究極の楽器日本酒は、究極の楽器弾きたちの有終の美に華を添える
こんにちは。
お酒と音楽(と、ミッシェル・ガン・エレファント)をこよなく愛するライターのあべと申します。
名曲酒場では、音楽大好きなライターあべが、音楽に関係する日本酒や日本酒の音楽的な見方、そしてオマケで偏愛を執筆していきます。
毎月10日「日本酒×音楽」コラム、名曲酒場あべ、10月も開店します。
芸術の秋はダイレクトに楽器が登場します、そして愛を叫ぶことを許してね
今回ご紹介する日本酒は、楽器正宗 純醸。
楽器!ダイレクトに楽器!
この楽器正宗、あべの出身地である福島県のお酒です。
日本有数の酒どころ福島、ここに来て、やっと登場。
10月10日…見た目が統一していて潔いですね。
そして明日10月11日はミッシェル・ガン・エレファント ファンにとっては忘れてはいけない日。
解散ツアーとなったLAST HEAVEN TOUR 2003の最終公演の日なのです。
ミッシェル・ガン・エレファントは2003年10月11日をもって、約8年間にわたる活動に幕を下ろしました。
私が8歳の誕生日を迎える少し前の出来事でした。
(もちろん当時はミッシェル・ガン・エレファントなんて知りません、バリバリ物心はついている年齢なのに悲しい。)
という訳で今月は、ミッシェル・ガン・エレファント特集、させて下さい。
オマケどころではなく、メインで偏愛の回です。
これを公式メディアでやって良いのか…と少しは緊張していますが、折角の10月10日なので、愛を叫ぶことを、許して下さい。
お酒の話だけが読みたいよ、という方は、目次を活用してくださいませ。
ちなみにこのラストステージ、会場は幕張メッセ。
奇しくもあべが学生時代にアルバイトをしていた場所なのです。
ミッシェルが楽屋にしていた部屋、控室だったのではないかと思います、会場的に、多分。
わーい間接的にアベさんと触れあってる~!
冗談はさておき、本題にいきましょう。
日本酒データ~楽器正宗 純醸
”楽器正宗”の名前の由来について。
二代目代吉の時代、朝香宮様が大木代吉本店のお酒を気に入り、随行していた宮内庁の雅楽師で君が代の作曲者とされる奥好義が「酒造りも楽器を奏でることも、元は同じく神様への捧げ物」と言ったことだそう。
確かに、楽器演奏は神への捧げもの、そんな曲を奏でたこともあります。
心がスーッと透明になって、あらわれるような、凛とした気持ちになった経験、酒造りもきっと、そんな崇高さや緊張感、そして楽しさのようなものがあるのでしょう。
どんなシチュエーションでも、どんな料理ににも合う、楽器正宗。
”好みの曲を聴くように暮らしに潤いを与えてくれる酒”という紹介文が、とても気に入りました。
これはまさに私のnoteのコンセプトにも似ていて。
好みの曲を聴くように美味しい酒をたしなみ、名曲酒場あべを覗いて日常を少しだけハッピーにする、そんな小さなおまじないようになれば良いなと思いながら、今月も楽しく自由に、文章を書いているわけです。
どんな場面でも、少しだけ、良いものになりますように。
あべからの、小さな小さな、魔法です。
矢吹町は「行方野(ゆきかたの)」と呼ばれた荒涼とした台地状の原野が広がっており、日本三大開拓地の歴史を持つ開拓者の町として知られています。
ちなみに二代目、醤油屋から分家した酒造を発展させて、既成概念を打ち破る斬新なアイデアで大木代吉本店の基礎を作った、まさに開拓者精神のある方でした。
大木代吉本店は、慶応元年創業の福島県矢吹町にある酒造です。
