無限を統御する永続のメカニズム

宇宙の中心へと瞬時に到達できる経路は、一人一人の内側に備えられています。
しかし、その経路を閉ざされたまま生きている場合がほとんどです。

なぜかというと、このデミウルゴスの運営する世界に生まれ落ちた者は例外なく、その経路を間違った方向に使うことで対価を得る仕組みの中で生かされているからです。

間違った方向とは、本来の用途ではないことに使うということです。
一人一人に用意されている専用の経路を、知らないところで利用されているということです。

宇宙の中心へと到達する経路は、その人専用の乗り物なのです。
この世界に生まれてきたときに、その乗り物の鍵を預けるのはその人自身ですが、それを忘れて、この世界で生きています。
預けた鍵は、知らずに共有されています。

デミウルゴスの世界によって生み出された意識は、この乗り物の鍵によって、宇宙の中心からエネルギーを得ます。
この意識は、宇宙の中心へ行くことはできません。デミウルゴスの世界の外へ出ると消滅してしまうからです。

だから、本来は宇宙の中心へと到達するためにある経路を、宇宙の中心からのエネルギーをデミウルゴスの世界にもたらす経路として使っているのです。

その経路の鍵を預けている間は、その人専用の経路はそのように使われ続けます。
やがてタイムリミットが訪れると立ち去るように告げられ鍵が返却されます。
そのときにデミウルゴスの世界を継続させるための養分にされていたことがわかるのです。

デミウルゴスの世界、私たちが「現実」と呼んでいる世界、「通常」の意識で生きている世界は、継続させるための養分を必要とします。

宇宙の中心とは、無限を統御する場であり、その永続のメカニズムは、境界線のない秩序として、根源的生命エネルギーの変幻自在の活動を支えています。

継続させる必要はなく、永続してしまうものなのです。
そこへと到達する経路を内側に備えた者が、デミウルゴスの世界では、継続させるための養分としてその経路を利用されています。

その人専用の経路をいかにして転用するのかというと、預けた鍵によって、宇宙の中心へと到達するエネルギーは抑圧され、一定の方向性を帯びるようになります。

鍵を預けたことを忘れていても、その人は心臓が動き続ける限り、鍵を探し続けます。鍵を探しているとは思っていない場合がほとんどですが、どこでなにをしていようと、すべては鍵を探す意識が根底にあります。

鍵がないから宇宙の中心へと到達できない、ということが、鍵を預けたことから生じる抑圧感の正体です。

宇宙の中心へと到達することが、別の行動や目的に置き換えられると、抑圧によって方向付けされたエネルギーは、その対象へと向かいます。

それがデミウルゴスの世界を継続させる養分となります。

この養分を分配するためのルールを決定するのが法あるいは慣習であり、その定められた適用範囲として共同体というものがあり、そのノウハウは、共同体独自のリソースを形成します。

したがって、共同体の長は、デミウルゴスの代理人として振舞います。

鍵のことをすっかり忘れていても、意識の根底で鍵を探し続けてしまうということ。

そしてそのエネルギーは、鍵を取り戻すことではなく、方向を操作され、養分として利用されるということ。

タイムリミットまで鍵は返却されないということ。

この世界に生まれてきた目的をつかむことができたとき、鍵を取り戻すことができます。

それは、この世界で初めて、その人にしかできないことをすることです。

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