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合言葉は「好きを仕事に」。日本酒コミュニティのチーム力を高める秘訣
ネコノテ編集部代表やMarbleスクール講師などを務めるフリーランス編集者えるもさんがパーソナリティとなって配信しているチーム化ラジオ。先日、酒小町代表の卯月りんさんをゲストに迎え「コミュニティのチーム化について」というテーマで対談を行いました。
それぞれの場所でチーム化に奮闘するふたりがこれまでの経験から得た気づきとはどんなものだったのか。
今回は配信内容を記事化し、気が合う好きな仲間たちと好きなことを仕事にコミュニティ運営やクライアントワークをおこなう「酒小町流チーム化」までの秘話を対談形式でお届けします。
スピーカー紹介
チーム化ラジオパーソナリティ ネコノテ編集部代表 えるも
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新卒でアフィリエイトの営業を経験後、新規事業立ち上げを担当。新卒3年目のタイミングでフリーランスライター&ブロガーとして独立。SEOからインタビューまで、幅広くライティング案件を受けるかたわら、個人で美容メディアを運営。 現在はコンテンツ制作やメディア運営を中心に幅広く活動中。「書く」+αのスキルを身につける『Marbleスクール』の講師・共同運営やライターチーム『ネコノテ編集部』を運営中。
酒小町代表 卯月りん
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大手IT企業にて、広報や自社サイトのリブランディングを担当。その後PR会社で企業広報の立ち上げ支援やWeb・SNSを活用したPRに従事。 「好き」を仕事にするために、コミュニティ『酒小町』を2018年に立ち上げ、2020年にPR・SNSプランナーとして独立。イベントの企画やSNSサポートなどでも活躍。
コミュニティのはじまりはコロナ禍でも集える場所づくりがきっかけ
えるも:
まず、酒小町が発足した経緯を教えていただけますか?
りん:
私が会社員時代に広報の仕事をしていたのでPRのスキルがあったことと、たくさんあるお酒のなかで日本酒がいちばん好きだったことから、好きなことと好きなものを掛け合わせて仕事に出来ないかと考えて、酒蔵さんのPR支援をひとりで始めたのが活動のはじまりです。
日本酒をPRする活動を行っていることを発信していたら、まわりの知人がだんだん「私も日本酒業界に貢献したい」と声を上げてくれて。せっかくだったらチームとして仕事をしようと思い、Webサイトを立ち上げるときに『酒小町』という名前を付けました。
ただ、そのあとすぐにコロナ禍になりイベントや飲み会が出来ない状況を迎えてしまって…。オンラインでも日本酒が好きな仲間と繋がるために、お仕事のチームだった組織をコミュニティ化しました。
えるも:
そういった経緯があったんですね。発足時、コロナ禍で大変だったエピソードはありますか?
りん:
クライアントのPRやイベント予算が削られて発注が無くなり、私自身精神的にも金銭的にも苦しい時期を迎えて困ってしまったことがありました。
その時にチームメンバーが、「このチームにはいろいろなスキルを持った人がいる。そんな仲間たちをりんさんが中心となってオンラインサロンという形で繋げばいいのではないか」と提案してくれて。
そこからまわりの力を借りて1ヶ月くらいでえいやっとコミュニティを設立しました。コミュニティを立ち上げる前は酒小町の活動も全部自粛、お客様とあたためていた企画がペンディングになってしまい、仲間とも会えなくなった時期はどん底でしたね。つらかったです。
えるも:
コミュニティはコロナ禍を乗り越えるためのひとつの手段だったんですね。ちなみに今現在、コミュニティ内で一緒に仕事をしているのは何人くらいいますか?
りん:
20人くらいですね。酒小町のお仕事を大きく分けると、酒造さんとご一緒するクライアントワークとコミュニティの運営をおこなうお仕事があって、コミュニティ側のお仕事は以前に比べて関わってくれるメンバーが増えました。
私が東京でコミュニティを立ち上げて少し前に大阪へ移住したので、最近は東京のイベントをお任せ出来るようにチーム内で連携を強めていて、最近私がいなくても東京でイベントをおこなう運営体制が整って来ました!なのでこれからは関西イベントの盛り上げにも力を入れられそうです。
心地いいチーム化は、代表目線で「人として合う人」を集めたら自然と出来た
えるも:
コミュニティ内でメンバーに仕事を依頼する時のチーム化はとても大切だと思うのですが、りんさんはどんな基準でチームに入って欲しいメンバーに声を掛けますか?
