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#44 火入れについて

今回の問題

火入れについて述べよ。

自分の回答

200字回答

火入れとは、酒に残った酵母の働きを止め、香味を劣化させる火落ち菌の増殖を防止するため、60-65℃で酒を加熱することである。古くは室町時代から行われていた。一般的に上槽後と瓶詰め前の2回行われる。火入れしない酒は生酒と呼ばれ、搾りたての香味を楽しめる。火入れの方法は蛇管式が一般的だったが、最近ではプレート式熱交換器が用いられることが多い。大吟醸などの高級酒では、手間のかかる瓶燗火入れが用いられる。(200字)

回答の要素

火入れについて
酒に残った酵母の働きを止めるため、酒を加熱すること。
香味を劣化させる火落ち菌の増殖を防止する。
味わいを損ねないように60-65℃程度の温度で加熱する。
上槽後と瓶詰め前の2回行われるのが一般的。
室町時代から行われていた。
火入れしていない酒は生酒と呼ばれ、搾りたての香味を楽しめるが、冷蔵管理が必須。

火入れの方法
かつては熱湯を張ったタンクに蛇管を入れ、酒を通す「蛇管式」が一般的だった。
最近では蒸気・湯と酒が流れるプレートが交互に配された「プレート式熱交換器」が用いられる。
大吟醸などの高級酒では、手間のかかる「瓶燗火入れ」が用いられる。
他にも「パストライザーウォーマー」などの火入れ方法がある。

回答の構成

・酵母の働きを止める、火落ち菌の増殖防止、60-65℃
・室町時代から
・上槽後と瓶詰め前の2回
・生酒、搾りたての香味
・蛇管式からプレート式熱交換器へ
・高級酒では瓶燗火入れ

回答の補足

小泉(2021)によると、文献上で火入れについて初めて言及されるのは、『多聞院日記』1560年5月20日の「酒を煑させ樽に入れ了る、初度なり」の記述とされる。夏場に向けて酒が腐りやすくなるので、酒に熱を加えて殺菌した、ということ。パスツールがパスチャライゼーション(低温殺菌法)を導入したのが1866年というので、実に306年以上前から日本では低温殺菌法が行われていたことになる。

他の回答

先人たちの回答

火入れは、味わいを損ねないよう60-65℃程度の温度で一定時間、酒を加熱することである。酒に残った酵母の働きを止め、酒を「火落ち」と呼ばれる乳酸菌汚染に導く「火落ち菌」を死滅させるために行われる。「蛇管式」「プレート式」「パストライザーウォーマー」などの火入れ方法がある。近年、流通環境の発達により、火入れを一切行わない生酒が流通するようになり、搾りたての華やかな香味を消費者が楽しめるようになった。
※お題は「火入れと生酒について述べよ」

えすにっくさん
https://ethnicsake.blog.fc2.com/blog-entry-165.html

参考文献

J.S.A SAKE DIPLOMA 教本(Third Edition)p. 16,94,95
小泉 武夫, 日本酒の世界, 講談社学術文庫, 2021
wikipedia, パスチャライゼーション, 閲覧2023年10月8日
株式会社南部美人, 「火入れ」編, 閲覧2023年10月8日

※ 引用時に出典URLを明記したものは省きました。
※ 内容に間違いがある場合があります。ご指摘いただけると幸いです。


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