見出し画像

*2-2.【オンライン配信まとめ】オペラ【後編】

この記事は、前編(*2.【オンライン配信まとめ】オーケストラ・ダンス・演劇・歌舞伎・映画)のオペラの章だけを独立させたものです。(読み込み速度が上がるように)
ぜひ前編と合わせて、ご覧ください!またオペラの章を既に読んでいただいた方も、内容を少しブラッシュアップしましたので是非最後までお目通しくださいませ。

まえがき

(前編と同じ内容を再掲します。)

世界中で公開されているコンサートや舞台などのオンラインコンテンツ情報をまとめています。多くが、Covid-19感染拡大の影響を受けて、一定期間限定公開されていたり特別に無料公開されていたりと、特別な配慮で生まれたもので、このような状況下で動いていただいた関係者の皆様には感謝の気持ちを届けたいです。

疫病は様々な面で私たちの生活を蝕んでいますが、その一つの面として文化芸術の催しの中止が挙げられます。回復には時間もかかるでしょうし、一度消えてしまったものが復活するかはわかりません。一鑑賞者として非常に残念なことだと思います。

不安を抱えながら家で過ごす時間が増えた今、たとえ劇場ではなくオンライン上であっても、活動の機会を失った人や作品と出会うことで新しい趣味につながる、あるいは公演が再開されたときに実際に足を運ぶきっかけになるかもしれません。また気持ちも明るくなればと思い、まとめを作って公開しました。

公開してくれている団体・業界・演奏者の方々に対しては、私はいつもオペラやコンサートに救われて生きているので、視聴回数や鑑賞者、趣味とする人、収入が増えて、少しでも恩返しできればなと気持ちを込めて書いています。

勢いよく早口で話すようにどばっと情報をまとめているため、魅力を十分に伝えられているのか不安もありますが、皆さんぜひご活用ください!

【2. オペラ】

2.1 新国立劇場の「巣ごもりシアター」【日本語字幕付】

最初は日本からということで、初台にある国立の劇場から始めます。こちらには立派なオペラパレスがありまして、私もこの数年U25会員としてせっせと通っております。(25歳以下、39歳以下の皆様には割引があります!)

「巣ごもりシアター」5月1日(金)からの配信ラインアップ決定!
新国立劇場からのおしらせ。新国立劇場では、オペラ、バレエ、ダンス、演劇など最高水準の現代舞台芸術を発信し続けます。

こちらのサイト上で毎週一作品ずつ過去のオペラ・バレエ公演映像が公開されます。海外の歌劇場などもオペラ映像を公開していますが、日本語字幕付きのものは結構貴重なんですよね。

以下、公開スケジュールです。
★(終了)モーツァルト作曲『魔笛』(ケントリッジ演出!)2018年10月公演
公開期間:4月10日(金)15:00~17日(金)14:00
★(終了)プッチーニ『トゥーランドット』(前衛的)2019年7月公演
公開期間:4月17日(金)15:00~4月24日(金)14:00 
★チャイコフスキー『エウゲニ・オネーギン』
公開期間:4月24日(金)15:00~5月1日(金)14:00 

※5/1からはバレエ映像が公開されます。

特に魔笛とトゥーランドットは、聴かせどころがわかりやすく凄いので、オペラが初めてという方にも大変オススメな演目でした。このケントリッジ演出公演を私も一昨年鑑賞しましたが、動画では舞台の細部まで見えるので印象が変わります。

ちなみにちなみに、この新国立劇場の巣ごもりですが「おうちで戯曲」プログラムも始められました。演劇の章をご参照下さい。

2.2 メトロポリタン歌劇場 オペラ公演ストリーミング【MET!】

さすがメト、圧巻のアーカイブ量です。毎日一本を無料でストリーミング公開しており、20時間視聴可能。英語のプログラムや関連インタビュー映像はずっと見れます。

もともとメトはライブビューイング上演を世界中で行っていて、日本でも毎年映画館で鑑賞できます。あまり知られていないようなのですが、なかなかチケット代金も高くて敷居の高さの否めないオペラ(特に海外引っ越し公演)も、これならチケットも映画2本分くらいとお値打ちです。

