ウイスキー好きが踏み込んだ場所 〜考察〜
日本って世界五大ウイスキーに含まれるほど、世界に誇れるウイスキーを生み出しているんですが、あまり注目を浴びないですよね。もっとたくさんの人にウイスキーを飲んで欲しいです、、、
こんにちは、酒人です。m(_ _)m
さて、今回で三つ目の投稿となります。
前回、前々回を読んでない方はこちらからどうぞ。
ぶっちゃけ、1に関しては飛ばしてもらって大丈夫です。
▼ウイスキー好きが踏み込んだ場所 〜はじめに〜
https://note.com/saketo0920/n/n8e4dcdeeadb9
▼ウイスキー好きが踏み込んだ場所 〜試飲実験〜
https://note.com/saketo0920/n/nb790efcd4621
3回目のこのページでは、実験を行って何故そのように感じたのかを考えていきたいと思います。
何度か言っていますが、完全なる主観となるので文句は言わせません。
考察は味の感じ方、香り方に分けて触れていきます。
考察
味の感じ方
なんで?
全5回の実験を終え、結論としてはグラスによって香り方が違うことがわかりましたが、味の変化を感じ取ることはできませんでした。
では、何故そのような結果になったのかを考察していきたいと思います。
まず、味の変化が感じられず、思い当たるのは
・実験工程の多さから香りか味のどちらかに着目してしまった。
・味の変化を受け取りにくい体質
・温度と味覚の関係性
以上の三つが理由として考えられたので一つずつ考えていきましょう。
case1 実験工程による物
1つ目の実験工程の多さが原因と考えるのは10分間の間で香り、味、水温、湿度を測るという工程を5回行ったことで、私自身が感じやすい方の変化を強く感じてしまったことが考えられます。
改善点を上げるとするならば、水温は常温保存しているため部屋の温度と同じということに早く気づけたら良かったことです。
一つでも手順を省けたら、味にも着目する余裕ができたのかなぁ、と思います。
case2 体質
2つ目の体質が原因というのは「味覚受容体」が関係していると考えました。
味覚受容体とは、接触した化学物質を検出するための受容体で、1999年に、味細胞に発現する7回膜貫通型のGタンパク質共役型受容体として初めて哺乳類から同定されたものです[1]。
味覚(甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の基本五味)は、味蕾(みらい)と呼ばれる細胞の集合体によって感知されます。
[1] https://bsd.neuroinf.jp/wiki/味覚受容体
味蕾は数十~百個からなる「味細胞」と呼ばれる細胞の集合体であり、5つの基本味(甘味、塩味、酸味、苦味、うま味)はそれぞれ別の味細胞で受容される。以上のことから、味を感じるのは、舌に多くある「味蕾」であり、「味蕾」は「味細胞」の集合体であり、「味細胞」の先端にある「味覚受容体」で味を感知していることになります[2]。
急に難しい話になりましたね笑
何か良い例えはないかと考えましたが、、、無いっ!!難しいっ!!
ただ、味覚の感度は育てたり、鍛えたりすることができると言われているので、味の変化を感じ取れなかったのは、「味覚受容体」の感度が弱いか「味蕾」の数が少ないかの二点が可能性として考えられるのではないかと思います。
[2]https://mikakukyokai.net/2021/07/24/taste_receptor/
case3 温度と味覚の関係
3つ目の温度と味覚の関係性が原因というのは、味覚メカニズムにより、美味しいと感じやすい適温があるからです。
日本酒の冷酒、ぬる燗、熱燗であったり、ワインもわずか数度の違いで表情が変わるといいます。
温度と味覚の研究は被験者の感じ方に頼ったものが多いため、文献により言っていることがまちまちになっており、温度と味覚の関係性の一般化はできないとも言われています。
これには、個人の主観という以外に
・食材による異なる反応
・Thermal Taste現象
・味わい濃度
という三つの理由が考えられます。
食材による異なる反応
同じ味わいでも、素材により温度の反応が異なる場合がある。甘みは、一般的に温度が上昇したときに強まるが、人工甘味料のサッカリンは温度の影響を受けないと言われている。苦みは、一般的に温度が上昇したときに弱まるが、カフェインやキニーネ由来の苦みは逆に温度上昇に比例して強まると言われている。
Thermal Taste(熱味覚)現象
温度と味覚の関係性を見出しにくいのには、人口の2~3割の人は、舌の特定の場所を熱したり冷ましたりするだけで、味わいを感じてしまうこと関係している。これはThermal Taste(熱味覚)と呼ばれる現象で、舌前方を熱することで甘みを、冷やすことで塩味や酸味を感じ、舌の後方を冷やすことで苦みや酸味を感じる人が存在するのである。
