歴史に学ぼう!お酒での失敗談!
ゆるゆる日本酒教室、第87回目の今回は【歴史に学ぼう!お酒での失敗談!】です。
みなさんは、お酒を飲みすぎてしまって失敗してしまったこと、ありますか?
「お酒が強い」「しっかりしている」と見える人でも、人に言える、言えないの程度の違いはあれど、お酒の失敗は何かしらあります。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という格言を聞いたことがありますか?
これはドイツの名宰相であるビスマルクの言葉です。自分が経験できないことでも、先人たちが経験したこと、すなわち歴史を学ぶことで、自分自身だけではできない何倍もの経験を追体験することができます。
今回はかつての偉人のお酒にまつわる失敗談から、学びましょう!
●太宰治(小説家)
「人間失格」「走れメロス」など、国語の教科書にも載る作品を多く書いています太宰ですが、私生活はかなり荒れていた、というのが実は有名なお話です。ちなみにこのやらかし時でのトータルの未払金は、現代の価値だとおよそ51万円!
しかも、全部他人が肩代わりで払っています。はたして人望があったのか、情けなのか・・・。
●福沢諭吉(思想家・教育者)
「学問のすゝめ」の著者であり、慶應義塾大学の創設、2024年まで一万円札の肖像画になっていたなど、現在でも名前をよく見る方です。
お酒を飲んで寝たばかりのタイミングで声をかけられ、ご立腹。
投げやりな対応で裸のまま「何のようだ」と見てみたら、声の主はまさかの上司の奥さん。その後、上司の奥さんは何も言わずに奥に引っ込んでしまったようです。
諭吉さんも謝れず、そのまま。・・・何も言われないのが逆につらいですね。
ちなみに諭吉さんはビール党だったようで、特にエビスビールを愛飲していたようですよ。
●中原中也(詩人)
中也は“ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん“というフレーズが入った「サーカス」や、「汚れつちまつた悲しみに」などで知られる詩人です。
没年齢30と若くして亡くなってしまいますが、お酒に関しては強烈なエピソードがあります。
・暴言:太宰治との飲み屋での初対面時に、「なんだおめぇは。青サバが空に浮かんだ様な顔をしやがって」
・暴行:一緒に飲んでいた相手の頭をビール瓶で殴る。
・・・そりゃあ、太宰は不摂生で痩せほそり血色が悪かったのかもしれませんけど、人の顔をみて「青サバ」って。現代で言えば、アルハラでSNSであれば即炎上するレベルです。
まぁ、お酒を飲むと人に執拗に絡んでくる方、いますよね。
それでいて当人は酔っていて忘れていたりします。
「飲まなければいい人なんだけど」と言われないようにしましょうね。
この言葉の真意は「お酒をコントロールできていないダメ人間」ですよ。
●長宗我部元親(ちょうそかべもとちか/戦国武将)
土佐国、現在でいう高知県は老若男女問わず酒好きが多い土地として知られています。
長宗我部元親は豊臣秀吉が活躍していた戦国時代に、四国全域を平定した戦国武将です。
元親は「長宗我部元親百箇条」という法律を作り、領土内を管理しようと試みます。
その中に、こんな文面が。
国を治める立場からすればごもっともですが、一般庶民にとってはとんでもない内容です。
それは、禁酒令が発布されてから少し経ったある日のことー。
酒樽を担いで歩く商人を、元親の家来が発見。
・・・法律を変えるのかい!殿も飲みたいんかい!なぜそんな法律作ったよ!とツッコみたくなるエピソードです。
(※なお、時代考証としては、ちょっとこのエピソードは怪しい部分もあるようなのですが、歴史のロマンとして取り上げてみました。)
さて、いかがでしたでしょうか。
いまとなっては偉人と呼ばれていても、一人の人間。お酒の前では皆平等といえます。
お酒は楽しく飲むのが一番ですが、自分がやらかしてしまったり、他人がやらかしているところに気づいてしまうと、気持ちが削がれてしまいますよね。
詰まるところ、「酒は飲んでも飲まれるな。」です。
それでは今回はここまで!
参考:「人生で大切なことは泥酔に学んだ」栗下直也
酒国土佐の歴史から読み解く「モテる真相!」長宗我部元親と土佐の戦国時代・史跡案内
日本酒コラム『ゆるゆる日本酒教室』
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今回コラムを書いてくれた社会福祉士×日本酒学講師のダイゴさんのnoteはここから読めます。日本酒以外の話題も含め、優しくてわかりやすい文章が特徴です。
酒小町制作メンバー
執筆:ダイゴ|社会福祉士×唎酒師・日本酒学講師=Sake Social Worker(note)
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