アカペラアレンジ外部委託時の監督不在と対策
note素人すぎて初めましてのご挨拶が必要なのかどうかも分かりません。
(このnoteをご覧になっている方はほとんど僕のTwitterより飛んできていると思うので今回は省略させて頂きます)
【記事を書こうと思ったきっかけ】
きっかけは、Twitterにてアンケートを行ったこれ
世はまさに「大外注時代」なんて僕は勝手に呼んでいるんですが、
アレンジャーが増えているんだか減っているんだかよくわからない今の時代、
確実に増えているのがアレンジの外部委託。
アレンジを外部にお願いすることで、自分たちは歌唱やパフォーマンスや飲み会(嘘ですごめんなさい消さないで人脈は大事〜坂東は英二)等に力を入れることが
できるのだから、効率が良いと感じている方も多いのではないでしょうか。
実際に全国大会に出場するなど、結果を残しているグループも幾つもあります。
(JAMアカスピで本選優勝しているグループさんは大半が自前アレンジですが)
アカペラ界隈における大会が盛り上がりを見せ、
「大会に勝ちたい!」と願うグループが増えたことも外部委託が増えた要因かもしれませんね。
こう聞くとメリットが多く感じられる外部委託ですが、難しい点もあります。
個人的に一番難しいと感じている点が「練習の場にアレンジャーがいない」こと。
アレンジ経験者の皆様はわかってくださると思いますが、自分のイメージした世界をバンドメンバーに共有する時点で一定のハードルがあります。
バンドメンバーといえど他人。同じ釜の飯を食った(古い)近しい価値観の中で音楽を楽しんでいるメンバーですら、アレンジの意図を100%伝えきることは容易ではありません。(「先週言ったのになんで忘れて帰ってくるんだよてめえニワトリかよ」とかの話じゃないよ!一応!)
でありながら、今回アンケートでご回答くださった方の実に80%以上が
100点以上とれるアレンジが欲しくて外部委託している
(ちなみに今回のアンケートの点数に関する定義はこちらです)
「お客さんの心を打つ決定的アレンジ」
「自分たちの良さが最大限活かされたアレンジ」
「大会に勝てるアレンジ」
そんなアレンジを望み外部へ依頼する方がとても多いのだと僕は解釈しました。
さて、先ほども記した通り「練習の場にアレンジャーはいない」わけですから、
結構な割合で「自分たちの描いた夢や理想」と「練習を重ね見えてきた現実」の
ギャップで苦しんでいるグループがいるのではないか?と考えました。
果てしなく長い前置きですが、アレンジの外部委託をした結果いま悩んでしまっている皆様向けに僕の思う
100点に近づくための対策
を紹介したいと思います。
1.アレンジャーを練習にお招きする
2.疑問点はすぐに問い合わせる
3.あまりにフィットしない箇所は自分たちで部分的に修正するか、問い合わせる
4.メンバーに最低一人はアレンジ経験者がいる状態で委託する
「当たり前だろ!」と思う方は大丈夫です。そのままのあなたでいてください。
一つずつ紹介していきます!
1.アレンジャーを練習にお招きする
これはプラスアルファで「早い方がいい」と僕は思っています!
アレンジャーを練習に呼ぶとなるとどうしても「ちゃんと仕上がってから呼ぼう」となりがちなんですけど、僕個人としてはアレンジの意図をしっかり伝えそれを仕上げた方が最終的にいい演奏になると思っています。
あと解釈がうまくいかなくて形になるのに三ヶ月練習するくらいなら、
二回目の練習に来てもらって解説つきで歌った方が先に行ける気がしませんか?
もしくは「自分たちはこう歌いたい」というのを二、三回の練習で固めてからお招きしてディスカッションするパターンも良いかもしれません。
(自分たちで一切読解をしないことも音楽を奏でる楽しさが半減しますし)
また最近多いのが「新しく組んだグループなので動画や音源がない」グループが個々人の演奏動画をアレンジャーに送り、委託するパターン。アレンジャーにとってはそのグループとしての声の重なりやブレンド、ビートの解釈など、未知の要素が多い状況でのアレンジとなります。
実際にそのグループで歌っている姿を見て湧く新しいインスピレーションや、聞いてみたらイメージとは違った部分を修正してもらえる可能性があります。
(ここの判断は難しいですし、全てのアレンジャーがやってくれると書いてしまうと各所から怒られそうなので言えませんが...)
