人生振り返りクイズ
死んだ後、生前の自分の身に起きた出来事に関するクイズが次々に出題されるとして、僕の場合、ここ3年間辺り(24歳〜26歳)の問題が鬼門になってくるだろう。
年々、時間が経つのが早く感じるようになり、ここ3年、漠然と過ぎていく時間に追われ、振り返れば特にこれといった記憶や実績は残っていない。
出題者もきっと、僕が絶妙に思い出せそうで思い出せないギリギリの記憶を狙って突いてくる。
そのクイズの仕組みはよくわかっていないが、ある程度正解できないと来世の輪廻にも影響してくる可能性も考えられる。
となると、生きてるうちになるべくクイズに出そうな出来事を記憶し、ある程度対策しておく必要がある。
例えば24歳のある日。
バイト先の新店長)
「今日から異動になりました。店長の小峰です。よろしくお願いします。」
出そうだ…!
これは人生振り返りクイズに出題されそうな人物。特にこれといった特徴もなく、直接の絡みも思い入れもない2人目の店長をあえて出題するチョイス。このまま最期まで僕の記憶に名前が残り続けるか絶妙なラインか。
Q.23歳の時、あなたのバイト先に異動してきた、店長の名前とは?
頭の中で唸る自分の姿が容易に想像できる良問である。
あるいは25歳。
僕)
「明日のごみ出しは、えーっと…」
中野地区ごみ収集曜日表
月曜 可燃
火曜 プラスチック
水曜 資源、段ボール
木曜 可燃
金曜 不燃
出そうだ…!
表ごと出そうだ…!穴埋め形式で出そうだ…!
ごみ捨ては、引っ越してからある程度期間が経つと、生活リズムに組み込まれて無意識に行うようになる。出題者はそこを突いてくる。
Q.あなたが25歳の時、次の空欄に入るごみはなんでしょう??
中野地区ごみ収集曜日表
月曜 可燃
火曜 ⬜︎⬜︎
水曜 資源、段ボール
木曜 ⬜︎⬜︎
金曜 不燃
ただ、無意識にでもきちんとゴミ出しを行っていると、ごみ収集曜日表自体を暗記していなくても、日頃の生活リズムから逆算して解答を導き出すことができる。
公式をただ暗記するのではなく、公式の意味を理解することで、公式自体を暗記しなくても公式を導き出すことができる、三角関数の類の良問である。
あるいは26歳。
コンビニ)
新発売!『舞茸おこわおにぎり』
僕)「(パク…もぐもぐ…)」
!?
出そうだ!なんて出そうな味なんだ!
僕の人生において、突如として強烈な輝きを放ち、一瞬で忘れ去られた嗜好食品は数知れず。その中から主食としても活躍した舞茸おこわおにぎりが出題。
Q.26、歳の時、あなたが好んで食べたコンビニおにぎりとは?
一度ハマったものは飽きるまで食べてしまう僕の性格を逆手に取った良問である。
その他にも…
Q.26歳の時、新たに事務所ライブの会場となった新宿バティオスの正式名称は??
A.vatios with 藤崎 翔
Q.その藤崎翔氏の著書であり、楽屋でよく見るこの小説のタイトルは?
A.比例区は「悪魔」と書くのだ、人間ども
など、日常生活を送るうえで覚えなくても全く支障がないに関わらず、なぜかやたら目に入ってくる情報に関しては、出題者が絶妙な記憶を突く問題を作成するためにあえて人生に登場させているのではないかと睨んでいる。覚えておいて損はないだろう。
このように、生きているうちから人生の復習を済ませ、死後に出題される振り返りクイズで高得点を出すことで、来世は希望通りのスペックで優雅な人生を送りたい。
人生の振り返りクイズに、舞茸おこわおにぎりを出題しなければならないほど、何の事件もない人生を送っていることを再認識。