ライブの1日の流れ(学園祭を中心に)
ライブはどうやって準備、実施されているのか?
学園祭ライブを中心に時系列を追って紹介していく。
有名アーティストの一般的なライブをいくつか取材しているが流れは大体一緒だ。
学園祭ライブの朝は早い。
まず機材を載せた11トントラックが朝6時半頃にやってくる。
2000人規模の会場だと一台。
それより大きい会場だと数台。
アーティストの名前が書かれたトラックを見ることがあると思うがあれだ。
7時頃舞台監督、スタッフ、ツアーマネージャーなどが続々と到着する。
8時頃からトラックから機材の搬入を開始。
この時は大学側からも手伝いが30人程度必要。
重い機材を協力して運び出す。
大型スピーカーなどは想像を絶する重さだ。
気を抜くとケガをする。
一時間程度で運び出しを終えると照明、音響機材のセッティングが始まる。
お昼頃にセッティングが終了し昼食。
スタッフ全員のお弁当はもちろん大学側で準備する。
午後1時から照明チェック。
その後サウンドチェック。
そしていよいよこの時間にアーティストがやって来る。
大学の会場だと入り口出口が熱狂的なファンで入り待ちされるため敢えて大学の外に楽屋を準備してくれという指示をツアーマネージャーからされることがある。
入り時間はファンの方も経験上認識しているためそこをなるべくずらして会場入りさせたいのだ。
14時頃からリハーサルが始まるのでその直前に会場に入れる。
車両も普通のワゴン車。
ファンの方がアーティストが乗っている車両を認識している場合がある。
それとは違う車両で会場入りさせるのだ。
すっと会場入りさせてアーティストも数曲歌い会場をチェックする。
その会場毎に音の伝わり方、反響も違う。
その辺りも入念にチェックする。
1時間程度のリハーサルそして会場チェックが終わると会場を一端後にして楽屋に戻る。
コンサートが度々開かれる会場は会場内の楽屋を当然使う。
最新のコンサートホールの楽屋は広さが違う部屋がいくつも用意されている。
大きな鏡も常設されていてテレビ局の楽屋をテレビ放送されることがあるがあれとよく似ている。
新しく建てられたコンサートホールはテレビ局の楽屋よりスペースが広い。
楽屋口は一般の方が近付けない位置に設置されている。
車両で楽屋口まで行く訳だがその入り口から警備員にシャットアウトされる。
学園祭に戻ろう。
楽屋に戻ったアーティストは開演まで楽屋で過ごす。
リハーサル終了後に学生スタッフとの集合写真撮影を行うアーティストもいる。
しかし学生スタッフとの撮影NGのアーティストもいる。
楽屋で接待するのは女子の学生だがその学生はアーティストの姿を間近で見てることになる。
楽屋前に暫くいると中の様子が聞こえてくる。
『えっ?』て様子のアーティストもおりそっかぁこれが現実かぁとがっかりすることもある。
もちろん舞台上では一切そういった様子は見せない。
それがプロだ。
17時半に開場し18時半に開演。
もちろんライブによって開場、開演時間は違う。
大きい会場でライブを実施するアーティストは数日前から会場のセッティングを始める。
今日書いている流れは学園祭の一般的な流れだ。
会場警備、そしてチケットのもぎりも学生スタッフが行う。
サークル、実行委員会のスタッフの人数が少ない時にはバイトを当日雇う必要がある。
2000人規模の会場であれば楽屋人数を含めて最低40人以上のスタッフが必要になる。
開演中は不測の事態に備えて万全の警備に全力を尽くす。
ほとんどの学生スタッフはライブをじっくり見ている暇は無い。
リハーサル後の集合写真がスタッフを経験した学生の一生の記念だ。
ライブが終わるとすぐにアーティストを会場から出す。
会場にいる方が退場を始める前にアーティストをどこから出すか?が勝負。
ツアーマネージャーは会場入りした後に出口を探す。
『ここから出すのですか?』
普段使わないような非常口がスタッフには好まれる。
アーティストを先に出してお客さん全員の退場が完了したら搬出作業に入る。
学園祭ライブはライブ終了後にアーティストやプロスタッフ達との打ち上げはもちろん無い。
21時頃から搬出を始めて22時頃終了。
『お疲れ様でした』スタッフを全員送り出して終了となる。
ここから学生達の打ち上げを行うことがある。
筆者が責任者の時全ての作業が終了した後に思い出として最後学生スタッフ全員で写真撮影を行った。
すると突然頭から冷たい感覚。
同期のメンバーがサプライズでビールを用意しそれを頭から掛けたのだ。
この日のために買い揃えたスーツはびじょびじょ。
そのスーツは二度と使えなくなったがこの瞬間は今でも鮮明に覚えている。
ほんと嬉しかった。
大変なことも多いがお客さんが満足感で帰って行く姿を見るとこれがライブの真の魅力なんだろうなぁと実感する。
学園祭ライブを主催したこと。
これは一生の宝物だ。