僕は「違うアプローチのが良さそうだな!」と感じその場で変えて頂いたことや、「こういうイメージで歌うとまとまると思います!」と伝え修正して頂いたことが過去にありました。メンバーと動画越しに存在ではなく人間として実際に接することで生まれるものもあるんじゃないかと思います。
(とはいえ新規のバンドも何かしら簡単な楽譜を用意して練習曲とし、その音源を依頼するときに一緒に送付するとスムーズですし、自分たちで自分たちの魅力について考える機会になるやもしれません)
2.疑問点はすぐに問い合わせる
とはいうものの練習に呼べる距離の方に委託するパターンのみではないですよね。
横のつながりが強いアカペラ界隈、異なる地方の方への依頼のため練習に来て頂くのが難しい場合があります。そんな時、疑問点があれば連絡してみましょう。
アレンジャーは得てして高い経験値を積み、多種多様な音楽に触れてきています。その人だから見えるものがあります。
そんな時に「変なの」となってしまったり「間違えじゃね?」と変えてしまったり、「八分休符も四分休符も変わらないでしょ」とブレスを増やしたり(突然の具体例)したことで全体のバランスが崩れてしまうことがあります。連絡することで解決することも多いと思います。
加えて言うと「これはどういうことですかわかんねぇよカス」と聞くよりは
「これってこういうことだと解釈したんですけど、どうですか?」と音源を添えて質問するとアレンジャー側もより答えやすく高度なやりとりになると思います!
※当たり前ながらアレンジャーも人間です。ミスすることはあります。
単なる書き間違えなのに、
「あの人のアレンジなのだから何か特別な意図があるに違いない...」と粘り、
迷宮入りする可能性もあります。問い合わせは大事だと思います。
3.あまりにフィットしない箇所は自分たちで部分的に修正するか、問い合わせる
4.メンバーに最低ひとりはアレンジ経験者がいる状態で委託する
少なくとも僕はそうですが、様々な可能性を吟味しながら一音一音に意味を込めて制作しています。そのため制作時に排除した選択肢が、最終的には良い結果をもたらす選択肢だった可能性があります。(バンド内でアレンジを行なっている場合はこういった迷いを全て練習で試すことができる...強い...)
だから2.とは逆説的ではありますが、自分たちが書き換えて好転する状況はありえますし、そういった柔軟な対応ができるようにアレンジ経験者が一人はいる状態で委託することは重要だと思います。
最後に手前味噌で恐縮ですが、
アレンジ経験者が内部にいることの重要性を昔ツイートで書いたことを思い出したのでそれを貼ります。
コイツ偉そうですね?死ねばいいのに
本当に最後に、リツイートで回ってきたけどお前誰だよと言う方向けに僕のアレンジをいくつか貼らせていただきます。よければご覧ください。
僕の所属グループのHi-DRYDE。Hi-DRYDEは全曲アレンジ担当しています。
こちらも僕の所属グループの安西プロジェクト。メンバーのよしきさんと二人で手分けしてアレンジを担当しています。アレンジそのものに特記事項はないんですがメンバーの歌唱表現に活かして頂いた一曲。
メンバーとコミュニケーションをとって吟味した、という意味では一番やった曲。
リードボーカルの文音が英訳担当、一人アカペラの音源を送って頂き、それを元にイメージを膨らませるという貴重な経験ができて楽しかったです。
練習も二、三回お邪魔しました。
一緒に歌ったり対バンしたりメンバーの特性をよく知っていたから書けたアレンジ
一人一人が素晴らしい楽器なんですよね...
長々大変失礼いたしました。お読み頂いた皆様、心より御礼申し上げます。
アレンジに関して何か発信することが今後あるのか、それがnoteになるのかは正直わかりませんが、自前アレンジで頑張るぞ!というアレンジャーの皆様と一緒に切磋琢磨できる機会は模索してます。何かできたらいいな。ではまた!
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