私は、「自分で選ぶことができる。その権利も力も持っている」に立ちたい。
先日、友人にキャリアカウンセリングをしてもらったのだけど、その体験がとてもよかったので、ここで書き残しておきたいと思う。
実は私は、相談をすることが苦手だ。何をどこまで話していいかわからなくなってしまう。普段聞き役でいることが多いので、いざ話し手になると「話しすぎてしまってないかな…」「相手の時間を奪ってしまってないかな…」と気になってきてソワソワする。
ただ、何か困ったことや悩んでいることがあるときに一人で抱えていると、自分の中でネガティブにあれこれ考えすぎてしまって動けなくなり、よくないなーと経験上わかっているので、相談乗るよーという友人の申し出にありがたく応じて話を聞いてもらうことにした。
結果的にすごく充実した時間を過ごすことができて、いろんな気づきがあったのだが、その中でも特にハッとしたのは「自分は選ぶことができる。その権利も力も持っている」というところに立ちたい、ということだった。
◆「自分には何もできない。そんな力はない。」と思ってきた
以前noteにも書いたのだが、私は長らく「自分には何もできない」と思ってきたように思う。
幼少期の私は自由奔放な性格で、よく家族や周りの大人を振り回していた。その結果いろんな場面で怒られることが多く、いつしか常に親の顔色を伺うようになった。
私が何気なくしたことや言ったことが誰かを傷つける。父親に怒られたり母親が不機嫌になる。そして両親の仲が険悪になる。ということを繰り返していくうちに、「自分さえ我慢すれば波風を立てなくて済むんだ」と思うようになっていった。
ところで私はアイドル、とりわけ坂道シリーズが好きなのだが、この私の心境をよく表した歌詞があるので紹介してみたい。
一人でいるのが一番楽だった
誰かと一緒にいると僕は僕じゃない
小さい頃からブランコが好きで
シーソーに乗っているときは
ただ相手に合わせた
(中略)
りんごを剥く時 母親の指先が
滑って切ってしまいそうで 嫌いと嘘ついた
何も欲しいと言わなければ 永遠に傷つかずに済む
僕は何回か そのかさぶたを見て学んだ 望まない
(乃木坂46/今、話したい誰かがいる)
もともと不仲な両親が私の言動が引き起こしたことでさらに険悪になる。どっちかに肩入れするともう一方が不機嫌になる。それを見るのが嫌だった。
そうしているうちに、私は幼少期あんなに強かった我を抑え(周りからは抑えきれなかったように見えてるかもしれないが笑)おとなしく、自分の殻にこもるようになっていった。
そんなふうに過ごしているとだんだんと「自分が何をしたいのか」がわからなくなっていき、自分でどうしたいか、どうするのか選択することができなくなった。
大学生になってからは特に大変だった。実家にいるときは判断を親に仰げばよかったが、一人暮らしをしているとそうはいかないし、高校までと比べて自己裁量も増える。
何の授業を受講するか。お昼ごはんはどこで食べるのか。授業終わりに友達と遊びに行くのか。いま何を食べたいのか。生活用品は何が必要でどう調達するのか・・・ひとつひとつを自分で選ばないかいけないことがとても難しかった。
当然、自分で決める/選ぶことをしばらくやってきてない私は、人に合わせてしまい、我慢することでストレスが溜まったり、人間関係をうまく築くことも苦労した。
◆「ファシリテーション」に救われた
このnoteに書いたが、大学に入ってファシリテーションと出会い、私は救われた。
以前、友人と話していたときに「さきちゃんにとって、ファシリテーションの定義ってなに?」と聞かれてこう答えた。
「気持ちよくホンネが出せるか?
安心安全でいられるか?そのための工夫。」
我ながら、いま振り返っても自分の大切にしていることをうまく表せてるなぁと思う。
でも、今回のキャリアカウンセリングで、この定義の"その先"に気づくことができた。私流の「ファシリテーション」に込めた意図、それが実現された先に願っているのは、冒頭に挙げた、
「自分は選ぶことができる。その権利も力も持っている。」
ということなんだろうと思う。言い換えると、「エンパワー」だ。
そうなのだ、私はエンパワーする/されることを大切にしたいのだ。
育ってくる中で、自分は力を奪われてきたのだと思う。周囲の顔色を伺ううちに自分のニーズよりも他者のニーズを優先してきた。
(まぁといっても他者を否定したいわけではなく、他者を優先したのもその方が「秩序」や「心の平安」のニーズを満たせると考えたからだとは思う)
そんな私が現在仕事であったり、収入であったり、暮らす場所であったり。将来への不安に苛まれている現状をなんとかしたい!と藁にもすがる思いで手を伸ばしたキャリアカウンセリング。
最初は、「何を期待してカウンセリングをリクエストしたのか?」問われてもうまく言葉にならなかったが、話していくうちに気づけたのが「エンパワー」というキーワードだった。
「自分で選ぶことができる」というところに立ちたい。けれど、まだ私一人では難しいから、サポートがほしい。
そんなことをこのカウンセリングに期待していたんだなと気づけた。
あーーーーーそれだ!!!これまでいろんな人に相談したいと思いながらできなかったこと、助けてほしいと願いながらどうしていいかわからないで立ち尽くしていたことがわかった瞬間だった。
素敵な機会が巡ってきて嬉しいね。ありがとう。