失敗を恐れず、酒造りの精度を上げ、妥協せずに時代に先駆けた酒造りに挑んできた大木代吉本店。
飲んでもらう人と喜びを共にして、常に美味しさを追求するために、人を育て豊かな醸造文化を次世代に伝える。
純粋で美しい考えのもと、酒造りをしている酒造さんです。
純米酒の先駆けでもある「自然郷」に自然への謝意を込めたように、矢吹の豊かな自然環境を守り、次世代に引き継ぐ活動も行っています。
酒の仕込みや出荷前の割水などで使う水は、那須連山からの断層を通ってきた伏流水。
良い酒を醸すためには良質な水が欠かせないとの考えから、自社田を持って休耕田の復活に取り組んでいるのだそう。
また、「醸造を通じて豊かな食を提供し、顧客·取引先·自然·従業員、地域と共に栄える」の理念にもとづいて、地域の活動に積極的に参加しています。
矢吹町と姉妹都市の東京都三鷹市との交流事業を記念して創られたのは、矢吹町オリジナルブランドの純米酒、純米吟醸「開拓のうた」。
矢吹町にある白髭神社の田んぼに田植えから稲刈りまで交流を通じて育てた酒造好適米「五百万石」を使い、大木代吉本店が酒造りをサポートして完成したお酒です。
大木代吉本店さんの公式HPは、こちらをチェックしてみてくださいね。
楽器正宗を味わう
蓋を空けた瞬間に香る、爽やかなお米の香り。
フレッシュなメロンのようなスキっとした香りが、ツーンと鼻に抜ける、心地良い。
フルーツのようなみずみずしい香りを楽しみながら、一口。
優しい甘みと、ジュワっと広がるお米の旨み。
マッタリした旨みというよりか、米をかじったら果物みたいに果汁が溢れるような旨み。
ジュースのパッケージに書いてあるフルーツが米だと思ってください、ほんとに。
ビリっと微炭酸が、優しい舌触りをキュッと締める。
あくまで後味は、ずっと優しい。
そしてまた、一瞬だけビリっ!が来て、何事も無かったのかのように優しい味わいに戻る。
でも最後の後味は、少しヒリヒリする。
…道ならぬ恋か!
この楽器正宗、大学時代にお世話になった教授から教えて貰った東京駅の”はせがわ酒店”さんで購入。
旅行客に紛れてキャリーバッグでも持参しないとお酒を持ち帰れないのではないかと思うほど充実したラインナップが見事な酒屋さんです。
日本酒だけでなく、ビールやワインなどお酒はもちろん、おつまみや酒器まで扱っています。
旅行に行けないこのご時世、さすがに旅行気分を味わいたかったのでしょう、焼き鳥の駅弁を買って、アテにしました。
ジュワっとぼんじりに、ジューシーな楽器正宗が合うのよ~♪
合わせるアテは、LAST HEAVEN
かっこいい。
これしか出て来ないので、もう締めに入って良いですかね?
…なんて、許される気がしないので、この際、自由に書きます。
再度注意書きですが。
乱文になる気しかしませんし、お酒とは、”楽器”というワードしか繋がりが有りません。
もちろん、ミッシェルは至高の楽器弾き4人組なので、通じるところはあるとは思いますが、お酒どこ行った?と思った方は、まとめまでスキップしてください。
それでは、あべのラストヘブン鑑賞会、はじまりはじまり。
アベさん観察多め。
Drop
イントロ、アベさんのギターで”終わりの始まり”の合図が出されます。
至高です。
丁寧に音を紡ぎ、その音をあまりにも美しく昇華させるソロが印象的。
Get Up Lucy
1曲目で泣きそうになったはずなのに、この曲で一気にテンション上がってしまうよね。
解散とかそんなこと忘れて、ライブは楽しい!
げったっるしーーー!!!
