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「居場所はいくつあってもいい」6年間続く日本酒のオンラインサロンを運営して学んだ「心の拠り所を分配するから生まれる豊かさ」とは。
2023年11月、日本酒コミュニティ酒小町の代表・卯月りんがこたつラジオに出演しました。
こたつラジオは、みずのけいすけさんがX(旧・Twitter)で朝8時から配信しているラジオのような番組です。
2度目のゲスト出演となる今回は、酒小町の3年の歩みを振り返りながら、居心地のいいコミュニティづくりについて楽しくお話ししました。
▼初めてこたつラジオに呼んでいただいたときの記事はこちら!
日本酒コミュニティ酒小町が歩んだ3年
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――年の瀬も近づいてきましたが、2023年はいい1年でしたか?
そうですね。今年もおいしいお酒をたくさんいただきました(笑)。
それにしても1年があっという間で驚きます。思えば酒小町をスタートさせてからの5年間も、まさに光のような早さで過ぎていきました。
――5年というスパンで考えると、社会の変化も大きかったですし、ハッとしますよね。そんななかでの酒小町の歩みはいかがでしたか?
酒小町のはじまりは、2018年に女性クリエイターたちで集まって始めた日本酒のPRチームでした。
私たちの活動は、試飲会やマルシェへの参加などオフラインのイベントを通じて広がっていったのですが、コロナの影響でイベントが開催できなくなり……。それまで以上に人とのつながりの大切さを感じるようになったんです。

そして2020年、酒小町はお酒の場と交流が好きな人たちが集まる日本酒コミュニティとして新たにスタートしました。コミュニティになって今年で3年経ちますが、だんだんと土台が整ってきた実感があります。
たとえば、新しくコミュニティに入ってもらったメンバーを迎える「こんにちは飲み」や、ゆるい交流の場である「オンライン飲み」など、レクリエーションが定期的に開催できるようになっています。
コミュニティとして丈夫になってきたというか、まるで砂で作った家が木造になり、少しずつレンガの家に近づいているような感覚です。
きちんと甘えて、得意なことを楽しんでもらう
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――りんさんは、仕組みづくりや場づくりといった、いわゆるマネジメントに関しては以前から得意だったんですか?
それが全く得意ではないんですよ。一応コミュニティの代表をしていますが、むしろ一番酔っぱらってみんなに迷惑をかけているくらいで(笑)。
この3年間、酒小町は決して私ひとりで作り上げてきたわけではなくて、メンバーと一緒に話し合いながら作り上げてきました。
特にコミュニティマネージャーさんやコミュニケーターさんの存在はとても大きいものでした。コミュニケーターとは、コミュニティ内のコミュニケーションをスムーズにするためのオリジナルの役割です。
立ち上げたばかりのころはこのような役割などはなく、ただ前に進むだけのコミュニティでしたが、だんだんと変わっていきましたね。ひとりでは回せない部分をたくさんの方に助けてもらっているので、本当にありがたいです。

――「きちんと甘える」って、意外とできませんよね。りんさんの場合は、過度に甘えたり依存したりするというよりは、きちんと相手を信じきって気前よくゆだねているというか。とても勉強になります。
恐縮です……!でもそれは、集まってくれたメンバーの皆さんのおかげです。
たとえばライターさんやフォトグラファーさんにしてもそう。私がひとりで考えて動くより、「この部分はこの人に任せたほうがうまくいく」という部分が必ずあるので、そこを見つけてお願いする感じです。
――コミュニティのなかで、その人の才能が光る瞬間が見られると嬉しいものですよね。
そうですね。それに、同じライターの方であっても、たとえば自分の考えを書くことが得意な方もいらっしゃれば、逆にインタビューで相手の思いを引き出すほうが得意な方もいらっしゃいますよね。
同じ仕事をしていても「好き」や「得意」は人によって違いがあるので、だからこそ、職場ではないコミュニティでは得意なことや挑戦したいことを楽しんでもらえるよう意識しています。
コミュニティは心のより所
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――3年続いてもなお、酒小町の活動が広がりを見せているのは、とても素晴らしいことですよね。りんさん自身が一番コミュニティを楽しんでいるからでは?
その言葉、酒小町のプラットフォームであるCAMPFIREコミュニティの担当者さんも話してくれたんですよね。
本当におっしゃる通りで、コミュニティを続ける原動力は間違いなく「自分が楽しいから」です。
そもそも私、いま拠点が関西になったので関東で開催するコミュニティのイベントに参加すれば交通費で赤字になりますからね(笑)。「好きな人とわいわい飲めるなら私も参加する!」という、ただそれだけの理由で参加しています。
――わかります。こたつラジオも楽しいから2年も続けられていますし、それこそ「バーこたつ」というイベントでは、開催するたびにグッズを作りすぎてしまって赤字です(笑)。でも心が満たされるから、毎回「やってよかった」と思えるんですよね。
心のより所があるって大事ですよね。「そこに行けば誰かに会える」という場所があるだけで救われるというか。それこそ行きつけの居酒屋さんのように、仕事とは関係ない場所でゆるっとつながれるからこそ、コミュニティは尊い居場所になりますよね。
――「最近参加できていなくてすみません」とすら考える必要もないというか。コミュニティでは普段仕事で使う筋肉を全部ゆるめて、クラゲみたいに漂っているくらいでいいんですよね。
本当にそうですよね。自分が居心地がいいなと思えるコミュニティをいくつか持っておくと、豊かに生きられるような気がしています。つらいことがあったときの心の逃げ道というか、心が休まるサードプレイスはたくさんあったほうがいいですよね。
――よくお金の話でも「リスク回避のために、分散して投資しましょう」と言われますが、心のより所こそ、分配が大切かもしれませんね。
「心のより所を分配しておく」。とても素敵な表現ですね!私も使わせてください!(笑)
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ちなみに今回は、ちょうど新潟出張と重なったこともあり、新潟駅前の足湯につかりながらゲスト出演している貴重な回となっています。
みずのさんのこちらの投稿から音声でもお楽しみいただけます。ぜひお聞きください。
— みずのけいすけ|goodbuff Inc. (@mikkemac) October 31, 2023
みずのけいすけさんのnoteはこちらです。
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酒小町では酒造さんや外部コミュニティなどとのさまざまなコラボイベントもおこなっています。レポート記事で雰囲気をのぞいてみてくださいね!
酒小町がコミュニティとしての1歩を踏み出したとき、代表・卯月りんは何を考えていたのでしょうか? 気になる方は、ぜひこちらの記事も読んでいただけると嬉しいです。
いまや100人規模となった酒小町のコミュニティマネージャー、サイコさんのインタビュー記事も合わせてご覧ください。
日本酒コミュニティ『酒小町』
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