日本酒における”酸”について知ろう!
ゆるゆる日本酒教室、第93回目の今回は【日本酒の旨味=酸?】についてのお話です。
日本酒を飲んでいると、どこかで出会う“酸”という言葉。
「この日本酒は酸味がある」
「後味に酸がきいていますね」
なんて言いながら飲んでいる人を見かけたりしませんか?
“酸”。
まったく知らない言葉ではない。
ただ、わかりそうでわからない。
「お酒で?日本酒で?酸、って??」
そんな、絶妙な難しさがあります。
日本酒ライトユーザー・ビギナーがハードルに感じる要素の一つかもしれません。
人によって指している意味やニュアンスが異なり、混同していることもしばしばある“酸”という言葉。
今回はそんな“酸”を紐解きましょう!
人間の味覚で感じる5つの味
甘味・塩味・苦味・うま味、そして酸味です。
日本酒に含まれる、味として感じられる代表的な酸の成分は以下の5つにな
ります。
味のイメージがしやすい食材も一緒にチェックしましょう!
クエン酸や酢酸は、想像したら口の中に唾が溜まるような、いわゆるすっぱい酸ですね。
ただ、酸はそれだけではありません。
実際にはひとつだけの成分だけでなく、様々なものが重なり合って酸味を作っています。
コハク酸はその代表で、主にうま味、コクのように感じられます。
コクを生み出すコハク酸
味わいがどっしりとしていて、骨太なタイプ、お燗にすると味が膨らむような日本酒を飲んだことがありますか?
そのような日本酒には、コハク酸がいい仕事をしていると思われます。
ただ、人によっては、舌をギュっと緊張させ、渋味・えぐみのような感じが
苦手、という方もいらっしゃるかもしれません。
一般的には、冷やして活きるのは、クエン酸やリンゴ酸の多めな、いわゆる「すっきり」、「爽快」、「甘酸っぱい」ようなお酒。
温めて活きるのは、旨味や乳酸の多めな「コクのある」、「まろやか」、「ほっこりする」ようなお酒です。
〜第21回目【温度によるお酒の七変化】より〜
日本酒にも含まれるアミノ酸
実は日本酒にもアミノ酸が含まれています。
アミノ酸はたんぱく質を構成する最小単位の物質です。
ピンポイントで「これ」と断定するものではなく、甘み・苦味・うま味などが含まれている様々な成分の組み合わせによって成り立っています。
代表的なのは
です。
これらが重なることで味の相乗効果がうまれ、何倍も味が膨らみます。
鰹節と昆布で出汁をとる、というのを耳にしたことがありませんか?
これは、グルタミン酸とイノシン酸を組み合わせている、理にかなった出汁の取り方なのです。
上記の5つの酸に加えて、アミノ酸の要素があわさり、日本酒の味が出来上がっています。
これだけ複数の要素が合わさっているのですから、味を一言で言い表せなくて当然です。
唯一、これらを全て包み込む感想、それは
「この日本酒、おいしい」
です。笑
まとめ
日本酒における酸とは、
といえます!
時々、ラベルをみてみると、“酸度“”アミノ酸度“が数値で書いてあることがあります。
写真をご覧ください。
ぜひチェックしてみてくださいね。
それでは今回はここまで!
※今回の記事作成にあたっては、管理栄養士の資格を持つみーるさんにもご協力いただきました!ありがとうございました!
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今回コラムを書いてくれた社会福祉士×日本酒学講師のダイゴさんのnoteはここから読めます。日本酒以外の話題も含め、優しくてわかりやすい文章が特徴です。
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執筆:ダイゴ|社会福祉士×唎酒師・日本酒学講師=Sake Social Worker(note)
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編集:makio(X/note)