りん:
人として合う人かな。日頃の言葉遣いやチャットの返信スピード、ひとつひとつは小さいことなんだけど、「その人と自分が気持ちよく働けるか」は結構見ています。私は1日で人を好きになるような直感が鋭いタイプなので、この人いい!と思ったらスカウトして来ることもあります。
あとは、直接「私こんなことが出来るんですけど、何か一緒にやれることがあったら教えてください!」と声を掛けてくれたりメッセージをくれる子は覚えるし、酒小町が好きでSNSで活動を発信してくれている子も嬉しいな、一緒に仕事をしたいなと思います。
えるも:
外部へ募集型で仕事を依頼する場合、相手とのコミュニケーション面のすり合わせから始めるケースもあるので、りんさんの仕事の進め方はお互いにとって効率がいいですね。
りん:
その人と6割くらい信頼関係が築けてからお仕事をお願いするようにしているので、コミュニケーションが合わないと感じながらご一緒することはほぼ無いかもしれないです。
コミュニティメンバーとの仕事では相手の好きや得意を尊重したい
えるも:
コミュニティメンバーにはどのようにお仕事を依頼していますか?
りん:
相手の好きなことや得意なことを尊重したいと思っているので、メンバーに「どんなことが好き?何をやってみたい?」と聞いて、その方に合った案件やプロジェクトへの参加打診をするようにしています。
会社にいると苦手だけどやらなきゃいけないこともあったんですよね。でも、せっかく日本酒を通じて多様な得意分野を持ったメンバーがいるコミュニティで仕事をするんだから、自分の苦手が誰かの得意になるなら思い切って仕事をパスしていいと思っています。みんなが好きと得意で仕事が出来る環境をつくりたいです。
えるも:
コミュニティだからこそ実現出来るメンバーの連携があるんですね。
高いチーム力で、メンバーが親しみやすいコミュニティをつくるのが理想
えるも:
コミュニティには現在どれくらいの人数が参加しているのですか?
りん:
130人くらいいて、今はメンバー数150人を目指しています。150人を超えると、せっかく入会してくれた方を私が覚えられなくなる気がするので、どんどん規模を拡大するというよりは、入会人数を絞ってメンバー数を維持するタイミングが来るかもしれない。今は毎月メンバー募集をしていますが、酒小町は情報提供型ではなくメンバー交流型のコミュニティなので、顔が見える規模でいることにはこだわりたいです。
えるも:
メンバーが200人を越えると雰囲気が変わるのを別のコミュニティで経験したことがあるので、200人に達するラインが今後の運営や方針をあらためて考える基準になるのかもしれないですね。
りん:
酒小町は全体の6割が何らかのイベントに参加してくれるアクティブユーザーになっていて、この割合は他のコミュニティと比較するとありがたいことにとても高いんです。お酒や飲みの場が好きなメンバーが集っているので、運営主体ではなくても皆さんフランクに交流してくれていて。
なのでこの雰囲気を保ちつつ運営チームと協力してより親しみやすいコミュニティを目指したいです。2025年の酒小町の活動テーマが「共縁」なので、みんなが楽しめるイベントをたくさん企画する予定です!
20代から30代の「お酒の場と、交流が好き」な人たちが集まる日本酒コミュニティ『酒小町』。
「日本酒好きのあそび場」をコンセプトに、年齢も職業もバラバラの個性豊かなメンバーが乾杯するだけでなく、自分たちであそびを企画したり、日本酒について学んだり......誰もがホッと一息ついて自分らしくたのしめるようなサードプレイスをつくっています。
『酒小町』は、毎月1日〜10日の期間にメンバー募集をしています。募集開始時にはLINEアカウントでお知らせをしているので、ぜひ登録して続報をお待ちください!