日本酒:蔵之介さんいらっしゃいますか?(佐々木酒造)
京都の知り合いと日本酒の話をしているなかで、京都で「洛中の酒は佐々木酒造しかない!」と言う方がいると言っていました。
佐々木酒造、こちら俳優佐々木蔵之介さんのご実家です。佐々木酒造は創業明治26年。当時は洛中に131軒の蔵元があったそうですが、家内工業的であったことから現在では佐々木酒造さんのみになってしまったそうです。
佐々木蔵之介さんはお名前からも、佐々木酒造を継ぐ予定であったそうですが、ご存じの通り名優としての道に進まれ、弟さんが切り盛りされてます。
東京では売っているお店がかなり限定され、飲めないままになってしまっていましたが、ついに、知り合いからの後押しもあり、売っている酒屋さんを探し、、、
飲んでびっくり!私の持っていた京都のお酒の概念が覆されました。
今まで京都のお酒=伏見。まろやかでふわっとまさに京美人という味わいを感じていました。東女・がさつな江戸っ子の私からするとなんとも優しすぎて、せなかむずむずしちゃう、、けどこんなはんなり・ふんわりにって密に憧れちゃうなという雰囲気の味わいのあるお酒。それが京都のお酒というイメージでした。
でも今日で京都のお酒の印象が変わりました。
まず、純米吟醸「聚楽第」。口に含んだまろやかさは他の京都のお酒同様なのですが、力強さが全然違います。ただ「男酒」と言われる兵庫のお酒のような力強さというわけではなくいわゆる「女酒」のたおやかに、しなやかに、寄り添い寄りかかるやわらかさに、意思がプラスされた強さというのでしょうか。
お次は「まるたけえびす」こちらは本醸造です。アルコールを添加している分、よりお酒のうまみに安定感、腰が据わったしっかりした味わいを感じます。「聚楽第」よりしっかりした感じがあるからか、おつまみが欲しくなります。焼き鳥が食べたい。。。お燗も合いそうです。
「まるたけえびす」は京都の子供たちが地名を覚えるための歌の一説です。
まるたけえびすに おしおいけ(丸竹夷二 押御池) あねさんろっかく たこにしき(姉三 六角 蛸錦) しあやぶったか まつまんごじょう(四綾 仏高 松万五条) せったちゃらちゃら うおのたな(雪駄 ちゃらちゃら 魚の棚) ろくじょうさんてつ とおりすぎ(六条 三哲 通りすぎ) ひっちょうこえれば はっくじょう(七条 越えれば 八九条) じゅうじょうとうじで とどめさす(条東寺で とどめさす)
地元に寄り添う蔵元 佐々木酒造
私の京都のお酒のイメージを変えてくれ、どうしてこうも伏見と味わいが違うのかな、お水かな・・・・伏流水の謎を追え!というミッションを新たにくれた佐々木酒造
佐々木蔵之介さんを観る目も変わってしまいそうです(いい迷惑)
ちなみに銘柄「聚楽第」の名前は、豊臣秀吉の邸宅「聚楽第」からきており、佐々木酒造の北側に合ったそうでこちらから命名されたと思われます。
NHK大河ドラマの「麒麟がくる」で佐々木蔵之介さんが秀吉役をされたのはなんだかとても不思議なつながり、ご縁を感じました。
実家に由来のある人物を演じれるということは佐々木蔵之介さんもご家族・地元の皆さんにとっても非常に誇らしいことだったのだろうなぁ、、、しかし、京都はおもしろい土地だなぁ、、とお酒をいただきながらしみじみ思いました。
次京都に行くときはまた楽しみが増えました。課題山積みです