鈴木更紗氏(WSET公認講師)に学ぶ「日本酒の魅力を海外市場に伝えるセンスの磨き方」|Sake アンバサダーセミナー File.002
400人以上の参加者が閲覧した第1回目のSakeアンバサダーセミナーに続いて第2回目が2021年1月5日に決定しました。第2回目はWSET公認講師であり海外からの日本酒バイヤーやプロフェッショナルの招聘事業において通訳を任される鈴木更紗氏を講師に迎え、一般的な「日本酒通訳ノウハウ」ではなく、プロ向けに一歩入り込んだ「日本酒の魅力を伝えるセンスの磨き方」についての講義およびワークショップを開催します。
WSET公認講師であり日本酒通訳の鈴木更紗氏が講義。
第2回目のテーマは「伝え方」です。ここでの「伝える力」とは双方が理解できる言語に翻訳して意思疎通を図ることではありません。翻訳原文を相手が理解できる言葉としてどのように翻訳するのかではなく、相手を魅了する巧みな単語やセンテンスをどれだけ知っているのかが議論の中心ではありません。本セミナーでは、通訳する対象者との間に「日本酒の基礎知識力の壁」「異なる食習慣の壁」「ワインとの比較の壁」がある中で、日本酒を「特定のアルコール / 手にしてみたいと思うアルコール / ブランドとしてのアルコールとしてどう伝えるのか?」の視点からこれらの壁を乗り越えるセンスを磨き上げていくことに注目したいと考えています(ニッチなテーマですが「プロ向け」としてとても重要な視点と考えています)。
Sake Ambassador seminarでは、語彙量や通訳ノウハウではなく、さらに深い課題である「伝える側の異食文化市場に対応する自社商品の魅力を表現するセンス」に着眼し、鈴木更紗氏が現場の目線から丁寧に説明していただけます。
まずは間違いやすい日本酒の翻訳事例。
とはいえまずは基礎的な内容として「間違いやすい日本酒の通訳事例」をご紹介いただきます。よく見かける誤訳はFiltration!それは、なぜでしょうか…?本セミナーでは頭の体操としていくつかの間違いやすい翻訳事例をご紹介いただきます。
機能的差別化に力が入ってしまう酒蔵の説明。
鈴木さんはこう言います
「海外からの来客者と酒蔵に訪問すると多くの酒蔵さんは「精米歩合は・・・」「日本酒度は・・・」と言った機能的な違いを熱心に語られます。訪問される方は日本酒を探しにきているプロの方々なので興味深く聞いてくれます。酒蔵さんはその反応が海外市場の反応と認識され、商談会やSNSなどで機能的情報を積極的に発信される方が多くいますが、それは日本酒の魅力を世界市場に発信していく上で見直さなければいけません」。
「私はコニャックの老舗ブランド「カミュ」のブランドマネージャーとして欧州ブランドのアルコールを日本市場に参入する施策に取り組んでいます。欧州側が主張する日本市場への営業ポイントと、日本市場が欧州ブランドに期待するポイントの間に立って、翻訳を超えたコミュニケーションの現場で「ブランド醸成」と「市場展開」の両方の目的を達成するための施策を常に考えています。日本市場でカミュのファンを作るために、私は欧州側が日本市場に伝えたいことを徹底的に調査し、日本市場のターゲットユーザーに刺さることを調査し、その上で欧州側が伝えたい内容を日本市場に刺さるコンテクストとして考えてその上で翻訳していきます。日本酒はまさにこのカミュの例の逆です。日本市場に刺さることをそのまま生まれ育った背景が異なる人々に伝えても刺さりません。「どうすれば刺さるポイントを発見できるのか」「どうすれば刺さるポイントに対して自社の魅力を変化させる / 翻訳する / 伝えることができるのか」を常に自問しセンスを鍛えていかなくてはいけないのです」と。
鈴木更紗氏はどうやって魅力の伝え方のセンスを磨いているのか?
