サボテン

私のしょうもない人生談だが
とてもとても好きだった女性を亡くしている。

実は中学生の時に決めていたことがあり、必ずプロポーズの時には
サボテンを贈ろうと決めていた。
記憶のどこにそれを決めてしまう何かがあったか定かではないが、
中二病を患った僕は「枯れない愛」という花言葉に惹かれた。

そもそも、その花言葉が正しいのかさえ定かでは無かったが
婚約指輪なんかよりも素敵で
なんだか中学生の僕には美しいことに思えた。

枯れない花の代名詞のサボテンだったが
そもそも植物全般は水を与えすぎると枯れてしまうことを知ったのは
高校生になる頃だったような気がする。
それが過剰な愛はその恋そのものを枯らしてしまうような気がしたのは
若いなりに恋愛というものを本能的に理解していたのかもしれないと
今になって思う。

こんなロマンチストのようなことを書いているがロクな人生を歩んでいない。
そもそも初恋の女性が死んでいたことを知ったのは彼女が無くなって数年たってからだ。
知らなかった理由はたくさんある。
まず地元の友人との交友関係が少ないこと。
そもそもその相手は結婚して、私の密かな気持ちなど存外であった。
交友関係が少ないことは私が若気の至りに没頭していたのかを書き記さなければいけなくなるので、想像の範囲に収めてほしい。

愛は花にとっての水に置き換えられた。
愛を与えすぎればその恋は枯れてしまうのだ。
私のような若輩者にもその経験はある。
子に対する愛情も、恋人に対する愛情も
適度が一番良いということが言いたかったのだが、
その適度がわかればきっと誰も失敗などせずに上手く歩んでいくんだろう。

なんて、しょうもないことを私は泣き活中に思って書いてみた次第だ。

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