#48 三段仕込みについて
今回の問題
三段仕込みについて述べよ。
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200字回答
三段仕込みとは、酒母に対して麹・蒸米・仕込み水を3回に分けて、4日間かけて仕込む方法である。乳酸菌などによる腐造を回避するため、徐々に仕込み量を増やしていくことで、酒母に含まれている酵母・酸・アルコールが急激に薄まらないようにしている。1日目は初添、2日目は踊り、3日目は仲添、4日目は留添と呼ばれる。2日目の踊りには仕込み作業を行わず、酵母の増殖を待つ。留添が醪日数の1日目となる。(192字)
回答の要素
三段仕込みについて
酒母に対して、麹・蒸米・仕込み水を3回に分けて、4日間かけて仕込む方法。
徐々に仕込み量を増やしていくことで、酒母に含まれている酵母・酸・アルコールが急激に薄まらないようにしている。
これにより、乳酸菌などによる腐造を回避できる。
1日目は初添、2日目は踊り、3日目は仲添、4日目は留添と呼ばれ、踊りは仕込み作業を行わずに酵母の増殖を待つ。
留添が醪日数の1日目となる。
初添の温度はやや高めだが、留添の温度は醪全体で最低温を目標とし、吟醸で6〜7℃、普通酒で7〜10℃。
回答の構成
・麹・蒸米・仕込み水を3回・4日間で仕込む
・乳酸菌による腐造の回避
・酒母の酵母・酸・アルコールが急激に薄まらないように
・初添・踊り・仲添・留添
・踊り:酵母の増殖を待つ
・留添:醪日数の1日目
回答の補足
延喜式に記載されている「御酒」の造り方は醞(しおり)方式と呼ばれる。現代でいう貴醸酒のような造りで、何回も仕込みを行って作られる。一方で、現代の酒母造り・段仕込みは酘(とう)方式と呼ばれる。
室町時代、すでに酘方式で醸造していた京都・柳酒や大阪・天野酒の技術が、奈良の町方酒造家に伝わって三段仕込みに発展し、原料米の精白・米麹の技術が融合して、「諸白」の原型が誕生したという説がある(小野 2021)。
とはいえ、三段仕込みの文献としての初出は『御酒之日記』と見て良さそう。天野酒は二段仕込み。
他の回答
先人たちの回答
参考文献
J.S.A SAKE DIPLOMA 教本(Third Edition)p. 81,87
小野 善生, 清酒製造業における革新Ⅰ: 清酒の起源から諸白の登場に至るイノベーションの史的考察, 彦根論叢, 2021, 第429号, p. 4-19
住原 則也, 清酒のルーツ,菩提酛(ぼだいもと)の復元 : 奈良の「産」「官」「宗」連携プロジェクトの記録, アゴラ : 天理大学地域文化研究センター紀要, 2006, 4 巻, p. 1-27
松本 武一郎, 『御酒之日記』とその解義, 日本釀造協會雜誌, 1979, 74 巻, 11 号, p. 748-751
※ 引用時に出典URLを明記したものは省きました。
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