4/27から始まる週でもう7週目、これから5/1には《アイーダ》が公開されます。時差にお気をつけて、お目当ての演目をぜひご覧ください。

この先しばらく、イタリアの歌劇場が続きます!緊急時の特設である場合は特に、英語ページすらないのですが、使い方を説明しつつ紹介します。ぜひ覗いてみてください。

2.3 ラ・フェニーチェ劇場 【Io resto a casa 】

ヴェネツィアのテアトロ・ラ・フェニーチェでは「Io resto a casa」というプレイリストに幾つものオペラ公演映像を公開しています。

ここで豆知識。「文化芸術の国」イタリアの芸術コンテンツを楽しむには、 #ioresotoacasa  が合言葉です。youtubeでも検索できます。「私は家にいます」という意味で「#stayhome」のように最近使われています。

ぱっと見たところ、このチャンネルで公開されているものについてはフランス語(常時あり)とイタリア語の字幕(自動生成・原語がイタリア語でなければ付いている)しかなさそうですが、ラインナップは有名演目揃いです。あらすじを読んでから望めば、目と耳でじっくりお楽しみいただけそう。

2.4 ローマ歌劇場【サイトの見方説明します】

ローマ歌劇場も頑張っています。昨年1年分の公演を公開中です。では見方・探し方を説明します。

上のリンクから、ローマ歌劇場公式サイト内のTeatro Digitaleというページに飛びます。

カラフルな画像が並んでおり、黒の大文字で演目名が書かれています。デジタル劇場(Teatro Digitale)と画像の右下についているもの全て、全編が公開されています。

例えば左上の「TOSCA」(プッチーニの『トスカ』ですね、ローマが舞台です)を選択すると、下のようなページが出てくるので、上の方にある赤い長方形(Guarda il video completo)をクリック。映像へと飛びます。

ちなみにイタリア語のヒアリング練習したい方向けの情報として、タイトルにLezione di Operaとついているものについては、公演ではなく指揮者による解説音声が聴けますのでぜひに。普段からこんなに長時間の説明音声を公開していたとは、私は知りませんでした。勉強のために聴いてみようと思います。

2.5 スカラ座(ミラノ)【バーチャルツアー付き】

ミラノのスカラ座といえば、オペラの劇場の名前を挙げるならトップ5には入るであろう名門劇場ですよね。

(アクセント付きuが文字化けしていますが怪しいサイトではないです!)

下記リンクから、イタリアの公共放送局RaiのRaiplayというプラットフォーム上で30本程度の公演を公開しています。期間限定です。

では、使い方です。リンク先のRaiPlayのページに飛んでください。

右上の虫眼鏡マークをクリックすると、単語検索ができるので「scala」と入力して検索開始します。

すると、下記の通り40以上の視聴可能プログラムが出てきます。全部無料ですよ。

例えば、今回右上に見えるドン・キホーテ(Don Chisciotte)をクリックしてみます。

そうすると再生ページに繋がりますので…「Riproduci」をクリックすれば第一幕から再生が始まります。幕ごとに動画が切れているので、下の方で幕ごとに動画を選択できます。

以上です!

またスカラ座の公式サイトから、劇場内のバーチャルツアーリンク)もできます。こちらは英語に切り替えられて、劇場をスライスして部分ごとに構造を知ることができます。ステージって実は本当に氷山の一角にしかすぎなくて、周りの構造がかなり複雑に絡んで機能しているんだなとわかります。

2.6 サン・カルロ劇場(ナポリ)【バレエ公演も公開中】

そろそろ飽きてきたでしょうか。まだまだイタリアには名門歌劇場が沢山ありますからね。

続きましてナポリを代表する歌劇場では、Youtube の劇場チャンネルから定期的に動画をアップロードしています。Facebook(#stageathome)や公式サイトからも幾つかたどり着けるのですが、Youtube 公式チャンネルから探すのが一番簡単だと思うのでリンクを埋め込みます。

ちなみに、オペラだけでなくバレエ公演も公開していて、チェネレントラ(ストーリーはシンデレラ)を発見しました。

**

2.7 トリノ王立歌劇場【 **#operaonthesofa** 】**

しかし本当にイタリアはオペラの聖地ですね。各地に拠点となる劇場があります。

このトリノの劇場では公式サイト(英語ページあり!)から「#operaonthesofa」をキーワードにオペラ公演を公開中です。

公開されている演目は「セビリアの理髪師」「ナブッコ」「秘密の結婚」「Violanta」「ファウスト」など。

2.8 パレルモ・マッシモ歌劇場【毎日更新】

シチリア島です。公式サイト上にPalermo.TVというウェブテレビチャンネルを立ち上げて、オペラ映像を公開しています。

4/11-13までは「グラン・フィナーレ」ということで名作曲家たちの最後の作品を抜粋したもの、4/14は「ノルマ」4/15は「ウィリアム・テル」を放映していました。

日替わりメニューとなると、今日は何やってるのかな?と見に行きたくなりそうです。4/30は、マーラーの5番です!

