが、それでも47平米の広さがあります。また、プールとジムも当然のようについています。

現在住んでいる物件

 家賃・食費の二点においてタイでの生活は日本よりも非常にコストパフォーマンスが高いです。塩谷さんは日本人がタイで働くことで自然と貯金を貯められると考えています。

 「タイの新卒の平均給与が2万バーツ、日本円で8万円くらいです。タイで日本人が働く場合は5万バーツ(約20万円)は最低でも払わなければなりません。この給与はタイ人の部長やマネージャーといった幹部クラスとなり、金銭的な余裕はかなりあります」

 そしてタイでの日本人の仕事は実は非常に豊富であるという現状があります。

 「タイで働きたいという人は求人サイトにたくさん仕事が出ています。エンジニア・営業・工場での仕事は特に充実しています。タイ語が話せない人でもできる仕事もあります。日本と同じ給与でもタイであれば日本よりも良い暮らしができるのでおススメです」

移住に向いている人、向いていない人

 タイで充実した日々を過ごす塩谷さん。では塩谷さんはどういった人が移住に向いていると考えているのでしょうか。

まず何よりもストレスフリーな人です。言葉を覚える努力ができて、現地のことをしっかり理解する心があれば誰でも住めるのではないでしょうか。逆に、言語や環境の違いにストレスを感じてしまう人にとっては移住は難しいかもしれません」

 また、タイ特有のこととしては暑さと交通渋滞の二点を塩谷さんは指摘します。

「タイではタクシー移動よりもバイクタクシーでの移動の方が主となります。そしてタイの道路はまだまだ発展途上で渋滞が発生しやすいです。バイクで渋滞となると暑さはなかなか堪えるものがあります

バンコクの渋滞

 しかし、塩谷さんの視点としては移住する上で懸念すべきことは他にはないとも考えています。

タイは親日で日系の飲食店も多くあります。それに何よりも働いて普通の生活をしているだけでもお金が貯まるということは精神的に大きなゆとりも生まれます。ぜひ多くの人にタイの自由を経験して欲しいと思っています」

 塩谷さんのタイと日本の架け橋になりたいという思い。この思いは、これからも多くの日本人にタイでの素晴らしい時間と経験を提供するきっかけになるのではないでしょうか。

■塩谷隼平さんが代表を務めるJP& Co., Ltd.

マガジン「タイ企業ナビ」

■プロフィール
さき@海外不動産
海外不動産投資家・海外移住コンサルタント
1997年宮崎県生まれ。UAEドバイ在住。お茶の水女子大学在学時に、暗号資産投資で利益を出し、分散投資の一つとして不動産投資をスタート。日本国内に複数の不動産を所有、国外はジョージア、トルコ、UAEに不動産を所有。富裕層向けの海外移住支援も行っています。現在は、個人投資家として資産運用をしながら、富裕層、経営者、投資家への資産コンサルティングのほか、海外移住のアドバイザーとしても活動。チャンネル登録者数6.40万人のYoutubeチャンネル「さきの海外不動産しか勝たん」、「さき@海外不動産オフィシャルサイト」、「さき@海外不動産 X」を運営。