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いつだって花を抱えてあるきたい

前からよく、きもちがすり減った時は近くの花屋さんにいって花を買っていた。

ひとつ恋が終わったときにはスイートピーとチューリップを。スイートピーってふりふりでかわいいよね、甘い(香りがいい)豆(マメ科)というらしい。チューリップはその日によってぶわぁあって咲いたりしゅんとしぼんだりしている。たまらなくかわいい。


谷中をひとりで散歩したときは町の花屋さんで濃いピンクのモカラを。色が濃くて、花びらが分厚く、きれいだったので一輪買った。ほくほくして少し歩いていると、うしろから
「おねえさん、こっちの子の方が元気だからこっちがいいとおもう!」ってさっきの花屋さんが追いかけてきてくれて、お花を交換してくれた。
あまりにもやさしく、うれしいできごとで、もちろんその子は何日も元気に咲いてくれた。


ひとり何の予定もない日、買い出しをしたあとにはこんもりと咲いているあじさいと、黄色い怪獣みたいな柄のモカラと、花っぽくない花のアンスリウムを買って帰った。
出展準備で忙しく、部屋中がひっくり返されたような乱雑な部屋に、突然花瓶に生けられた3本の花たち。異様な光景である。
それでも朝起きて、こんなお部屋でもきれいに咲いている花をみるとげんきがでた。久しぶりに連絡してきてくれたひとが花に詳しいようで、水をたっぷりあげるといいよと教えてくれた。



わたしは夏の花ケイトウ、という脳みそみたいなかたちのお花が格好よくてすきだ。すきなのだけれど、枯れた時の姿がまあなんと恐ろしいこと。こわい。悪魔みたい。あれ、こわい。

どうやらオレンジ以外にも濃いピンクなどもあるようで、ビタミンカラーなケイトウは見ていると元気が出る。今年の夏は久しぶりにケイトウを買いたい。


そしていつだって、花を持って帰っているときが一番だとわたしはおもっている。花を持って歩くことがうれしくて、遠回りして家に帰るくらい。
花を買って帰るときの、るんるんらんらんとした気分が、お花を買うときのハイライトなのです。


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