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考えごと

たまに考えることがある。
私が居なくなった世界のこと。

家族のこと。
友人のこと。
親友のこと。
…どうしようもなく好きだった最愛の人。

ほんの少しでも彼らの記憶に遺るかなとか
ほんの少しでも私のことを覚えてくれてるかなとか
別に病んでる訳でもないけれど
そう考える時がある。

そして同様に、わたし一人がいなくても
成り立つ世界のことも知っているのだ。

誰かにとっての
生きる理由にも死にたい理由にも
私は今のところなれていない。

それだけのことだけど
逆にどうしても私じゃなきゃダメだと
私がいないと生きていけないと
そこまで想ってもらえる人間にもなれていない。

仮に恋人がいたとして
その人は着飾って
ほんの少しでも綺麗に見えるようにした私のことが好きで
喉の奥から手が出るくらい
誰かにとっての特別になりたがった
私の姿なんて関係ないのだ。
醜く足掻いたあの当時の私には
ものすごく大切なものがあったのに。

大人になった今では
いかにスマートに異質に思われず
平和にある程度愛されるか。
そうなってしまったのも事実。

それだけの事だし
くだらないことなのかもしれないけれど
この人じゃなきゃダメなんだ
って人をもう見つけられないのかと思うと
ものすごく寂しくなることがある。

異様なまでに死にたいと繰り返す私に
俺のためだけに生きて。
そう言って守り続けてくれていた人は
もう居ないのだから。
お金より仕事より何より
失っちゃいけないものだった。

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