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お決まりデニーズ
おばあちゃん家にいくといつもお決まりのコースがある。
それはお昼にデニーズでごはんをたべること。
バスに乗って駅まで行き、そこから一緒に15分ちょっと、とろとろと歩く。88歳と82歳にはなかなかのハード距離である。(歩ける歩ける!と言ってタクシーには乗ってくれない)
そこのデニーズの店員さんたちはホテルのフロントマンのように、むしろそれ以上なのではないかというほどに接客対応が丁寧で、あまりにも腰が低いのでこちらまで低くなってしまう。
おばあちゃんはいつも必ずフレンチトーストを先に頼み、「たべてたべて」とみんなにシェアする。粉糖がかかっているフレンチトーストはやさしい甘さで少しさっくりしていて、そこにメープルをかけてたべる。
もちろんそれとは別にひとりひとつごはんを頼む。そして必ず最後に、デザートをたべます。(かなりまんぷくコース)
今回はいちごフェアをしていたので、いちごパフェのミニを頼む。おじいちゃんはもういらないよ、というのでほぼおばあちゃんひとりでミニパフェまでたべるのだけど、おばあちゃんはいつも必ずひとくちおじいちゃんにあげる。
おじいちゃんは眉間にしわをよせてたべないよ、と言うのにそんなのお構いなしにパフェを掬っておじいちゃんの口に運ぶおばあちゃん。口に運んでくるものだからおじいちゃんもあーんしてたべる。それはそれはめちゃくちゃ眉間にシワを寄せて。
毎回このやりとりを向かいの席で微笑ましく眺めるまで、
これがいつものお決まりデニーズである。