1日3回、同じ書展に足を運んでしまった話
まだ行ったことのないカフェ。
そのカフェのインスタに、なぜか「書展」の写真と紹介が載っていた。
その写真に何となく惹かれて、その「書展」に行ってみた。
1回目
美術展は好きでよく行くけれど、「書展」にはあまり行ったことがなかった。
入るとすぐ、その書展の全ての作品を生み出された、書家の「田中裕子さん」が快活に声をかけてくださった。
作家さんが在中している展示会に行くことは今までにもあったけれど、あまり積極的に声をかけられた記憶はなかった。
多くの作家さんは、控え目に挨拶をして、質問されたら答える。という感じで、基本的には端の方でじっとしているという、受け身な印象だった。
静かに作品を見たい人もいれば、話をたくさん聞きたい人もいるだろうから、どちらが良い悪いということはないと思う。
ただ、こうして積極的に声をかけていただいたことが、私にはかなり新鮮だった。
「質問あればいつでも答えますよ!」と、本当にいつでも答えてくれそうな様子で仰ってくださった田中さん。
私は、「まずは一人でじっくり見てみます。」とお伝えして、一人でじっくり見て回った。
そして、かなり、感動した。
「文字」というもの自体にはよく触れているけれど、その「文字」は多くの場合「楷書体」である。
ということ自体を、すっかり忘れていたことに、気づいた。
本当は「文字」は、色々な形に自由に変形することができる存在で、その形や余白によって、ものすごい表現力を持って、見るものにさまざまな趣を感じさせるものだったのだ。
とにかく私は感動した。
感動して、作品を1周したら、溜まった質問を田中さんにしてみようと思っていた。
1周する間に、お客さんが増えていた。
田中さんは、様々なお客さんとお話をしていて、とても忙しそうだった。
ので、
「(質問はしたかったけど、)まぁ、いいか。」
と思って、書展を後にした。
外に出て、カフェで一息ついたりしながら、「やっぱり質問したかったなぁ。」と思った。
でも、同じ展覧会に1日で2回行くのって、流石にちょっと恥ずかしいというか...
まるで、好きな人に、露骨に「好きバレ」するときみたいな恥じらいが生まれて、流石にためらった。
ためらったけど、やっぱり質問したかったので、ちょっとそわそわしながら、また行った。
2回目
「やっぱり質問したかったので、また来ちゃいました(笑)」と、ちょっと照れながら言うと、田中さんはとても歓迎してくれた。
よく考えたら、作家さんの作品に "好きバレ" しても、作家さんも嬉しいだけだから、今回の好きバレには、良いことしかなかった。
お客さんも丁度落ち着いていたので、たくさん質問をすることができた。
特に印象的だったのは、「額縁」の話だ。
その書展に展示されている額縁は、私が見たことのない形のものばかりで、それでいて、その様々な形の額縁が、作品と合わさることで、本当に素晴らしい"ひとつの作品"になっていると感じた。
「こういう額縁もあるんですね」
と言うと、
「これは全部、そこの額装屋さんが、作品に合わせて作ってくれたんですよ」
と、驚きの返事が返ってきた。
\\すべての額縁が、作品のためのオーダーメイド!!!//
確かに、そのギャラリーの中に、額縁屋さんが併設されていた。
そう考えると、確かに、どれもこれも、素晴らしく作品とフィットし過ぎている額縁で、納得が行った。
私の中で、「額縁という概念」がぶっ壊れた瞬間だった。🤯
(いつか我が子が何かしらの作品を生み出したときには、きっとここで額縁をオーダーしようと決めた。)
他にも、『翔』という字の右側が、『🌀』←こんな感じで書かれていたので、
「自由に文字を変形させているんですね」と思って質問したら、
「草書体では、そういうパターンの『翔』があるんですよ」と言われて、文字への概念もスパークした。🤯
ということで、好きバレを恐れず、2回も書展に行って、本当に良かった!
3回目
大満足で書展を後にした私だった。
が、「写真を撮り忘れた」ということに気付き、数十分後、また書展を訪れることになる。
だって、この感動を記事にするなら、絶対に写真、欲しいもん。
恥ずかしかったけど、写真撮れて良かった。
終わりに
以上、書展体験記でした。
書家の田中裕子さんのインスタはこちら
額縁屋さんは「弘文堂」さんというところで、帯広の六花亭本店の3階にあります。
気になった方はぜひチェックしてみてください。
(この書展は、2023/6/4に終了しました。)
結局、この書展を紹介していたカフェにはまだ行けていないので、近々行ってお礼を言わなきゃ!(笑)
楽しみです☕️