José Jamesを見た 20.02.14

すごく久しぶりのライブ。noteを見ると11月頭のCory Henry & The Funk Apostles以来。ということは3ヶ月半ぶり?よくそんな長いことライブ行かないで耐えたものだと自分を褒めたいくらいだ(実際は収入がなくて行けなかっただけである)。

ホセ・ジェイムズ。最後に見たのはビル・ウィザース・トリビュートの時だったが、あれはいつだっただろうか。なんか毎年のようにバレンタインシーズンに来日している気がするが、今回の来日は新作『No Beginning No End 2』発売記念の公演、というのが大きな意義だろう。しかも新作は日本でひと月くらい先行で発売。アルバムのラストが「Oracle (高尾山)」という曲だったり、ホセにとって日本が(リップサービスでなく)特別な場所だということなのだろう。

ホセのバンド、ビル・ウィザース公演の時はネイト・スミスやブラッド・アレン・ウィリアムス、大林武司など、これまでのアルバムやバンドの参加メンバーがバックを固めていたが、それ以降ライブのメンバーがかなり変わり、アルバムにもそれが現れている。分かりやすいところでいうとドラムのジャスティン・ブラウン。サンダーキャットと共演しているゴスペル系ドラマーで、今回のアルバムメンバー(ちなみにアルバムにはジャマイア・ウィリアムスも数曲参加している)だが、正直この人選は意外だった。
ジャスティンもソロを披露する場面があったが、彼のソロはわりかし「バタバタ系」である。ゴスペル系ドラマーはその傾向が強い気がする。そしてこのバタバタ系が僕はそんなに好きではなかったのだが、ゴスペルドラムという文脈で見るようになったからか、単に慣れたのか、あるいは僕が想像するバタバタ系より上手いバタバタだったのか、最近は割と楽しく見られるようになった。ジャスティンのドラムは、タイトでグルーヴィーなネイト・スミスとかとはまた違った気持ちよさがあって、それは動作の気持ちよさなのかなーと思う。素早く手足を動かすその動きと、バタバタと叩きまくりながらズレや無理がなく最後にキマる感じ。それはサンダーキャットのライブ動画とか見てて思ったことでもある。

(↑3年前の野外フェスPickathonでのサンダーキャット「Them Changes」。ヒゲが無いので分かりにくいがドラムはジャスティン・ブラウン。ラスト4:30あたりからのエンディングでの叩きっぷりよ)

そういえば、クリス・デイヴが数年前?から使うようになったクラップ・シンバル(Clap Stackと呼ぶらしい)をジャスティンも使っていて、今回のライブでは結構スネア代わりに使われていた。あれ欲しい。

(↑ジャスティン・ブラウンが叩くそのものズバリな動画があった。"Clap Stack"は動画中盤くらいから使っている)


ライブはターリがゲストで参加し、デュエット「I Found A Love」を披露。「Live Your Fantasy」や、『No Beginning No End』からの曲も数曲。しかも「Vanguard」では、その演奏のままマッシュアップ風にボビー・コールドウェル「What You Won't Do For Love」を歌い、人力スクラッチも披露。新作のSSWっぽさの中でこれを見せられると、ホセが単なるジャズ/R&Bシンガーではなく、めちゃくちゃテクニカルなヴォーカリストであるということを思い出す。

新作からの曲が多いため、これまでよりもSSWっぽさが感じられるライブではあったが、ライブで見るその姿はいい意味で変わらないようでもあった。自分自身を歌うよりパーソナルな表現は、サウンド面で大きな変化は生じなくても、内面は確実に変化し進化しているのだと思う。それは帰る場所を得たような安心感や、ひとまわり大きくなったような余裕を感じさせるようなアルバムの雰囲気にも表れている。そして新たな旅立ちを迎えたホセが、次にどんな作品を、ライブを見せてくれるのか。まだ新作が出たばかりなのに、そんなことを楽しみにしてしまう。

(↑ライブがあったバレンタインデーに公開された、アルバムにも収録されているビリー・ジョエルのカバー。これが意外にストレートなカバーですごくよかった)


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