2023年3月22日 下北沢「楽園」しのはちの巣 立川志の八落語会 (ネタバレあり)
今年は志の輔さんの合間に志の輔さん一門の真打の落語家さんを聴きに行こうと思っておりましたが、日程の関係で二番弟子の志の八さんからスタートです。
YouTubeで聴いた「狸スマ」の声がとても良かったので、声フェチはそこも期待。
本日は前座なしでふらりと開始。
WBCの話はあえてしませんよって言いながらWBCに寄っていく。直島へ行ったお話や花粉症が酷くて喉の調子がよろしくないと話しながら、ちょっと長めの枕を終えて「じゃあ、落語始めますよ」って始まった!
いやいやいやいや…「じゃあ」って落語に入る人初めて見たわ!
じゃあで始まったのは「高砂や」
この話で際立つのは「顔芸」
志の輔さんは話芸だけど、この方は顔芸なのかい?って思うくらいに表情の変化が凄くて、それだけで見入ってしまう。
10分の仲入りを経て、二席目へ。
ツィッターで、もう1回高尾をやりますと呟かれていたので期待大。
というのも、2月の富山・3月の町田の志の輔さん独演会で「紺屋高尾」を聴いていて、更にYouTubeで色々な落語家さんの「紺屋高尾」を聴き比べていたところだったのです。
聴く前に脳内の志の輔さんをお片付け。
結論から言うと、志の八さんの「紺屋高尾」かなり好き。
恋する久さんがかわいくてねー。
さらに、空間の表現力がいいなあと。
声音の変化によって、情景が目の前にぶわっと不夜城が浮かぶ。本当に不夜城を見てきたかのような、久蔵に会ってきたかのような口調にどんどんその世界観に引き込まれていく。
志の八さんの「紺屋高尾」で一番納得したのが、久蔵が高尾に職人であることをばらす場面。
今まで聴いてきた「紺屋高尾」では、一夜を共にした後に、3年後にしか来れませんって告白するのがお決まりでした。
ただ、これだと布団の中でも久蔵は着物の中に手を隠しているんですよね。
私、基本的に和装民なので、これ気になってて。
久蔵は一晩眠れませんでした。目覚めの一服も着物の中からって...落語だよって言われても…ちょっと解せぬ~って野暮な私が顔をだしてしまうんですが。
一夜を共にする前に、実はねって告白があったのだとしての一夜の方が腑に落ちるなあと思ったのです。
そして高尾は久蔵を旦那様待遇で見送り、久蔵は年季が明けるのを心待ちにして働いて、さあいよいよ高尾がやってきた!のに…久蔵のことをとてもかわいがっている親方が最後の最後に…「ええ!親方ー!!」なんてことがあって最後はハッピーエンドにならないのかと思いきや、それが高尾の気風の良さと覚悟にもつながって、なんともロマンチックな最後でした。
ここもまた、さくっと女房になって、町中が染めまくって大変でーい。お開きでーいという終わり方とも違って、好きだなあと感じたところ。
志の八さんの「紺屋高尾」はお話の中心であるべき久蔵の心情が凄く客席側に伝わってきて、こういう久蔵だから高尾が惚れ込んだのねっていうのも伝わってきて、とてもニヤニヤしました。
開演
一席【高砂や】:19:00~19:50
仲入り 19:50~20:00
二席:【紺屋高尾】20:00~21:27
終演後のお話で直島で落語会ができたらいいなあと。
そんな直島企画のお話や直島で撮影してきた写真を見ながらお開きでした。
★余談1
桂歌丸さんは10両だった。
立川談志さん・立川志の輔さんは15両
立川志の八さんは15両だけど18両に親方が足して20両
流派によって高尾の価格違うんだろうか。
学生だったら、自由研究とか卒論にしてみたい。
廓噺だからあかんかしら…。
★余談2
私は直島行くかな~、どうでしょうか(笑)
基本的に月に1回は必ず行きたいのは志の輔さん。
遠征するのも志の輔さん。会社の後に小一時間電車移動してまで聴きに行くのも志の輔さん💦直島ハードル高いわ…。
★余談3
50手前の落語家がちょんまげにして1年なのにバズらない!!と嘆いておられました…。誰か!バズらせてあげて!
また遊びに来てな~(・∀・) 待っとるちゃ。