ここで知りたいのは「伝えるセンスはどうやって磨いていけばいいのか?」です。このセミナーでは異食文化のプロフェッショナルへの通訳そしてWSETの講師として第一線で活躍する鈴木さんがどうやって「伝えるセンス」を磨いてきたのか、また鍛えているのか?を細かく説明していただきます。事前に鈴木さんと打ち合わせする中で「このセミナーの準備を通して、日本酒の魅力を伝えるための「センス」に注目し、自身の生い立ちや日々のトレーニング方法を客観的に分析することができました。私自身も新しい発見をすることができました。これまでお話したことがない私のセンスの磨き方についてお伝えすることで、日本酒のプロフェッショナルの方の海外市場への壁を乗り越えることができれば嬉しいです!」とコメントをいただいています。
今回のセミナーの狙いは「魅力を発見するセンス、表現するセンスを磨くこと」です。一時的な「翻訳作業」ではなく「生涯に役に立つセンスそのもの」を磨くきっかけを作っていただきたいと思っています。
ワークショップで異食文化市場への伝えるセンスを磨く。
第2回目のセミナーでは鈴木さんのセンスの磨き方から学ぶだけでなく日本酒の魅力を表現するワークショップを開催します。参加者には全員共通の日本酒をご準備いただきます。その日本酒に対して鈴木さんや参加者がさまざま表現を使って日本酒の香りや味わいを形作っていきます。従来のテイスティングコメントには見られない表現を学び合うことで自身のセンスを磨いていこうというものです。
鈴木さんから指名を受けたテイスティング用の日本酒は何と「パック酒」、全国どこでも手に入るからだそうです。共通した1つの日本酒を多くの方が自身の感性と経験を通じて自身の言葉で表現していくこと、これが日本酒の魅力を伝えるための視点、表現力、伝える力を磨くためにはとてもいい訓練になるとのことです。
日本酒資格に合格された方や海外展開はこれからという酒蔵さんはもちろんのこと、これまで海外展示会や商談会を何度も行ってきた酒蔵さんや現場で商談に関わる日本酒資格補修者の方も是非ご参加ください。
(by 澤田且成 Japnpage:創業者)
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【講師】
鈴木更紗/Sarasa Suzuki
株式会社 Sake Business Laboratory 取締役副社長
ロンドン出身でWSET Diploma(講師資格)を保有する社長の元で、フランス/スペイン/オーストラリアのワインの営業としてキャリアをスタート。各国の醸造家や、MW、WSET Diploma保有者らからグローバルなワインビジネス、ワインテイスティングを学ぶ。
その後、世界第5位の老舗コニャックメーカーであるCamus wines & spirits へ転職。フランス本社が基礎を作るマーケティング戦略/ツールを、日本市場担当セールス&マーケティング責任者としてローカライズする職務を担う。並行して、グローバルのワインマーケットに日本酒を伝えるべく日本酒について学ぶ。 2014年より農林水産省の招聘事業としてスタートした、グローバルで活躍する日本酒講師育成プログラムに通訳として携わり、2017年WSET SAKE講師資格を取得。2017年より世界最高峰のコンペティションIWCにて、SAKE部門の審査員も務めている。
WSET®認定 Level3 SAKE Educator / WSET®認定 Level3 SAKE/WSET®認定 Level3 Wines and Spirits (English) /IWC Sake competition 審査員業務において、日本語、英語、仏語を使用。
【対象】
・Sake Ambassador認定者
・日本酒資格保持者
・酒蔵関係者
・飲食関係者
・行政 / 組合関係者
【スケジュール】
2021年1月5日(火)17:00 - 19:00
16:55 - チャネルへの参加可能
17:00 - 18:20 講演
18:20 - 19:00 ワークショップ&Q&A
【参加方法】
こちらの登録フォームからお申し込みください。
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_j6NCdR4oQoirR8J3_x1ObA
【事前に用意するもの】
本セミナーでは鈴木氏の指導のものセンスを磨く日本酒テイスティングワークショップを行います。このワークショップでは事前に特定銘柄の日本酒をご準備いただき、その日本酒をテイスティングして魅力を発見する表現力を磨いていきます。ご準備いただく商品名は参加者へ通知するメールに記入していますので、事前にご準備をお願いします。
【参加人数】
100名
【モデレーター】
澤田 且成
アイディーテンジャパン株式会社 代表取締役
Japanpage:創業者
ブランディングディレクター
https://www.facebook.com/KatsunariSawada/
創価大学、Institute of Social Studies(オランダ)卒業。(株)富士経済の海外マーケットリサーチャー(株)インターブランドジャパンのプランナーを経て妻の仕事を支えるため退職しカナダ・中国へ移住。2008年アイディーテンジャパン(株)を設立。2010年よりJapaBrand(現Japanpage:)プロジェクトを起案し日本酒や伝統工芸品を海外市場で価値づけることに闘争中。選ばれる商品開発 / 海外バイヤーとの商談 / 地域産品の貿易業務などを題材に講演実績多数。フィリピン・オランダ留学、世界32カ国でのトップインタビュー、カナダ・中国での生活など、30年以上にわたり日本と世界を歩いてきた。