味わい濃度
強い味わいのものは、温度の影響が弱まる。
これは先述の閾値の話を思い出していただけると、わかりやすいかもしれない。
温度が影響を与えるのは味わい濃度の閾値の高低であり、すでに高い濃度のものであれば温度を変えても、感じ方に大差はなくなる。[3]
これら三つのことを踏まえて考えると、アルコール度数40度以上あるウイスキーは閾値が高いものに該当するため、感じ方に大差がなく、変化を感じなかったのではないかと考えました。
こっちも難しいこと言ってますが、味覚は「十人十色」ということですかね。
なので、この三つのcaseが味の変化を感じなかった理由として考えることにしました。
[3]https://www.alt-alc.com/amp/温度と味覚の関係性
香り方
次に香りの変化についてですが、実験を行ったことでグラスの形状が香りに変化を与えていると実感しました。
この実験では5つのグラスを使用してますが、AとC、BとDは液体が入る部分だけを見ると形状が似ていて、明らかな違いはステム(持ち手)が伸びているかどうかです。
そして、実験結果を見るとそれぞれ形状が似ているもの同士で香り方が近い結果になっていることがわかります。もう一度グラスを見てみましょう。
それぞれ口径と幅の差を比べてみると、(幅-口径)
A:6-5.4=0.6
B:6.7-4.6=2.1
C:6.6-4.9=1.7
D:5.5-4=1.5
E:4.8-4.8=0
このようにして、AとC、BとDを比べ、数字だけ見ると形状が似ているとは言えませんが、重ねて形状を比べてみると、(縮尺は変更しています。)
AとC、BとDはそれぞれ「すぼまり方」が似ていることがわかります。
グラスの口径がすぼまっているグラスのことを「チューリップグラス」と言ったりしますが、主な特徴としては、入っている液体の香りを逃しにくく、ボウル(膨らんでいるところ)に香りがたまり、お酒の香りを探るためによく使用されます。この考え方をするとEは幅と口径が変わらないため、4つに比べて香りが逃げやすいです。
これは実験結果からも確認できますね。
グラスE
Eのグラスから確認できたことは、他のグラスに比べてフルーティーさや、洋梨のような甘い香りが薄く、アルコール臭をよく感じたことから、ウイスキーをストレートで楽しむには向いていないと感じました。
この形状のグラスは「ショットグラス」と言われるもので、パーティーでテキーラを一気に飲んだりすることに使われるのがすぐに思いつきますね。
このような使い方もあることから、香りを楽しみながら少しずつ味わう「ウイスキーのストレート」とは相性があまり良くないと感じました。
グラスA、B、C、D
A、B、C、D、の4つから確認できたことは、AとCのすぼまりが弱いグラスは「柑橘」のような爽やかさを序盤に確認できたことで、BとDのすぼまりが強いグラスにはそれがないと感じました。
チューリップグラスという見方をした時にはひとまとめにすることができるのに
結果は全て同じではないことから、まとめるべきではないと考えました。
4つのグラスを二分化した時の結果として、感じられる香りの数に差があることが実験結果からもわかりますが、何故そのような結果になるのか考えていきます。
グラスA、CにはB、Dにはない「柑橘系」の香りを実験から感じ取ることができましたが、何故なのか。
それは、すぼまりかたが弱いため、軽い香りの柑橘を初めに感じやすいのではないかと考えました。何故軽い香りと言えるのかは、柑橘の香りが最初(1分〜3分)しかしなかったからです。もう一度実験結果を見てみましょう。
これらのことから、軽い香りは序盤に感じることができ、長くは続かないことがわかります。
形から言えること
では、香り方に違いがあるのは本当に形状が違うことが理由なのかを考えていきますが、形状に違いがあると言っても、「すぼまりかた」の違いだけ触れる形になります。
実験結果と「すぼまりかた」の二つを踏まえて考えた結果、
軽い香り程グラスの側面に近く、重い(濃い)香り程グラスの中心にあり、香りはグラス側面のものを強く感じる。
そして、すぼまりが強い分、側面の軽い香りが上がって来づらく、時間経過で徐々に軽い香りは消え、飲む前にグラスをまわすことで、中心の重い香りが側面に当たることで香りの変化と重い香りを感じ取ることができると考えました。
その結果、中盤から後半にかけ、まったりとした洋梨の香りや華やかなフルーティーな香りを感じることができました。
こんな感じで考察を終えまして、次回が最後となります。
▼ウイスキー好きが踏み込んだ場所 〜まとめ〜
https://note.com/saketo0920/n/nf55e892342a3