限られた範囲で、人知れず、地味に
M・ナイト・シャマラン監督のミスターガラスをみました。
ミスター・ガラスは、ブルース・ウィルス主演のアンブレイカブル(2000)と、ジェームズ・マカヴォイが多重人格者を演じたスプリット(2016)の続編という位置付けの作品で、物語上重要な要素として登場する電車の名前からイーストレイル177三部作と名前がついているようです。
この三部作の構想はアンブレイカブルの頃からあったそうですが、仮に一作目が大ヒットして続編がすぐに作られていたとしても、私が今作から得た妙な感動はなかったと思います。
というのも、映画の世界でも現実と同様に時間が経過しているのですが、同じ役者の起用や過去の映像の使用というシンプルな方法で過去作からの時間の経過を上手く映画に織り込んでいます。それが19年という時間を経てシャマラン監督がこの映画を実現したという事実そのものと重なり感慨深かったです。
シャマラン監督の過去作を全くみたことが無い人にわざわざオススメはしませんが、私のようにシックスセンス(1999)からレディ・イン・ザ・ウォーター(2006)くらいまでのシャマラン作品はみているけれども、しばらく彼の映画を追えていなかった人はスプリットを予習してからこっそり映画館へ行ってみてください、程度に小声で推したいと思います。
世界の成り立ちに関わるような壮大な出来事が、限られた範囲で、人知れず、地味に、行われているのがシャマラン映画の魅力のような気がするので。
ミスター・ガラス(2019)
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