ロードバイク考 5 サブカルロード
僕がロードバイクについて調べていると、はじめはレーシングな車体の情報が大量に出てきます。
トレック。スペシャライズド、スコット、キャノンディール、……。
言い始めたらキリが無いくらいあります。
そして、各々の車体の取り扱い店舗がばらける為、行きつけの自転車屋だとここのメーカーから選ばないと……。みたいな悩みも出てきたりします。
レース用のハイグレードはすべてカーボンで、エアロ形状で軽量で。各社頑張ってコンマ何秒の世界を争っています。
でも、そんな中に、それとは違う方向を向いている自転車文化がある事に気が付く。
早さなんて追わない。
俺はかっこよさを追求する。
もはやカルチャーだ。
サブカルローディー!
うん。悪くねえ。
これがサブカルローディーだ!
ここまでくればもう、どこら辺の話をしてるのか分かる人は分かると思いますが。そうですね。アメカジっぽい雰囲気を楽しむような自転車です。
なんとなくそこらへんは、武骨なクロモリで、ロードや、フルリジット(サスペンションの付いていない)のマウンテンバイクなどを、ストリートで乗りこなす。そんなイメージです。
そして、パーツ構成はかっこよさと、自分らしさを追求した自由度の高い物になります。
この文化の元になったのは、自分的には「ファットバイク」や「ピストバイク」などのストリートバイクの流れだと思っています。
ですので、彼らは太いタイヤを好むことが多いです。(ピストバイクは細目のタイヤですが)ロードもロードバイクと言うよりは、グラベルロードがチョイスされるイメージでしょうか。40cくらいの太いごつごつタイヤ。タイヤのサイドはタンスキン。太いタイヤなので、タンサイドが良い感じで映えます。
同じように、彼らは太いタイヤを履いたマウンテンバイクも好きです。ただ、レース仕様のサスペンションの付いたハイテクマウンテンバイクはちょっと好きじゃありません。フルリジットです。クロモリフレームにクロモリフォークです。
昔っぽいスタイルがお好みです。
ですので、ホイールもロード界で流行っているようなリム高のカーボンとかじゃありません。薄いアルミリムで十分です。乗り心地が優先なのです。ぶっといタイヤが十分に主張しますので。
それで、アメリカンカントリーを感じさせてくれる、クロムのギラギラしたアルミリムなどもよくチョイスされます。
アメリカンなので、ベロシティですね。A23のシルバーがカッコいいっす。
ハンドルもドロップなんかにこだわりません。グラベルロードに、ライザーなハンドルや、BMX風のハンドルだって付けちゃいます。でも品質にはこだわります。日東の良い物をチョイスして作っていくんです。
僕のマイバイクについている40年前のブルムースバーもあのクラシカルが人気なのか復刻して使っていたりしでいるようです。
フェンダーだって付けます。その方が日常使いには便利ですから。
フロントにはキャリアを付け、バックやカゴもオシャレに付けます。重さを軽くなんて考えません。アメリカンカジュアルな日常感がカッコいいんです。
だから、センタースタンドもつけがちですよね。で、デカいU字ロックをカゴに下げています。
サドル? ブルックスのレザーとかカッコいいっすよね。
アンティークな雰囲気がイカすっす。
それから、見た目を気にしますからね。
彼らはシングルスピードが大好きです。
シンプルなかっこよさがたまらないっす。ここら辺はピストバイクからの風潮もあるのかもしれません。
僕もだいぶ影響をうけました。40年前のフロントフリーのマウンテンバイクがディレイラーとかチェーンリングが死んだらシングルスピード化して楽しもうと考えています。
フレームは、やっぱりSURLYが一番人気じゃないっすかね。車体名だって洒落てます「カラテモンキー」ですよ? アメリカンなジャパニーズです。SURLYは色使いもハイセンス、単色でダウンチューブに雑に「SURLY」って書いてあって、トップチューブに小さくモデル名が書いてあるくらいのデザイン。
それがカッコいい。
あと、マッシュに、インディペンデントファブリケーション。オールシティ……。そんなアメリカンなハンドメイドバイクが暑いようです。
他にもリッチーだったり、SOMA、KONAみたいなクロモリで太いタイヤを履けるグラベルロードを作ってるメーカーは人気ありそうですよね。
そんなオシャレなフレームを選び、上記のパーツを色々と悩みながら、自分だけのオシャレバイクを作る。
それにはやっぱり一台のバイクを完成させるのに30万とかかかってしまいますが、満足度の高い良い趣味だと思います。
だって、レースで一分一秒を争う人たちは100万からお金がかかるんですから。
当然乗るときにサイクリングジャージなんて着ません。ジーンズや短パンにTシャツとか、そんなラフな格好です。
なんなら、古着屋で揃えたような服装で乗ると壮絶カッコいいんだと思います。
こういう自転車の世界も。
ある意味ありですよね。
(※かなりの個人的な偏見も混じってしまってます)