The Birdmen
バードメン、楽しい。
でも、激しくも、とても落ち着きのあるバードメンな気がします。
何様だよ、って思う方もいると思いますが、成長みたいなものを、凄く感じた。
鬼神社有り。
Dead Star End
俺がいるだけ、お前がいるだけ
とてもかっこいい。
ギターソロのアベさんの一瞬の表情。
カサノバスネイクっつう感じがする。
Strawberry Garden
「よく来たね」
というチバさんの声掛けからのストロベリーガーデン、いつもここで涙が出る。
この曲は、初めてこのラストヘブン音源を聴いて以来、印象がすっかり変わった。
爽やかな曲という印象だったのが、謎の重みを持ってしまった。
Ash
異国情緒あるギター、素敵です。
会場の雰囲気をグッと引き締める1曲。
Free Devil Jam
ウエノさん&クハラさん曲!
少し変化球?なフレーズも混ぜ込んだソロで、負けずに吠える、アベギター。
Deadman's Galaxy Days
ここでデッドマンズ!
興奮ノンストップ、最高のセトリだと確信。
アベギター、さらに吠えまくります。
I Was Walkin'&Sleepin'
楽しい曲なのに、骨太なサウンドなのが良い。
ライブ音源の醍醐味だし、これを求めて生音を聴きに行くんだよね。
楽しいけれど、わーっとなりながらも、じっくり聴き入ってしまうパートでした。
ラスヘブで演奏される初期ミッシェルの曲は、そんな感じ。
後追いの私は、様々な時代の彼らを一気に見ることが出来てしまうからこそ、ギャップやバイアスが邪魔をして、不思議な気分で聴いてしまうのです。
Black Tambourine
ブラックタンバリンも、ラスヘブ音源を聴いて以来、謎の重みを背負った曲でした。
チバさんのステップと白いお月様のタンバリン。
トンデヤリマクレ~のあとのフレーズがとても好きで、構え過ぎた結果、案外あっさりだった。
深く潜れ
ブリンブリンなベースとギターの粘り強さが好きです。
私はミッシェルの沼にずっとずっと、潜っていたい。
Culture
私にとっては少し清涼剤的なパートかな、なんて思っていたが、大間違い。
間奏の深く深く掘り込むようなカッティングと、ちょこっと仕込まれたキュインっに、ハートがめためたにやられた。
Boogie
「ブギー」
まずこのチバさんの一声に痺れる。
私が初めてラストヘブンを全編見たTHEE MOVIE、いちばん印象に残ったのはブギーでした。チバさん。
興奮と冷静の間で、ミッシェルを深く刻み込む曲。
あんなに激しいロックバンドなのに、それぞれの演奏は丁寧で綺麗で楽器の音が生きていて、改めてミッシェルの音楽性に感動した。
ミッシェルが評価されるのは、カッコよさ以上にこういうところなのかなって思ったりする。
赤毛のケリー
とにかくかっこいい。
静と動の、アベギター。
銃のようにギター構えるところ、表情、汗の粒、全てが絵になる。
God Jazz Time
この演奏のサビの音圧、一度聴いたら忘れられません。
ライティングからも、良い意味で物凄い圧を感じる、見事です。
Electric Circus
どういう気持ちで聴いて良いか分からない曲です、未だに。
まあ、何も考えないのが吉なんでしょうけれども。
ひたすらにミッシェルを浴びることが楽しいってことに帰着します。
ただ、アベさんのカッコよさと美しさがこの世のものとは思えないことは確かですし、どうしようもないくらい悲しくなってしまうことも否定はしません。
Midnight Klaxon Baby
タンバリンの音、芯が強いことよ。
エレサーでしんみりしたと思いきや、ライブはやっぱり楽しい!
笑顔、笑顔。
Baby Stardust
クハラさん!
これはこれで、雰囲気がガラッと変わる。
斬新だ~って思ったし、やはり、ライブは楽しい。
その場で聴いたら圧が凄くて曲ごと印象が変わりそうだな、と思う1曲。
Smokin' Billy
愛と!いう!憎悪!
メリハリが凄い。
ライブ楽しい!パートです。
途中、スモーキンビリーと口を動かすアベさんの口元のセクシーさ、あべは見逃しません。
Lily
ライブ楽しい!!!