2.9 マッシモ・ベッリーニ劇場(ナポリ)

公式サイトによれば、今聴けるものには「ベアトリーチェのテンダ」「仮面舞踏会」「ベートーヴェンの交響曲第五番【運命】」「ノルマ」があるようです。

Youtubeチャンネルから複数の公演を視聴可能です。劇場の名前は作曲家ベッリーニから来ていて、3/19に公開された「ノルマ」は彼の代表作です。この記事からもあちこちの劇場で演じられていることがわかります。公演映像が公開されている間に「ノルマ」の聞き比べができそうですね(贅沢…)

…はい。このペースで紹介していると日が暮れることがわかりました。

最後に、もう2つオペラ枠から紹介させてください。

2.10 アンドレア・ボチェッリの復活祭コンサート【祈り】

アンドレア・ボチェッリというテノール歌手をご存知ですか。昨年日本でも映画も公開されていました。

12日、復活祭の日曜にミラノのドゥオーモ大聖堂でソロコンサート(無観客)が開かれYoutubeでライブ公開されました。曲目はグノーのアヴェマリア、パニス・アンジェリクスなど著名な聖歌やアメージング・グレース。聴いているとミサで祈るような気分になります。

20分強の短めの映像です。冒頭映し出される人通りのない街並みが寂しいですね。

この歌手については、Sacred Ariasというアルバム(1999)が個人的なお気に入り(三大アヴェマリアも入っています)で、上記ソロコンサートと曲目が重なっているので、Youtubeの後はそちらもどうぞ。Amazon Prime会員であればPrime Musicに入っています。

2.11 ロイヤル・オペラ・ハウス【ロンドン三大舞台芸術劇場その1】

ロイヤル・オペラ・ハウスといえば、ロンドンのコヴェント・ガーデンにありますオペラもバレエも屈指の名門の歌劇場です。個人的にこのロゴが好きです。

さて、ROHではYoutubeチャンネル上でオペラ、バレエ公演を配信しています。タグは#OurHouseToYourHouseです。ROHのHouseとかけて、ROHからあなたのおうちへということなんでしょうね。

既にオペラ《コジ・ファン・トゥッテ》や《アシスとガラテア》などが公開されています。

では、公開スケジュールですが、毎週日本時間の㈯明け方4時開始です。これは現時点で無期限公開のようです。

4/18 バレエ《変身》The Metamorphosis, The Royal Ballet, 2013 – 17 April 2020, 7pm BST (←カフカの『変身』が基になった作品)
4/25 オペラ《グロリアーナ》Gloriana, The Royal Opera, 2013 – 24 April 2020, 7pm BST

5/2 バレエ《冬物語》The Winter’s Tale, The Royal Ballet, 2014 – 1 May 2020, 7pm BST

ちなみに、marquee.tvというメディア上でもROHの他の公演が見れます。前編記事のバレエ章で説明している通りです!

以上、いかがでしたか。地域的に偏りはありますが、これだけの劇場がオンラインコンテンツを配信している今は本当に貴重な機会です。もっと多くの方に知っていただきたいなと思い、実は一度記事を消してしまう(前編から移行中に誤って保存せずにページ移動する)失敗をしましたが、絶対にこの記事をなくしたくなくて…なんとか再度立ち上げました。。
元々noteには主に美術について書いてきましたが、新しくオペラについて書くマガジンも並走させようかと思っています。よければまた読みに来てください。

ヘッダーはこちらの画像を使用しました。クレジット:Photo by Vlah Dumitru on Unsplashfont

いいなと思ったら応援しよう!

art_saki
最後までのお付き合い、ありがとうございます!

この記事が参加している募集