しんじょう君・ちぃたん☆騒動の行方。担当官庁の取材から見えて来たもの。
須崎市が、東京地裁に申し立てした、ちぃたん☆の活動停止の仮処分申請の結果が、見えない。やきもきしているファンの方も多いだろう。
平成31年2月16日に、須崎市は、東京地方裁判所にちぃたん☆の標章及び着ぐるみの使用停止(著作権法112条1項、不正競争防止法3条1項、2項、商標法36条1項)を求める仮処分を申し立てている。
東京地裁は、この結果を、基本的に公表しないと明言している。当事者からの発表が基本になる。法務省は、仮処分の結果が出るまでの期間について、個別・具体的な事案によって、全く違って来ると話す。ただ、証拠が分かりやすいものに関しては、短期で結果が出ると取材に対して答えている。
そして、ある弁護士を取材したところ、仮処分が出る期間は、2週間から、2,3ヵ月程度と答えた。
🔷活動を止めるには、著作権法違反。グッズ等の販売を止めるには、不正競争防止法違反。
活動を止めることと、グッズ販売を止めること、それぞれの根拠が必要になる。活動を止めさせるには、著作権法違反が、認められる必要があり、グッズ等の販売を止めるには、不正競争防止法違反が認められる必要がある。
🔶著作権法違反の証拠認定の難しさ
須崎市は許可の範囲を逸脱して活動していると主張。一方、ちぃたん☆側は、許可が不要だとの認識だったと、主張・認識が真っ向から対立している。文化庁は、こういったトラブルを防ぐために、書面での契約を推奨している。しかし、今回は、その契約書が無いために、言った、言わないの状況に陥っている。
音声は、裁判所での証拠としては、認定させないため、メールのやり取りなどが、証拠として提出されていると思われる。ただし、著作権法違反が、認められるかどうかは、あくまでも裁判官の判断に委ねられる。
🔷不正競争防止法違反の可能性
しんじょう君・ちぃたん☆と似たようなケースで、グッズの販売停止となった判決がいくつかある。このため、経済産業省の担当者は、不正競争防止法違反は認められる可能性は、充分あり得ると話す。
🔶ちぃたん☆の日本以外での商標申請の状況
ちぃたん☆の日本以外での商標申請状況は、須崎市も全てを把握していない。WIPOが提供している国際、国内特許データーベースで検索することも可能だが、国ごとに申請している正確な表記で無いと、検索にヒットしない仕組みになっている。
特許庁では、国際的な商標に強い弁理士でも、全ての国を見つけ出すことは、かなり難しいと話している。
🔷商標申請の取り消し方法の違い
国によって、取り消しの方法も違うし、審査基準も違う。仮に、日本では商標登録が認められなくても、一部の国では、ちぃたん☆の商標登録の取り消しが、出来ない状況も、充分に考えられる。
🔶今後の行方
フレーベル館担当者は、和解が一番と話す。このしんじょう君・ちぃたん☆のトラブルを取材すればするほど、問題解決が簡単では無いことを痛感させられる。
そして、日本での活動停止が仮に認められたとする。
しかし、他国でちぃたん☆が、今と同じように、活動して、その国で映像をアップすれば、問題が無い国も存在する。
また、仮処分が出た後の裁判も、最高裁まで行くと、最低でも2年は、掛かるだろう。
他国でのちぃたん☆の商標申請は、今後のしんじょう君の海外での活動へも影響をもたらす。
であれば、フレーベル館が提案している、双方話し合いによる和解が、一番の選択肢だと今は感じる。仮処分の結論が出た後に、お互いが、充分に話し合い、一つひとつ契約書に落とし込み、今後こういったトラブルが起きないようにすることが、大事だ。
クリーブラッツ社が、まずは、活動停止に応じ、須崎市との交渉のテーブルに着くことが、大前提。
あらゆる方面への影響を、充分考慮して、今後の展開を考える必要がある。