月の正体
月は水のナチュラル・ルーラーであり、水のエレメントのカーディナル・サイン巨蟹宮を支配します。
巨蟹宮で木星は昂揚(イグザルテーション, Exaltation)の品位を獲得します。
その他の水のエレメントである天蠍宮や双魚宮を含めて豊穣なサインとされることに加えて、巨蟹宮には木星の”多産”の要素が考慮されます。
昂揚(イグザルテーション)とは、ルーラーシップ(支配星)と同等あるいは場合によって、より強力な影響力を発揮する状態のことです。
昂揚(イグザルテーション)の反対は失墜(フォール, Fall)で、オポジション(180°対極)の関係にあるサインと相互に対応します。
巨蟹宮と磨羯宮はオポジションの関係にあり、巨蟹宮で昂揚する木星は磨羯宮で失墜し、磨羯宮で高揚する火星は巨蟹宮で失墜します。
2018年に出版した『タイムライン・ターミナル』では、土星によって定められた境界線内に太陽の光を受け止め映し出すモニターとして、月は現象化の装置として機能していることを説明しました。
月は本来無垢なものです。
しかし人間は、肉体を伴う生命活動において、土星による制限範囲内しか認識できず、その虚構にリアリティを見出すことで映し出される影を自分と思い込まされ、寿命が尽きるまでその影に生命エネルギーを注ぎます。
なので、月そのものからエネルギーが発生しているわけではないのです。仕組みによってそのように機能しているというだけです。
つい昨日、マドモアゼル愛氏のYouTubeチャンネルで、月の機能について言及しているのを発見し、以前から月についてそのような考察をなさっていたということを知りました。
月のこの作用について、認識を制限するシステムとして、ディヴィッド・アイク氏は『ムーンマトリックス』で、月と土星との関係について解説しています。
おそらく同じソースにアクセスしているのだと思いますが、マドモアゼル愛氏は月についてのみ述べ、土星については触れていません。
土星の存在がなければ月はそのように機能しないので、ディヴィッド・アイク氏はその点抜かりなく土星について言及しています。
さらに筆者は月と土星だけでなく、太陽と天王星が、相互にオポジションの関係にあり、月と太陽というチャート上で特別な地位を与えられたルミナリーズと呼ばれる2つの天体を、前者は反射の光、後者は放射の光として、その違いについて述べています。
特に強調したいことは、月や土星自体はただの機能に過ぎず、その機能を扱う主体次第で、悪用できてしまうということです。
そして、その機能を使うことができる一握りの存在が、その他大多数を、そのことを知らずに生きるように仕向けることによって、富と権力の極端な偏在を発生させているということです。
いくら月を悪者にしても、土星について言及しないのなら、ずっと同じところをぐるぐると回り続けるシステムから脱出できません。
土星が構築している基盤によって、月はそのように機能しているということなので、月がなくなれば、あるいは、土星がなくなれば問題が解決するというわけではないのです。
仮に月や土星がなくなったとしても、他の天体が同様の機能をするだけです。
ただそのように機能していると知ることが重要であり、認識の制限を外すことで、月は土星の境界線を超えて、太陽の光を拡散させます。
本来ニュートラルな水である月に、土星が作用することで、海は塩辛く苦くなりました。
月から土星の要素を取り除くことで、水はニュートラルな状態に戻ります。
それには、土星の設定を変更しなければいけません。
まずは、黄道十二宮が不自然で不完全なものであると認めることです。
物理学者パウリは、ユングとの交信によって、そのことに気づきました。
西洋占星術は、第二次世界大戦後の3S政策の一環として、マスマディアを使って身近なイメージ展開を採用することで市場を獲得しました。それを知らずに長年研究している方々は、養分にされています。
土星=マインドです。
黄道十二宮は、マインドにかけられた呪詛です。
それは、6のサイクルによって構築されています。
この土星のメカニズムを知ることで、呪詛は解かれます。
土星は恐怖を司りますが、恐怖は反応です。その恐怖を実体のあるものとして認識するとき、現象化の装置としての月が機能しています。
しかし、その恐怖に覆われた実体は、愛です。
恐怖を避けず、まっすぐに飛び込むことで、その実体が愛であることが明らかになります。
それが、真我との合一です。
そのとき、月は無垢な状態を取り戻すことができます。
月や土星を悪者にしたところで、この錬金術的プロセスを避けて通ることはできません。誰かがやればいいというものではなく、一人一人が、それぞれの状況で実践しなければなりません。
目の前にある恐怖から目を逸らし逃げる口実として、月と土星の作用について、いろいろな人がいろいろな方法で語ります。当人は無自覚ですが、認識パターンの表現と反応が人間の精神活動であり、すべて月と土星によって構築された回転木馬の上で展開されています。
人々は、それが文化的な営みだと思わされて人生を送ります。その結果、宗教や教育を筆頭として、世界に取り返しのつかない混沌を発生させています。
ただ、この仕組みを知り、”目覚めた”としても、不眠不休で高速回転している木馬から降りることができないのなら、知らないほうがよかったということになります。
回転木馬に乗っている私を自分だと思い込まされていることはフェイク=影であって、回転させているのが本当の私であると、いくら言い聞かせても、虚しい掛け声に過ぎないからです。
なぜならこの回転は、人類全体が共有する想念形態をエネルギー源にしているからです。
そこで、曜日なわけです。
その起源は古代バビロニアに遡り、1日24時間、一年二十四節気などの時間の指標となる6のサイクルに基づく黄道十二宮とは異なる無限循環の体系が曜日であり、それは7のサイクルで構築されています。
曜日は遥か遠い昔から広く世界中で採用されている共通認識です。
太陽系の天体配列によって構築されている曜日の無限循環構造の仕組みについて、それがどのようなメカニズムによって機能しているのかを把握することで、この回転の中心に意識をフォーカスし、中心から全体へと広げていき、虚構にリアリティを注ぐことで作り出された影(=フェイクの私)を一掃するということです。
そのために、曜日ピボット®として提唱し、カルデアンかるたや惑星かるたを使ったワークショップを実施するに至ったのです。