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23区唯一の酒蔵の『東京づくし』の日本酒を堪能する
皆さまこんにちは。
ご当地の名物やお酒を楽しむ旅行が好きなおひぐです。
このコラムでは毎月15日におひぐが出会った美味しいお酒と食べものを、旅を絡めてお届けします。
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このご時世、なかなか遠くに旅行へ行きにくいので近場で我慢が続く日々ですね...。
今回は私が住んでいる東京都にある酒蔵に注目してみました。
お邪魔したのは東京23区内で唯一の酒蔵の『東京港醸造(とうきょうみなとじょうぞう)』。
酒蔵といえば郊外や広い土地にあるイメージが強いと思いますが、『東京港醸造』は港区のオフィス街にある酒蔵です。
Googleマップを見ながら「本当にこんなビルの中に酒蔵があるの...?」と不安になりながらも進むと、ちゃんとありました!
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もともと『東京港醸造』は、『若松屋』の名前で江戸時代から1911年まで酒造業をおこなっていました。
酒造を廃してからは雑貨業をおこなっていて、2011年に100年越しに『東京港醸造』として酒造が復活したのです。
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酒蔵は一般開放していないそうで、酒蔵見学はできませんでした。
その代わり酒蔵の向かいには『東京港醸造』のお店があるので、お酒の特徴やこだわりを聞きながらお酒を購入できます。
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日本酒の種類は『純米大吟醸原酒』か『純米吟醸原酒』だけですが、
そのぶん酵母やお米の種類、製法を変えて少しずつ違った味わいで10銘柄以上が造られています。
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2016年に清酒製造の免許が取得できるまでは日本酒以外のお酒の販売から始めていたそうで、こぢんまりとした店内にはリキュールや蜂蜜酒、どぶろくなども置いてあります。
さらに、酒蔵の目の前で『東京港醸造』のお酒を味わえる角打ちの屋台まであるのです!
屋台は平日18〜21時、土曜13〜19時の時間に出ています。
しかし今は緊急事態宣言による自粛のため屋台は出店していませんでした。
なので1人でも手軽に飲めるサイズ感の290mlの『江戸開城 ALL Tokyo』を買って帰りました。
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『江戸開城 ALL Tokyo』は水・お米・酵母全て東京産でこだわって造っている純米吟醸生酒です。
特に水は水道水で、米は酒米ではなく普通の食用のお米を使っているので、より東京の生活に近い日本酒という印象を受けました。
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原酒ならではのピリッとした風味。これがキレと言われるものなのでしょうか。
口に含んだ瞬間と飲み込む瞬間に、ふわっとした甘みや爽やかでフルーティな香りが口の中で広がります。微炭酸のようなしゅわしゅわ感もありました。
しかし飲みこんだ後は風味が口の中に残らず、炭酸を飲んだあとのようなすっきりとした心地よさを感じました。
酒米を使っていないのに、くせがなく透明感がある味わいです。
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味の濃いものよりあっさりした食べ物が合いそうだと思ったので、白身魚のカルパッチョをペアリングしてみました。
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開栓してから3日おいてもう一度飲んでみると、香りもお酒の甘みも強くなっていました。
透明感はなくなっていましたが違いがはっきり現れたので、別のお酒を飲んでいるかのような気持ちになります。
開栓直後が青リンゴのような爽やかなフルーティさだとすると、3日後はマスカットのようなフルーティさ。
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冷奴との相性も◎。
醤油をかけないで豆腐そのものと合わせて飲んでも美味しかったです。
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米どころではない東京ならではの水道水や米、酵母を使ってビルの中で醸しているお酒も珍しくて日本酒にも色々あるのだなぁと楽しくなりました。
東京港醸造のお酒は東京港醸造のショップや公式ホームページの通販のページなどから購入ができます。
取扱店情報はこちら
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『東京港醸造』
住所:〒108-0014 東京都港区芝4丁目7−10
公式ホームページはこちら