映画館で爆音で聴いたリリィが最高だった記憶があります。
私リリィ大好き。
ソロ終わりのアベさんの表情も大好き。
でも、クハラさんがハモる箇所だけは、悲しさが込み上げてきてしまって。
これが聴けるのは最後の最後なんだなって、思うのだろう。
本編終了。ミッシェルのメンバーは、去り方も本当に美しい。
アンコールその1開始。
ステージに来て、アベさんニヤっと笑います。
あの幸せそうな笑顔が、ギターを幸せそうに大事そうに構える瞬間が、大好きです。
楽器弾きたる姿、私も見習う点があり過ぎる。
GT400
と思いきや、侍のような面持ちになってギターをかき鳴らすギャップ。
あべはいつまで経ってもアベさんに敵わないね、ゾッコンです。
「どっか行こうぜ」
じゃあさミッシェルがまだ活動している世界に連れてって。
Revolver Junkies
Thank you Rockers! I love you Baby!
バイバイ、ジェニー!バイバイ、ダニー!
バイバイ、ビリー!バイバイ、ケリー!
名MC。
でも、当時のライターさんが雑誌に記録してくれているような感情は全く分からず、いつも通りのチバさんのカッコいいMCだな、ってしか思えない。もどかしさと、不幸中の幸い。
クハラさんの掛け声からの楽しそうなことよ!!
会場ごと、楽しそう!
バンドを現地で聴くときのドラムの低音は至高なのだな、と思い知らされるようなシーンです。
アンサンブルが凄いな、と思っていた曲なので、このライブではアベさんだけクハラさんを見ていなかったのが少し切なかった、私の考えすぎだと思うけれど。
客席を遠い目で見つめながらお客さんに向けて音を落としていく姿を見て、もう最後だな、と感じた。
プロなんだから、終わりを分からせないでよ。
なんて文句たれそうになったけれど、最高に人間らしく、あくまで自分のギターを弾き続けていて、息を吸うようにバンドマンしている彼らしいな、とも思った気がする。
Jenny
楽しくて仕方ない反面、さっきアベさんに感じた違和感をぬぐい切れない私。
チバさんが客にマイクを向ける時の優しくて満ち足りたような笑顔、やり切ったという感じ。
チバさん、ミッシェルを生み出して、いつも最前線で色々なことを受け止めて、誰よりも前に出て歌を届けてくれて、本当にありがとうございました。
アンコールその1終了。アンコールを望む客のコールも、芸術的に綺麗だと思ってしまう。
アンコールその2開始。
アベさんまたニヤッと笑います。
世界の終わり
ギターの弦が切れてしまう。
途中で声も枯れてしまう。
最後のギターのメロディ、アベさんが今までのミッシェルでの思い出を宝箱に大切に収めているような、そんな気がしてならないのです。
ありがとう、ありがとう。
ミッシェル・ガン・エレファントは、終わりで始まり、そして終わりで終わりました。
あまりに美しくて強くて尊い最後でした。
しっかりフトシ(Futoshi)のF列です。
初めてラストヘブンをフルで観た日。
アベさん側の席を取った!と誇らしげにいましたが、映像作品なので意味は無かった、気分だけ生のライブ。
まとめ
今回は、楽器正宗 純醸を紹介しました。
そして、超絶偏愛にお付き合いいただき、「ありがとう」。(これはアベさんヴォイスではなく、私の声を聞いたことある方はあべヴォイスで脳内再生してね)
来月10日も、美味しい日本酒と音楽で、あなたをおもてなししちゃいます。
すっかり気候も変わるであろう11月。
どんなお酒との出会いがあり、どんな飲み方を楽しむのでしょうか。
1カ月ごとに酒小町noteを書かせて頂いてから、1カ月という期間の短さ、目まぐるしく変わる毎日に、より敏感に気付くようになりました。
1カ月先の自分は、世の中の状況は、どうなっているか本当に分からないです。
でもね、これを読んでいるあなたが、1カ月後もどうか幸せでありますように。
お楽しみに!